![[ついつい放っておきがち] クルマの安全&快適走行を支える“タイヤ”、寿命はどれぐらい? 交換の目安は?](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2024/06/TOP-9.jpg?v=1719378543)
タイヤはクルマの走行性能や安全性に大きな影響を与える重要な部品です。寿命が尽きたタイヤを使用し続けると、グリップ力が低下してブレーキが利きにくくなったり、走行中にタイヤが破裂したりするリスクが高まります。では、タイヤが寿命を迎えたかどうかはどのように判断すればよいのでしょうか?
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
タイヤの溝が減ってきたら、雨の日のドライブの危険度がアップ
タイヤの寿命は、使用状況や保管状態によって大きく左右されますが、一般的には3〜5年が交換の目安とされています。しかし、これはあくまで目安であり、タイヤの寿命を見極めるためには、いくつかのポイントがあります。
1つ目は、溝の深さから判断する方法です。
タイヤの溝には、路面との接地面積を確保し、グリップ力を高める効果があります。この溝が浅くなると、ブレーキを踏んでから止まるまでの制動距離が延びてしまい、交通事故のリスクが高まると言われています。
また、雨天時はとくに影響を受けやすく、水を効率的に排出できず、“ハイドロプレーニング現象”が発生しやすくなります。
寿命を迎えたタイヤを装着したまま走行すると、ハイドロプレーニング現象が発生する可能性も。
タイヤの摩耗具合を判別する際は、“スリップサイン”をチェックするのがポイント。スリップサインとは、タイヤの溝の深さを判別する目印のことで、タイヤが摩耗して溝の深さが1.6mm以下になると出現します。道路運送車両法により、1か所でもスリップサインが出たタイヤは装着/使用が禁止されており、車検にも通らなくなります。
また、タイヤの残り溝が4mm以下になると制動距離が急激に伸びると言われているため、安全性を考慮して、残り溝が約4mmになった時点で交換を検討するのが望ましいです。
溝の深さは専門知識がなくても簡単に測れるので、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
サイドウォールのひび割れも危険を知らせるサイン。即交換がベスト
2つ目の方法は、サイドウォール(タイヤ側面)のひび割れから判断する方法。
ゴム製品であるタイヤは、紫外線/温度変化などの影響を受けやすく、時間とともに硬化し、ひび割れが生じます。ひび割れが進行すると、タイヤの空気が漏れたり、走行中にタイヤが破裂したりする可能性があるため、劣化が目視で確認できるようになったら交換しておくのがベスト。
また、タイヤの表面に小石や釘などが刺さっている場合も修理/交換が必要です。
タイヤにも鮮度があり、製造から3年を超えたら要注意
そして3つ目は、使用年数から判断する方法です。
タイヤは消耗品であり、時間とともに劣化していくため、一定の使用年数が経過したら、たとえ距離を走っていなくても交換を検討する必要があります。
タイヤメーカー/カー用品店では、使用開始から3〜5年経過が交換の目安とされており、溝が残っている場合でも交換したほうがよいとのことです。
タイヤの耐用年数は最長10年とも言われていますが、たとえ使用頻度が低くてもゴムの劣化が進んでいる可能性が高いため、なるべく早めに交換するのがいいでしょう。
なおタイヤの製造年月は、タイヤの側面に刻印されている4桁の数字から確認可能です。前半2桁が製造週、後半2桁が製造年を示しており、たとえば「2420」と刻印されている場合は、2020年の第24週に製造されたことを意味するので、この数字を把握してタイヤの交換タイミングの目安を見極めましょう。
タイヤによっては、走行2万kmを超えたあたりから性能劣化が目立つように…
そして4つ目は、走行距離から判断する方法です。
一般的な新品タイヤの溝は8mm程度で、5,000km走行するごとに1mm摩耗が進むと言われています。走行距離が30,000kmを超えるとスリップサインに近づくため、20,000~30,000kmを目安に交換を検討しましょう。
タイヤの寿命を伸ばすためにできること
タイヤの寿命は、定期的なメンテナンスで延ばすことができます。
まず大事なのが、タイヤの空気圧を適正に保つこと。タイヤの空気圧が適切でないと、タイヤのセンターやサイドだけに負荷が集中して摩耗が進みやすくなり燃費の悪化にもつながるため、月に一度は空気圧をチェックしましょう。
また、定期的にタイヤローテーションを行うことも効果的です。タイヤは車両の前後や左右で負荷が異なるため、摩耗の進行速度が異なります。前後左右のタイヤを定期的に入れ替えることで摩耗具合が均等になり、タイヤ全体の寿命を延ばせます。具体的には、走行距離5,000kmごとにローテーションするのが理想とされています。
走行距離5,000kmごとにタイヤをローテーションして使用するのがよいとされている。
そのほか、ふだんの運転習慣もタイヤの寿命に大きく影響します。
急加速や急ブレーキなど、急なハンドル操作はタイヤに大きな負荷をかけ、摩耗を早める原因となります。日頃から穏やかな加速とブレーキ操作を心がけ、余裕を持って運転することで、タイヤの寿命を延ばせるはずです。
このように、タイヤの寿命は見た目/使用年数/走行距離など、さまざまな要因から判断できます。
定期的な点検と適切なメンテナンスをおこなうことで、タイヤの寿命を延ばし、安全な走行を維持することが可能です。
快適なドライブを楽しむために、タイヤの状態を常にチェックし、交換のタイミングを見逃さないようにしましょう。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(クルマ雑学)
なぜLEDライトは雪を溶かせないのか? LEDヘッドライトが普及の中心に座り始めて久しい。高い光量と応答性、寿命の長さなど、多くのメリットがあることは自動車好きなら説明不要だろう。しかし冬の寒さが深ま[…]
冬のエアコンは“いきなり全開”が一番ムダになる理由 冬の朝は車内が冷え切り、シートもハンドルも硬く感じる。そんな状況で暖房を思い切り上げてしまうドライバーは少なくない。しかし、暖房はエンジンの排熱を利[…]
フロントガラスが曇るのは「結露」が原因 クルマのフロントガラスが曇る理由は非常にシンプルで、ガラスの表面で結露が起きるからだ。車内の空気には、人の呼吸や汗、濡れた衣類、傘から蒸発する水分など、想像以上[…]
「前向き駐車お願いします」――気になる張り紙の正体 商業施設の駐車場で「前向き駐車にご協力ください」と書かれた看板を見たことがある人は多いだろう。だがその意味をきちんと理解している人は意外と少ないので[…]
「もみじマーク」の正体とは 多くの人が“もみじマーク”と呼ぶこのマークは、正式名称を「高齢運転者標識」という。一定の年齢に達したドライバーが運転していることを周囲に知らせ、安全運転を促すためのものだ。[…]
人気記事ランキング(全体)
冬のエアコンは“いきなり全開”が一番ムダになる理由 冬の朝は車内が冷え切り、シートもハンドルも硬く感じる。そんな状況で暖房を思い切り上げてしまうドライバーは少なくない。しかし、暖房はエンジンの排熱を利[…]
固着したネジが動かない…作業を止める小さな“壁” どれほど簡単な整備手順でも、一本のネジが固着しているだけで作業は急に難しくなる。サビが食い込み、雨ざらしのボルトが内部で膨張し、樹脂パーツとの隙間に汚[…]
わさびを主成分とした抗菌剤で、エアコン内部のニオイを抑制 エアコンフィルターに装着して除菌消臭効果を格段に向上させるという製品が、自動車部品のグローバルメーカーValeoのわさびデェールだ。この製品は[…]
予想外のトラブルに備える、小さな“安心材料” クルマに乗っていると、どれだけ用心していても避けられない出来事がある。釘を踏み抜くパンクや、走行中の異物接触、さらには路肩での急な停車など、経験した人なら[…]
一見、何に使うかわからないが、活用の幅は広いアイテム 今回紹介するのは、様々なカー用品を多数リリースするカーメイトのグッズだ。商品の写真や装着した写真だけを見ても、どうやって使用するのかわかりにくいか[…]
最新の投稿記事(全体)
目玉の「ミゼットX 大阪Ver.」には、ダイハツの地元を象徴する大阪城マークを採用 出展テーマは“わたしにダイハツメイ。小さいからこそできること。小さいことからひとつずつ。”とし、「わたしにぴったり」[…]
BEVでも「走りの楽しさ」は深化できる このモデルはマスタードライバーを務めるモリゾウ(豊田章男会長)の「クルマ屋が残していくべき技術・技能を次の世代に受け継がなければならない」という強い想いのもと、[…]
モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」を結集 今回、TGRが発表した2台のハイパースポーツは、TGRが目指している「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を深化させ、GR[…]
トヨタのレジェンドモデルが高速走行を繰り広げる! 今回発表された「GR GT」は単なる新しいスポーツカーではない。TOYOTA 2000GT、Lexus LFAと続いてきた系譜を継ぐ、トヨタの思いが込[…]
固着したネジが動かない…作業を止める小さな“壁” どれほど簡単な整備手順でも、一本のネジが固着しているだけで作業は急に難しくなる。サビが食い込み、雨ざらしのボルトが内部で膨張し、樹脂パーツとの隙間に汚[…]
- 1
- 2

![雨天時に走行するクルマのタイヤ接写|[ついつい放っておきがち] クルマの安全&快適走行を支える“タイヤ”、寿命はどれぐらい? 交換の目安は?](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2024/06/photo-1-9-768x543.jpg?v=1719379130)
![クルマの走行距離を示すメーターの写真|[ついつい放っておきがち] クルマの安全&快適走行を支える“タイヤ”、寿命はどれぐらい? 交換の目安は?](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2024/06/photo-2-11-768x481.jpg?v=1719379085)













