
ポータブル電源を選ぶ基準の一つに「寿命」があります。
寿命の目安として充放電サイクル500回〜3,500回程度と言われていますが、あくまで仕様上の数値で、使い方や保管方法によって、寿命は大きく変動します。
本記事では、今まで60台以上のポータブル電源を使ってきた筆者の経験を元に、ポータブル電源の寿命の仕組みから、寿命を伸ばす「コツ」や車中泊やキャンプで「気をつける点」を解説していきます。
さらに、最後には寿命が長くて性能面でもおすすめできるポータブル電源を5台紹介します。
ポータブル電源の「寿命」と「充電回数」とは
ポータブル電源の寿命は、内蔵されているリチウムイオン電池のサイクル寿命のことを示します。
リチウムイオン電池のサイクル寿命
毎日、利用しているスマートフォンにもリチウムイオン電池が内蔵されていて、当然サイクル寿命があります。
100%充電して100%放電を1サイクルとカウントします。リチウムイオン電池の容量に対して100%の充放電になるので、0%→50%→0%→50%→0%の場合も1サイクルになります。
30%→80%→30%の場合は、50%の充放電になるので、0.5サイクルです。
リチウムイオン電池の種類によって充電回数が変わる
ポータブル電源に採用されるリチウムイオン電池は、長寿命が特徴の「リン酸鉄リチウムイオン電池」が一般的になりつつあります。
リン酸鉄リチウムイオン電池のサイクル寿命は、3,000回以上で、1日1サイクルした場合、3,000日(約8年)利用できる計算です。
一方、バッテリー密度に優れる「三元系リチウムイオン電池」のサイクル寿命は、500回程度。1日1サイクルした場合、500日(約1年ちょっと)利用できる計算です。
単純に6倍以上の差があるので、リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源を買えば、寿命を気にする必要がなくなりそうですが、使い方や保管方法を間違えると想定より早く使えなくなってしまう可能性もあります。
ポータブル電源の寿命を伸ばすには?
では、ポータブル電源の劣化を少なく、最大限長持ちさせるコツを4つ解説します。
- 高温多湿を避ける
- 電池残量を0%と100%にしない
- 長期保管で過放電を気をつける
- 充電しながら給電をしない
高温多湿を避ける
ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池は、高温多湿の環境下で保存や充放電することで、バッテリーの劣化を早めてしまいます。
特に40℃以上になると劣化速度が早まります。最適な温度は、20℃〜30℃と言われていますので、人が過ごしやすい環境をポータブル電源も好むと覚えておきましょう。
電池残量0%と100%にしない
0%(過放電)と100%(過充電)にしないのは、とても難しいです。
まず、0%の状態で長時間放置すると、…
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