
米国日産は日産「Z(日本名:フェアレディZ)」に「Z NISMO」を追加することを発表した。専用チューンの3.0LV6ツインターボエンジンとNISMOチューンド9速オートマチックを搭載。米国では今秋発売予定とアナウンスされている。
●文:月刊自家用車編集部
NISMOチューンド3.0LV6ツインターボエンジンと9速オートマチックを搭載。ハイパフォーマンスタイヤ装着に合わせてボディ剛性も強化
遂に登場した「Z NISMO」。3.0LV6ツインターボエンジンは専用チューンとなり、最高出力420PS、最大トルクが384lb-ft(約521Nm)まで引き上げられ、米国向け「Z」の標準仕様に対し20PS、34lb-ft(約46Nm)向上。ピークトルクは2,000rpmから5,200rpmで発生し、回転域全域で力強いパフォーマンスを発揮する。
エンジンの出力向上は、冷却の改善、ターボチャージャーの過給圧とタービン回転数を高める電子制御の見直しやGT-R NISMOにヒントを得た独立点火タイミングの組み合わせにより達成されている。さらにサーキットでのパフォーマンスを向上させるため、エンジンオイルクーラーを強化しているのも特徴だ。
トランスミッションは9速オートマチックのみの設定で、サーキット走行を想定し、より速く、よりダイナミックな変速性能を追求。他のZグレードのトランスミッションに比べ、クラッチパックの見直しにより変速の高速化を実現している。「Z Performance」グレードに対し、シフトダウン時間を約半分に短縮。また、ローンチコントロールにより、立ち上がり加速をよりアグレッシブにしている。
走行モードもノーマル、スポーツに加え、「Z NISMO」では新たにスポーツ+ドライブモードを追加。サーキット走行用にチューニングされた、よりダイナミックなシフトプログラムで、サーキット走行でパドルシフトを使う必要がないほどという。
サスペンションも専用チューンとなり、専用スタビライザー、引き締まったスプリングとダンパーを装備。タイヤはGT-Rにも採用されているダンロップSPORT MAXX GT600を装着している。リヤタイヤは、「Z Performance」より10mmワイドとなっている(275/35R19に対して285/35R19)。
ダンロップSPORT MAXX GT600装着によるコーナリングフォースの増加に対応するためボディ剛性も高められ、フロント、リヤ、リヤの床下ブレースを追加し、ねじり剛性を標準グレード比で2.5%向上。前後サスペンションブッシュの剛性アップ、ステアリングラックマウントブッシュの剛性アップにより、横剛性を向上させている。
ブレーキは、フロントが15インチ、リヤは13.8インチの大径ローターに変更され、ブレーキパッドのコンパウンドも変更されている。これによりブレーキペダルフィールを向上。サーキットでの長時間の使用におけるブレーキ性能を向上させている。
エクステリアではフロントマスクにノーマルモデルよりも大きく張り出した形状を採用。さらにハニカムメッシュグリルを採用し、空気抵抗の低減とエンジンルームへの冷却風を取り入れる効果がある。さらにリヤにはワイドなリアスポイラーと「GT-R NISMO」からヒントを得た形状のリヤバンパーコーナーを採用している。
また、ウインドウライン上部にダークメタリックグレーの「カタナブレード」を採用し、他グレードとの差別化。さらにブラック塗装のルーフも採用。アルミホイールはグロスブラックのRAYS19インチホイールとなる。
ボディカラーは、ブラックダイヤモンドパール、ブリリアントシルバー、パッションレッドトライコート、エベレストホワイトパールトライコート、NISMO専用ステルスグレーの5色をラインナップ。
インテリアでは、エンジンスタート/ストップボタンとドライブモードセレクトボタンにアルマイト処理を施したレッドを採用し、フルデジタルTFTメーターディスプレイのグラフィックには、タコメーターを囲む赤いアウトライン、NISMOロゴ、スタートアップアニメーション中の特別な赤い “フラッシュ “を採用する。
シートには本革とアルカンターラのコンビネーションで仕上げられたレカロシートを採用。センター部分にはレッド、ヘッドレストには「NISMO」ロゴが配される。ステアリングホイールには、本革とアルカンターラのトリムが施されており、12時位置にはレーシングをイメージしたスポーティなレッドのアクセントマークが配されている。
なお、2024年モデルの日産「Z」には「Z Performance」と「NISMO」にAmazon Alexaビルトインコネクティビティを追加。音声コマンドだけで、音楽の再生、通話、対応するスマートホームデバイスのコントロールなどが可能となっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(日産)
乗用ミニバンの優れた居住性と走行性に車中泊のための快適機能をプラス メティオのラクネルシリーズはバンコンから軽キャンパーまで様々なタイプの人気モデルがそろうが、今回紹介するラクネル ステイ•スイートは[…]
日産が仕掛けた賭け。テクノロジーか、それとも感性か? 日産・Be-1」は1987年に発売されました。 時代はバブル景気が最高潮を迎える前で、右肩上がりで豊かになる日本の経済に誰もが浮かれていました。 […]
2025 NEW MODELは冒険心をくすぐる高規格バンコンだ 日産ピーズフィールドクラフトは、日産東京販売直営のキャンピングカープロショップで、日産車を知り尽くすキャンピングカー専門ディ[…]
サニーに代わるエントリーカーとして開発 日本が高度経済成長期に入って庶民にも“マイカー”が浸透し始めた1960年代には、日産を代表する大衆車の「サニー」が登場します。 この「サニー」は、ほぼ同時期に発[…]
年次改良で常に性能向上が図られた、高性能スポーツカーの代表モデル 2007年にデビューしたR35 GT-Rは、「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトを具現[…]
人気記事ランキング(全体)
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
前席は快適でも、後席は意外と暑くて不快な場合も… まだまだ強い日差しが照りつけるこの季節、車内の冷房の稼働は必須と言える。クルマに乗り込んで、涼しい風に当たって「はぁ〜涼しい…」と、ひと息ついていると[…]
2人旅に特化したゆとりある空間 TR540S Joinの魅力は、まず「2人旅に特化」と割り切った設計にある。就寝人数を2名(乗車人数は5名)に絞ったことで、車内レイアウトに余裕を生み出し、広々としたダ[…]
普段はコンパクトに収納、車に常備しておくのもアリ! 乗り物に関するグッズを多数展開するブランド「CAMSOP(キャムショップ)」が、人気のジムニーをモチーフにした便利なアイテムをリリースしたので紹介し[…]
乗用ミニバンの優れた居住性と走行性に車中泊のための快適機能をプラス メティオのラクネルシリーズはバンコンから軽キャンパーまで様々なタイプの人気モデルがそろうが、今回紹介するラクネル ステイ•スイートは[…]
最新の投稿記事(全体)
スズキのBEV世界戦略車が国内導入 新型eビターラは、2024年11月にイタリア・ミラノで初公開された、スズキのBEV世界戦略車第一弾となるモデル。 「Emotional Versatile Crui[…]
剛性の積み重ねが生む一体感 2024年に実施されたゲームチェンジャーとまで言われた20式から24式への進化。その革新的な変化と比べると、24式から25式への進化は「ブラッシュアップ」と表現するのが妥当[…]
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
プロポーショニングバルブの開発で、ブレーキ液圧を適正に制御 クルマは様々な要因で荷重変化が起こり、それによってタイヤの接地性が変化し、制動力が左右される。これを防ぐために開発されたのが前後のブレーキ液[…]
日本車が手本とした、美を優先する伊デザイン。その代表が117クーペ 日本において、商品のデザインが売れ行きを大きく左右することに最初に気づいたのは、松下電器器具製作所(後の松下電器産業、現パナソニック[…]
- 1
- 2