
タイヤをよく見てみると△のマークがあることに気づく。これは、タイヤのチェックをする際に必要なマークであり、道路交通法で定められている日常点検整備の項目にも含まれる重要なもの。タイヤの日常的なチェック項目も含めて解説していこう。
●文:月刊自家用車編集部
タイヤの基本点検テクニック
タイヤは安全に直結する最重要なパーツ。摩耗が限界まで進んでいたり空気圧が適正でないと、乗り心地ウンヌン以前に危険なので、キッチリとチェックしておきたい。
また、タイヤは足回りの健康状態を示すバロメーターである。タイヤの空気圧が適正にもかかわらず偏摩耗がある場合は、アライメントが狂っている可能性がある。特に、左右輪が均等に摩耗していない場合は重大。ちなみに、空気圧が適正でないと、◎空気圧高すぎ=タイヤの中心、◎空気圧低すぎ=タイヤの両端が減るので、このことも頭に入れておこう。
サイドウォール部のキズ
サイドウォール部に大きくエグレた痕やキズがあるタイヤは危険。すぐに交換しよう。また、古くなりヒビ割れが出ているタイヤは、直ちに危険ともいえないが交換を考えたい。
サイドウォールにキズがないかをチェックする。
タイヤの減り方をチェック
通常タイヤは均等に減る。(不良)のように偏摩耗する場合は、アライメントが狂っている可能性が高い。キャスター角やハンドル切れ角が大きいクルマのフロントは、空気圧が適正でも両端が減る傾向があるが、この場合は異常ではない。
左が偏摩耗状態のタイヤ。右が正常なタイヤ。
空気圧点検
タイヤ空気圧の測定にはエアゲージが必要。カーショップ等で売られているものでOKだ。エアが漏れないようバルブにギュッと押しつけ、そのときの値を見る。
国産車は運転席ドアのチェッカー付近に、空気圧ラベルが貼ってある。
溝の深さをチェック
ショルダー部には、△やタイヤメーカーのロゴマークがあり、その位置のミゾは1.6mm盛り上がっている。その膨らみとトレッド面がツライチになると、摩耗限界(スリップサイン)だ。
丸で囲った三角の印をたどると溝に膨らみがあるのがわかる。この膨らみとトレッド面が同じ高さになると、摩耗限界(スリップサイン)となる。
スリップサインが出ないまでも、一番減っている部分が2~3mmに達したら交換したい。写真のような専用ゲージも販売されており、Amazon等で購入可能だ。
専用ゲージがなければ定規で溝の深さをチェックするのでもOK。
スリップサインの場所を示すマークの意味を知らないということは、日常点検を行っていない可能性も疑われてしまう。罰則はないものの、万が一の事故などで整備不良箇所などがあると、責任を問われかねない。国土交通省が発行する「日常点検15項目チェックシート」を活用し、マイカーの定期的な点検を心がけたい。
クルマのメンテナンステクニックも満載の臨時増刊号
本記事は、オートメカニック特別編集の臨時増刊号『クルマのDIYガイド 工具&道具の正しい使い方』に掲載されているものから抜粋・加筆している。同書には、役立つDIYテクニックが満載なので、興味のある方は是非、手にとって見てほしい。
車両の点検整備は使用者の義務
使用する車両の点検整備は使用者の義務とされている。そこで、国土交通省の指針を紹介使用(以下、国土交通省ウェブサイトより引用)。
日常点検整備は、日頃自動車を使用していく中で、ユーザーの皆さんが自分自身で行うことのできる点検です。この点検は、ユーザーの皆さん自身が運転席にすわったり、エンジンルームをのぞいたり、自動車の周りを回りながら自動車の状態を見たりすることによって、簡単に実施可能なものになっています。
自家用乗用自動車など、いわゆるマイカーのユーザーの皆さんは、走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に実施して下さい。
事業用自動車などの自動車のユーザーの皆さんは、マイカーとは違い、一日一回、その運行の前に実施して下さい。これはトラックやバス、タクシーなどの自動車は、多くの人や物を運搬し、公共性が高く、その社会的影響の大きさから、より確実な点検を実施していただくためのものです。
ここでは日常点検項目の例としていわゆるマイカーの点検項目と日常点検のやり方、事業用自動車用の日常点検項目(大型車の例)を示します。いずれの場合も、日常点検整備の実施はユーザーの義務として法令に定められています。点検の結果、もし少しでも「いつもと違う…」と感じたら、整備工場に相談してください。
日常点検15項目チェックシート
画像出典:国土交通省WEBサイト
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ネクストキャンパーが「エブリイ Jリミテッド」に対応 2025年8月にスズキより販売された軽商用車「エブリイ Jリミテッド」は、商用車の実用性をそのままに、外観にこだわりを持たせたモデルとして人気を集[…]
運転中のちょっとした不満やストレス…。解消する方法は? 普段、クルマを運転している際に感じるちょっとした不満やストレス。それを解消できるアイテムがあれば、もっと快適にドライブが楽しめるのに…。例えば、[…]
ハイエースをベースにした特別モデル「ネクストアーク」 ダイレクトカーズが展開する「ネクストアーク」は、ハイエースをベースにしたシンプルかつ実用性の高いキャンピングカーである。これまで大規模イベントで高[…]
家庭用エアコンで、夏バテも心配いらず 今回紹介するレクヴィのハイエースキャンパーは、取り回しの良いナローボディ・ハイルーフ車をベースに仕立てた車両で、「ペットと旅するキャンピングカー」というコンセプト[…]
多様なパワートレーンとプラットフォーム戦略 TMS2025で公開されたトヨタ カローラ コンセプトは、従来の「生活に溶け込んだクルマ」というカローラのイメージを刷新する、低く伸びやかなボンネットと鋭利[…]
最新の投稿記事(全体)
実績のある三菱アウトランダーPHEVのOEMモデル 発表された「ローグ プラグインハイブリッド」は、Re: Nissan再建計画の一環として、米国での電動化モデルの製品ラインアップ拡充を期待して投入さ[…]
夏にたまったシートの汚れ…。解消する方法は? クルマの隅々まできれいにする洗車好きでも、なかなか手入れのしにくい部分、それがシートではないだろうか? ファブリックシートは、布が汚れや汗、ホコリなどを蓄[…]
高級クーペとは一線を画す若者にも手が届く価格で夢を提供したセリカ その地位を完全に定着させたのが、大衆セダンのフォードファルコンのシャシーにスポーティな専用ボディを載せ、特別仕立てのクルマ=スペシャリ[…]
「贅沢」を極めた新世代のスーパーハイト軽ワゴン デリカが持つ「悪路に強い」というタフなイメージを、日常使いで便利な軽自動車に注ぎこんだことで、記録的なヒットを遂げたデリカミニ。この秋に発売された新型は[…]
Mercedes-AMG GT 53 4MATIC+ (ISG) Final Edition 特別装備で走りのポテンシャルを向上したメモリアルモデル メルセデスAMG GT 4ドアクーペは、メルセデス[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ネクストキャンパーが「エブリイ Jリミテッド」に対応 2025年8月にスズキより販売された軽商用車「エブリイ Jリミテッド」は、商用車の実用性をそのままに、外観にこだわりを持たせたモデルとして人気を集[…]
運転中のちょっとした不満やストレス…。解消する方法は? 普段、クルマを運転している際に感じるちょっとした不満やストレス。それを解消できるアイテムがあれば、もっと快適にドライブが楽しめるのに…。例えば、[…]
ハイエースをベースにした特別モデル「ネクストアーク」 ダイレクトカーズが展開する「ネクストアーク」は、ハイエースをベースにしたシンプルかつ実用性の高いキャンピングカーである。これまで大規模イベントで高[…]
家庭用エアコンで、夏バテも心配いらず 今回紹介するレクヴィのハイエースキャンパーは、取り回しの良いナローボディ・ハイルーフ車をベースに仕立てた車両で、「ペットと旅するキャンピングカー」というコンセプト[…]
多様なパワートレーンとプラットフォーム戦略 TMS2025で公開されたトヨタ カローラ コンセプトは、従来の「生活に溶け込んだクルマ」というカローラのイメージを刷新する、低く伸びやかなボンネットと鋭利[…]
最新の投稿記事(全体)
実績のある三菱アウトランダーPHEVのOEMモデル 発表された「ローグ プラグインハイブリッド」は、Re: Nissan再建計画の一環として、米国での電動化モデルの製品ラインアップ拡充を期待して投入さ[…]
夏にたまったシートの汚れ…。解消する方法は? クルマの隅々まできれいにする洗車好きでも、なかなか手入れのしにくい部分、それがシートではないだろうか? ファブリックシートは、布が汚れや汗、ホコリなどを蓄[…]
高級クーペとは一線を画す若者にも手が届く価格で夢を提供したセリカ その地位を完全に定着させたのが、大衆セダンのフォードファルコンのシャシーにスポーティな専用ボディを載せ、特別仕立てのクルマ=スペシャリ[…]
「贅沢」を極めた新世代のスーパーハイト軽ワゴン デリカが持つ「悪路に強い」というタフなイメージを、日常使いで便利な軽自動車に注ぎこんだことで、記録的なヒットを遂げたデリカミニ。この秋に発売された新型は[…]
Mercedes-AMG GT 53 4MATIC+ (ISG) Final Edition 特別装備で走りのポテンシャルを向上したメモリアルモデル メルセデスAMG GT 4ドアクーペは、メルセデス[…]
- 1
- 2





















