
フォルクスワーゲンは、ドイツ本国で2023年5月24日にラグジュアリーSUV「トゥアレグ」の大幅改良モデルを発表した。内外装デザインの変更とサスペンションなどに変更が加えられている。車両本体価格は69,200ユーロ(日本円で約1038万円)から。
●文:月刊自家用車編集部
新型IQ.LIGHT HDマトリックスヘッドライトを採用。最上級「トゥアレグR eハイブリッド」はV6ガソリンエンジン+モーターの組み合わせ
フォルクスワーゲンのラグジュアリーSUV「トゥアレグ」。現在販売されているのは3代目で2018年にデビューしている。初代モデルは2002年に登場。日本市場への3.2LV6ガソリンエンジンと4.2LV8ガソリンエンジン搭載車が導入されていた。続いて2010年に2代目が登場。フォルクスワーゲン初のハイブリッドパワートレーンを搭載したモデルで3.0LV6ガソリンスーパーチャージャー+モーターの組み合わせで、当時の10・15モード燃費で13.8㎞/Lの燃費性能だった。あわせて3.6LV6ガソリンエンジンもラインアップされていた。
2018年に登場した3代目は、フォルクスワーゲングループ共有のMLBプラットフォームを採用し、日本市場や北米市場から撤退している。北米市場においては、「トゥアレグ」より大型な3列シートをラインアップする「アトラス」にチェンジしている。
今回発表された大幅改良モデルは、フロントマスクとリヤをよりシャープなデザインに変更。ヘッドランプは最新フォルクスワーゲンモデルでおなじみのIQ.LIGHT HDマトリックスヘッドライトに変更され、リヤには光の帯として実現されたLEDテールライトを採用している。
走行性能では、サスペンションを改良。サスペンションエレクトロニクスと密接に統合された新しいルーフロードセンサーが標準装備されている。仕様によってはアクティブロールコンペンセーション(アダプティブランニングギア)やオールホイールステアリングなどの革新的なサスペンション技術を搭載することが可能になった。
インテリアでは、コクピットにデジタルコックピットとハイエンドインフォテイメントシステム「Discover Pro Max」を採用したほか、カーナビゲーションへの高解像度のHD地図データ採用や充電容量45W(従来は15W)のUSB-C接続により、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの電子機器の充電を大幅に高速化している。
搭載されるパワートレーンは5種類で、ガソリンターボのほか、2種類のディーゼルターボ、2種類のプラグインハイブリッドが選択可能となる。トランスミッションは全車8速ATで、AWDシステムの4MOTIONが標準装備される。
フラグシップグレードの「トゥアレグR eハイブリッド」は、V6ガソリンエンジン+モーターの組み合わせでシステム出力426PSを発生する。フォルクスワーゲンのプレミアムパフォーマンスブランドであるVolkswagen Rが開発したもので、20インチアルミホイールやブルー塗装のブレーキキャリパー、ブルーのアクセントを採用した専用インテリアなどが採用される。
現地の車両本体価格は、ベーシックバージョンで69,200ユーロ(日本円で約1038万円)から。さらに「エレガンス」が75,070ユーロ(日本円で約1126万円)から、「Rライン」が79,660ユーロ(日本円で約1195万円)からとなっており、最上級グレードの「トゥアレグR eハイブリッド」は93,870ユーロ(日本円で約14085万円)からとなっている。
日本市場のフォルクスワーゲンラインアップから外れて久しい「トゥアレグ」だが、現時点でのラインアップで最上級SUVはミドルクラスの「ティグアン」であり、「トゥアレグ」の再導入を期待しているフォルクスワーゲンファンも少なくないだろう。日本法人にはぜひ導入を検討して欲しいところだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(フォルクスワーゲン)
最新インフォテイメント「MIB4」を採用するなど、機能面を大きく強化 今回導入されるゴルフの改良新型は、第8世代の進化型という意味から「ゴルフ8.5」とも呼ばれている。マイナーチェンジということもあっ[…]
累計760万台を超える販売実績を持つ、VWのベストセラーモデル 「ティグアン」は、2007年の初代導入からこれまで、世界市場において760万台以上が販売されている。2019年以降は、フォルクスワーゲン[…]
エクステリア&インテリアをブラックで仕立てた”Black Style”も用意 「T-Roc」は2020年の導入当初より、クーペスタイルの洗練されたエクステリアデザインや、日本の道路環境でも扱いやすいコ[…]
地味なキャラクターと上手に決別。クラス上を感じることができる上級ワゴンに進化 刷新されたルックスそのもののも、新型パサートの大きな特徴。先代は直線基調のデザインであり、端正で落ち着いたイメージがあった[…]
新型「Golf R」&「Golf R Variant」のジャパンプレミアを実施 東京オートサロンのフォルクスワーゲンブースでは、“究極のパフォーマンスと実用性の両立”をコンセプトに開発されたRモデルの[…]
最新の関連記事(SUV)
外装塗装の変更に伴い、価格改定も実施 今回実施される一部改良では、シビックRSやフリードに導入されている新たな外装塗料を採用。塗料に使用するクリア材を、従来のアクリルメラミン素材から、より機能が向上し[…]
408&308で好評のボディカラー「オブセッションブルー」を採用 今回導入される「GT Obsession Blue」は、GTグレードに、2008初採用のボディカラー「オブセッションブルー」をまとった[…]
6月24日の正式発表に向けて、ティザーサイトを先行公開 アルファロメオ ジュニアは、イタリアならではの美意識と情熱的なスピリットを注ぎ込み、アスリートの研ぎ澄まされた筋肉美を彷彿とさせる躍動感あふれる[…]
過酷な道路環境を模したテストコースで得た、走りの質を高める改良を実施 レクサスLBXは、2023年12月の導入以降、60以上の国と地域で、約6.5万台(2025年3月末時点)の販売実績をもつクロスオー[…]
燃費と加速、2つの魅力がさらに高まった最新ターボを搭載 まず「スバルのターボ」と言えば、多くのユーザーが燃費を気にすると思うが、今回の約200kmのドライブで計測したところ、車載計の数値はWLTCモー[…]
人気記事ランキング(全体)
コーティング剤が人気だが、ワックス派も確実に存在 簡単系コーティング剤は、カー用品店でも独立したコーナーが設けられるほど人気のジャンルだ。その立役者の1つが、シュアラスターのゼロウォーターだ。とは言う[…]
ナットの取り外しの基本を無視すると、トラブルの原因に… 整備作業においてボルトやナットの脱着は避けて通れない基本中の基本の作業。それだけに、ソケットレンチやメガネレンチの使用頻度は必然的に高まる。が、[…]
困ったときのお助けサービス。知っておくと、いざというときに安心 サービスエリアやパーキングエリアの片隅に置かれた、コンパクトな機器。ほとんどの人が、気にもとめずに素通りするが、必要な人にとっては、実は[…]
社内のエンスー達による趣味的な活動から始まったロードスターの開発 工業製品の商品企画は、マーケットイン型とプロダクトアウト型に大別できる。市場のニーズを調べつくして、「これこそがあなたの必要としている[…]
どんな車にも絶対ついているのがサンバイザー 車種を問わず、あらゆるタイプの車に装備されているサンバイザー。軽自動車でも高級車でも、オープンカーでも装着されていることが多い。サンバイザーは、その名の通り[…]
最新の投稿記事(全体)
日産自動車株式会社イヴァン・エスピノーサ新社長 日産をあるべき原点に戻し、ハートビートモデルを生み出してユーザーの心にもう一度火を付けたい! 日産にとっては地元開催となる「フォーミュラE」東京大会のパ[…]
イベントの概要はこちらをご参照ください。 今回のご紹介は、イベント終盤に開催される抽選会についてです。毎年数十万円の景品が、イベントの入場券を持っているだけでもらえるチャンスがあるラッフル抽選会ですが[…]
外装塗装の変更に伴い、価格改定も実施 今回実施される一部改良では、シビックRSやフリードに導入されている新たな外装塗料を採用。塗料に使用するクリア材を、従来のアクリルメラミン素材から、より機能が向上し[…]
コーティング剤が人気だが、ワックス派も確実に存在 簡単系コーティング剤は、カー用品店でも独立したコーナーが設けられるほど人気のジャンルだ。その立役者の1つが、シュアラスターのゼロウォーターだ。とは言う[…]
アウトランダーPHEVのコア技術を、専門の技術説明員が解説 三菱自動車ブースの主役は、2024年10月に大幅な改良を施し、市場に投入されたフラッグシップモデルのアウトランダーPHEV。リアル展示会のブ[…]
- 1
- 2