6月5日にワールドプレミアされたレクサスの新型クラスレスコンパクト「LBX」。採用されているプラットフォームは「GA-B」と呼ばれるコンパクトカー向けTNGAプラットフォームだ。日本市場ではヤリスやヤリス クロス、GRヤリス、アクアに採用されている。レクサス「LBX」は、「LEXUS」の走りを実現するために「GA-B」に何をした!?
●文:月刊自家用車編集部
「GA-B」にレクサス専用開発を施す。その手の入れ方は着座位置の変更からサスペンションナックルまで多岐にわたる
TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の最小サイズとなる「GA-B」プラットフォーム。「LBX」のカタチを考えるとトヨタブランドの「ヤリス クロス」が最も近い。
ボディサイズを比較すると今回公開された新型「LBX」プロトタイプのボディサイズは、全長4,190mm、全幅1,825mm、全高1,560mm、ホイールベースは2,580mm。一方「ヤリス クロス」は、全長4,185mm、全幅1,765mm、全高1,590mmだ。「LBX」は全幅が広く、全高が低い。「ヤリス クロス」のホイールベースは2,560mmで、「LBX」が20mm長い。
新型「LBX」は、「GA-B」プラットフォームを採用しながらも、レクサスの走りと質感を手に入れるためにさまざなな専用開発を行っている。まずは、ドライバーの着座位置を下げることで、重心高と全高を下げながら十分な室内高を確保したという。また、トレッドを拡大することでワイドでロースタンスなスタイリングも実現している。さらに18インチという大径タイヤを採用しながら、取り回しの良さにこだわって「ヤリス クロス」よりの5.3mよりも小さい、最小回転半径5.2mを達成した。
ボディ骨格の接合も短ピッチ打点技術や構造用接着剤の採用部位を拡大して、接合剛性を高めながらも、ボディフロアに使用してしている乗員に近い部分は高減衰接着剤に置き換えて、高周波域での振動レベルを低減し、乗り心地の向上やノイズやバイブレーションを低減させている。
サスペンションも種類こそ「ヤリス クロス」と同じだが、フロントにはサスペンションジオメトリを刷新した新開発のマクファーソンストラット式サスペンションを採用し、キャスター角を大きくとって直進安定性を高め、車体ロール時のアンダーステア特性を低減してリニアなコントロール性も実現したという。
さらにはフロントサスペンションナックルには高剛性なアルミ鍛造ナックルを採用して、ばね下を軽量化し新開発の3点締結の入力分離型アッパーサポートも投入。リニアな操舵応答性と上質な乗り心地の両立したとしている。ショックアブソーバーは新開発となり、動き出しから素早く反応する摺動部品を採用することで極微低速の減衰力を確保。こちらも操安性・乗り心地を高次元で両立させている。
このようにレクサスは「LBX」開発にあたり、「GA-B」プラットフォームを隅から隅まで手を入れることで「ドライバーとクルマが一体となりいつまでも運転していたくなる走り」を目指した。実際にハンドルを握れるのは2023年秋以降となるが、ここまで手を入れたレクサス版「GA-B」プラットフォームのさらなる展開にも期待したいところだ。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(輸入車/外国車)
3列7人乗りのリフター ロングをベースに、安全性と利便性を向上 ベースモデルの「Rifter Long GT」は、使い勝手の良い、全長4760mm、全幅1850mmのボディに、後席両側スライドドア、7[…]
人気モデル「クラブマン」の、最後を飾る特別なミニ ミニ・クラブマンは、54年前の1969年にシリーズモデルとして追加された、長い歴史を持つミニのひとつ。初代モデルは2ドアモデルながら、車体後方に猟銃や[…]
最高出力272PS、最大トルク600Nmを発揮する新世代ディーゼルターボでラインナップ強化 Audi Q7は、アウディSUVのフルサイズSUV。登場以来、スポーツ性とラグジュアリー性を高次元で融合した[…]
ロングレンジ仕様の一充電あたりの航続距離は476km 「BYD DOLPHIN」は、海洋生物の自由さや美しさから着想を得たデザインフィロソフィーのもと開発されたBYDの乗用車シリーズ「海洋シリーズ」の[…]
フロントシールド、グラファイトアトラスマットフィニッシュのフロントチークを採用。より電気自動車らしい装いに進化 ジャガー「I-PACE」は、2018年から日本市場に導入されているが、今回が初のマイナー[…]
最新の関連記事(新車)
レクサスの新たな挑戦を体現する、リアルオフローダー 今回導入されるレクサスGXは、2023年夏に北米で発表されたレクサスの本格オフローダー。レギュラーモデルの通常販売は2024年秋からとなるが、それに[…]
乗用モデル相当の利便装備を採用することで、快適性を大きく向上 今回実施した一部仕様変更で「後方誤発進抑制機能」に「ブレーキ制御機能」を追加。さらに「キャリイ」と「スーパーキャリイ」は、全グレードにスズ[…]
CX-8の後継を期待される、3列シートSUVが欧州で発表 今回、欧州で発表された新型「CX-80」は、マツダが展開している新世代ラージ商品群の第4弾となる、ミッドサイズクロスオーバーSUV。国内でも昨[…]
モデリスタが提案するランクル250カスタムコンセプト モデリスタが提案するランクル250のコンセプトは「Sophisticated Robustness」。洗練された力強い造形で、都会でもアウトドアシ[…]
シリーズ名を「ランドクルーザー」に統一 今回発表されたランドクルーザー250は、長年「プラド」が担当していたライトデューティーモデルに相当するモデル。開発陣は、“原点回帰”をキーワードに、開発コンセプ[…]
人気記事ランキング(全体)
→大人3人が寝られるコンパクトなキャンパーとは ベース車両はホンダN-VAN ベースとなる車両はホンダのN-VAN。積載性を重視した作りである一方で、最新のNシリーズらしい走りの質の高さが特徴だ。 N[…]
→おしゃれでシンプルなキャンパーとは ベース車両はトヨタのピクシスバン ベースとなる車両はトヨタのピクシスバン。 クラス最大級の荷室の広さを誇る軽自動車だ。スクエアなボディ形状で無駄を作らず、隅から隅[…]
→ウォークスルーと広いシートのキャンパーとは ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 ハイエース[…]
ベース車両はスズキ エブリィワゴン ベースとなった車両は、人気の軽自動車 スズキ エブリィワゴンだ。 この軽キャンパーの特徴は通常のシートの上に、就寝用のシートをもう一段設置している点だろう。 車内の[…]
→ステップワゴンがベースのキャンパーとは ベース車両はホンダのステップワゴン ベースとなる車両はホンダのステップワゴン。 ホンダ車の中で最も広い室内空間を誇る人気の車だ。キャプテンシートの2列目は前後[…]
最新の投稿記事(全体)
県警文字の書体から装備の細部まで忠実に再現 ヒコセブンが展開する「RAI’S」は、同社の商品ラインナップのうち、警察車両をメインとするシリーズで、各県や車両ごとに違う県警文字の書体から、コールサイン、[…]
レクサスの新たな挑戦を体現する、リアルオフローダー 今回導入されるレクサスGXは、2023年夏に北米で発表されたレクサスの本格オフローダー。レギュラーモデルの通常販売は2024年秋からとなるが、それに[…]
信じて運転すれば、いいことあるはず! 牡羊座(3月21日〜4月19日) 車でのドライブが特に幸運な週末になりそうです。ラッキーカラーは赤で、あなたの情熱を高め、積極性を引き出します。ラッキーアイテムは[…]
乗用モデル相当の利便装備を採用することで、快適性を大きく向上 今回実施した一部仕様変更で「後方誤発進抑制機能」に「ブレーキ制御機能」を追加。さらに「キャリイ」と「スーパーキャリイ」は、全グレードにスズ[…]
グルグル回る便利なアウトドアチェア アウトドアがより身近になり、数多くのポータブルチェアが市場に存在するが、こんな不満を持ったことはないだろうか。 そんな不満を解決し、さらに便利な機能を加えたのが、「[…]
- 1
- 2