
マツダ(株)と中国自動車メーカー長安汽車の合弁会社である長安マツダは、第20回上海国際モーターショーで新型SUV「CX-50」を正式発表した。「CX-50」は、すでに2022年から米国で量産開始され、米国/カナダで生産されている新型クロスオーバーSUVだ。今回、中国市場でも販売が開始され、生産も中国で行われる。車両本体価格は159,800元〜212,000元(日本円で約311万〜412.3万円)となっている。
●文:月刊自家用車編集部
ショーの会場で2023年秋にハイブリッドの追加を発表。このハイブリッドは日本向けモデルにも搭載か!?
新型SUV「CX-50」は、2021年11月に米国でワールドプレミアされ、2022年1月からトヨタ自動車(株)と合弁で建設した米国アラバマ州ハンツビルの新工場で生産を開始。米国とカナダで販売されているモデルだ。パワートレーンは、横置きエンジンを採用。「MAZDA3」や「MAZDA CX-30」などと同じスモール商品群に属したモデルとなる。
ただ、スモール商品群ながらボディサイズは全長4,785mm×全幅1,920mm×全高1,638mmと縦置きエンジンを採用したラージ商品群のCX-60のボディサイズ全長4,740mm×全幅1,890mm×全高1,685mmと比べると全長・全幅はCX-50の方が大きい。
エクステリアデザインはマツダSUVの中でもっともヘビーデューティーで、前後フェンダーのクラッディングパネルや前後の大型バンパーがアウトドアフィールドでの使い勝手や、楽しみを加速させる演出が加えられている。
インテリアもインパネを中心に、他のマツダSUVとは一味違う無骨なデザインを採用。センターパネル上部には10.25インチの高精細ディスプレイを備え、インフォテイメントシステムの操作はすべてセンターコンソールのダイヤルスイッチで行うという部分は、ほかの最新マツダ車と共通だ。
搭載されるパワートレーンは、米国/カナダ向けの2.5L直4ガソリンエンジン/2.5L直4ガソリンターボエンジンという組み合わせとは異なり、中国向け「CX-50」は、2.5L直4可変シリンダー搭載のガソリンエンジンと2L直4ガソリンエンジンの2タイプとなる。2.5L直4可変シリンダー搭載のガソリンエンジンは最高出力188PS/最大トルク250Nmを発生。2L直4ガソリンエンジンは、最高出力155PS/最大トルク200Nmを発生する。どちらも6速オートマチックとの組み合わせだ。
第20回上海国際モーターショーのプレスカンファレンスでは、2023年秋にハイブリッドモデルの追加が正式に発表された。これは、米国向け「CX-50」発表時でもアナウンスされており、トヨタのハイブリッドシステムを既存のマツダガソリンエンジン「SKYACTIV-G」と組み合わせたものと予想されている。この組み合わせは2013年から2019年まで販売された「アクセラハイブリッド」以来となる。
この「CX-50」へ搭載される新ハイブリッドシステム。日本向けにもラインアップの可能性が高いと考えられる。現状日本向けのマツダ車のハイブリッドパワートレーンは、ラージ商品群のSUV「CX-60」にラインアップされている2.5L直4ガソリンエンジン+モーターのPHEVと3.3L直6ディーゼルエンジン+モーターのマイルドハイブリッドシステムのみだ。「CX-5」や「MAZDA3」などの次期型モデルの燃費性能/商品性の向上を考えると搭載はマストなパワートレーンと言えるだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(海外ニュース)
最新の電動技術とスマート技術を注入したミッドサイズセダン 「MAZDA6e」は、2024年4月の北京国際モーターショーで発表されたミッドサイズセダンの電動車「MAZDA EZ-6(マツダ イージーシッ[…]
MAZDA EZ-6(市販予定車:エアログレーメタリック外板色) 新型電動車セダン「MAZDA EZ-6」は中国市場専用モデルで、電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を設定し、後[…]
CX-8の後継を期待される、3列シートSUVが欧州で発表 今回、欧州で発表された新型「CX-80」は、マツダが展開している新世代ラージ商品群の第4弾となる、ミッドサイズクロスオーバーSUV。国内でも昨[…]
CX-80欧州仕様 3列シートで最大7名乗車可能なSUV。日本でも間もなく発表か!? 今回1枚の写真とともに4月18日の発表が告知された「CX-80」。CX-60に次ぐ欧州市場におけるラージアーキテク[…]
セーフティカーに採用された新型Vantage チューニングされ、さまざまな特別装備をまとったセーフティーカー仕様の新型Vantageは、2024年3月6日~3月9日に開催される「フォーミュラ1® ST[…]
最新の関連記事(マツダ)
社内のエンスー達による趣味的な活動から始まったロードスターの開発 工業製品の商品企画は、マーケットイン型とプロダクトアウト型に大別できる。市場のニーズを調べつくして、「これこそがあなたの必要としている[…]
ロータリーエンジンのために専用開発された、マツダのフラッグシップスポーツ 初代の「RX-7」が誕生したのは1978年です。 1959年に「NSU・バンケル社」が発表した夢のエンジン「RE」にその後の生[…]
音声、タッチ、ジェスチャーで直感操作が可能。インテリジェントな次世代e-SUVとして登場 今回発表された「MAZDA EZ-60」は、エレガントかつモダンなスタイリング、毎日の運転が楽しい人馬一体の走[…]
出展テーマは「MAZDA DESIGN STORY “心を揺さぶる、モノづくりへの追求”」 今年で10回目を迎えるAUTOMOBILE COUNCILは、2016年から開催されている「日本に自動車文化[…]
バッテリーEV専用工場の新設や生産性向上の施策に加えて、企業価値向上の取り組みも強化 マツダは、2030年までを「電動化の黎明期」と捉えており、マルチソリューションで電動化を進めているが、その具体的な[…]
人気記事ランキング(全体)
春から初夏の車内での休憩にぴったりのアイテム ドライブの合間のちょっとした休憩、車の中でちょっと睡眠をとりたくなることはよくある。筆者は取材などでロングドライブすることも少なくなく、さらに趣味が釣りな[…]
ネジがナメてしまうトラブルを未然に防止するドライバー ネジを外そうと力を込めてドライバーを回すと、ビス山(ネジの十字の部分)から工具の先端部分が外れ、ビス山が潰れてしまう「ネジがナメた」と呼ばれる現象[…]
雷の語源を持つ「レビン/トレノ」の元祖とは? AE86系の車輌は、当時の販売チャンネルの関係から、「カローラ・レビン」と「スプリンター・トレノ」に分けられていました。そしてその分類は「AE86」が始ま[…]
不可能と思われたハイブリッド量産に挑んだG21プロジェクト 1997年暮れに世界初の量産ハイブリッド車として初代プリウスが発売されてから、すでに27年が歳月が過ぎた。しかもその間に、ハイブリッド車は世[…]
日産が提案する新しいくつろぎの空間は『部屋ごと出かけられるクルマ』 コロナ禍があけ日常が戻り、忙しさが増す生活の中で非日常を感じ、自然に触れて癒される空間があれば…そんな願望を満たすために開発されたの[…]
最新の投稿記事(全体)
総合出力680PSのプラグインハイブリッドを追加設定 ベントレーはロールス・ロイスと並び英国を代表する高級車ブランドというイメージが強いが、実は戦前からカーレースで名を馳せた武闘派の一面もあり、現代で[…]
一部改良をきっかけに、受注を再開 今回実施される一部改良では、ラインナップから内燃機モデルを廃止して、HEVモデルのみに変更。新グレードとして「GR SPORT」が追加設定される。人気SUVゆえに受注[…]
雷の語源を持つ「レビン/トレノ」の元祖とは? AE86系の車輌は、当時の販売チャンネルの関係から、「カローラ・レビン」と「スプリンター・トレノ」に分けられていました。そしてその分類は「AE86」が始ま[…]
日産が提案する新しいくつろぎの空間は『部屋ごと出かけられるクルマ』 コロナ禍があけ日常が戻り、忙しさが増す生活の中で非日常を感じ、自然に触れて癒される空間があれば…そんな願望を満たすために開発されたの[…]
ソフトウェアというとマルチメディアやエンタメを想像するが、Arene(アリーン)が目指すのは 交通事故ゼロ社会実現 筆者がArene(アリーン)という呼び名を初めて聞いたのは遡ること約2年前の2023[…]
- 1
- 2