
昔憧れたクルマや、所有していたクルマ。もう一度「手にしたい」と思っても、昨今の旧車/ネオクラシックカーは目を疑うような価格帯になってしまったモデルも少なくない。そこで「120回ローンを組んででも買っておきたい国産車」と題して、モデル概要や現在の相場、「実際、買いか否か」などを考察してみた。
●文:松村 透(月刊自家用車編集部)
トヨタ スープラ[A80] 概要
1993年5月、日本国内向けとしては2代目(先にスープラの名前が使用されていた海外向けでは4代目)として誕生した、トヨタ スープラ。
この2代目は、新時代の「スポーツカーとしてのパフォーマンスの実現」と、人や社会を大切に考える「優しさの具現化」、具体的には「安全の追求」「環境への配慮」「快適の追求」を、開発の狙いに掲げていた。
先代と同様に2+2のハッチバッククーペのボディ形状が採用され、先代よりも全長およびホイールベースを短くする一方で、トレッドを拡大している。
このスープラに採用されたエンジンは、排気量3リッター直列6気筒DOHCツインターボ「2JZ-GTE」と、NA仕様の「2JZ-GE」の2タイプ。
ツインターボエンジンを搭載するRZには、4速ATのほかドイツ・ゲトラグ社と共同開発の6速MTが採用された。また、新設計の4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションや扁平タイヤ、大容量のブレーキなどにより、安定したスポーツ走行を実現している。
このA80スープラは、モータースポーツでも活躍した。スーパーGTのGT500クラスに参戦し、2002年7月に生産終了した後も、2005年(一部は2006年)まで活躍した。また、ルマン24時間レースにもエントリーしている。
トヨタ スープラ[A80]の外観。エッジの効いたデザインだった先代から、曲線主体のグラマラスなボディに。またリトラクタブルではなく、通常のヘッドランプに。
NAで225ps、ターボ車で280psというハイパワーさも特徴だった。
トヨタ スープラ[A80] デビュー時グレードの主要諸元
SZ
- 全長×全幅×全高:4520×1810×1275mm
- ホイールベース:2550mm
- 車両重量:1410kg(MT)/1420kg(AT)
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:5速MT/4速AT
- エンジン:水冷直列6気筒DOHC24バルブ
- 排気量:2997cc
- エンジン最高出力:225ps/6000rpm(MT)/225ps/4800rpm(AT)
- 最大トルク:29.0kg-m/4800rpm
- タイヤサイズ:225/50ZR16(フロント&リヤ)
エンジンは直6の3L。新開発された電子制御スロットルシステム、ETCSが搭載された。6速MTの設定も国産乗用車では初となる。なお写真はNAのSZではなくターボモデルのもの。
SZ(エアロトップ)
- 全長×全幅×全高:4520×1810×1275mm
- ホイールベース:2550mm
- 車両重量:1450kg
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:4速AT
- エンジン:水冷直列6気筒DOHC24バルブ
- 排気量:2997cc
- エンジン最高出力:225ps/4800rpm
- 最大トルク:29.0kg-m/4800rpm
- タイヤサイズ:225/50ZR16(フロント&リヤ)
一部グレードにはエアロトップ仕様をラインナップ。写真はSZエアロトップだ。ソアラ系とシャーシを共用していることもあり、ラグジュアリーな雰囲気が楽しめるスポーティーカーの側面も。
RZ
- 全長×全幅×全高:4520×1810×1275mm
- ホイールベース:2550mm
- 車両重量:1490kg(MT)/1510kg(AT)
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:6速MT/4速AT
- エンジン:直列6気筒DOHC24バルブICツインターボ
- 排気量:2997cc
- エンジン最高出力:280ps/5600rpm
- 最大トルク:44.0kg-m/3600rpm
- タイヤサイズ:225/50ZR16(フロント)/245/50ZR16(リヤ)
中間グレードとなるRZ。スポーティーグレードでもあり、このモデルにのみ6速MTを設定。
RZのインテリア。運転席&助手席エアバッグはオプションで用意、電動スライド&リクライニングの運転席パワーシートを標準とするなど装備も豪華。
GZ
- 全長×全幅×全高:4520×1810×1275mm
- ホイールベース:2550mm
- 車両重量:1540kg
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:4速AT
- エンジン:直列6気筒DOHC24バルブICツインターボ
- 排気量:2997cc
- エンジン最高出力:280ps/5600rpm
- 最大トルク:44.0kg-m/3600rpm
- タイヤサイズ:225/50ZR16(フロント)/245/50ZR16(リヤ)
GZの外観。最上級グレードであり、フロントアクティブスポイラーやクルーズコントロールなどを標準装備。
GZ(エアロトップ)
- 全長×全幅×全高:4520×1810×1275mm
- ホイールベース:2550mm
- 車両重量:1570kg
- 駆動方式:FR
- トランスミッション:4速AT
- エンジン:直列6気筒DOHC24バルブICツインターボ
- 排気量:2997cc
- エンジン最高出力:280ps/5600rpm
- 最大トルク:44.0kg-m/3600rpm
- タイヤサイズ:225/50ZR16(フロント)/245/50ZR16(リヤ)
GZにもエアロトップ仕様を用意。写真はGZのインテリア。他グレードのシートはファブリックだが、GZ系は本革だ。
新車時の価格と中古車の価格帯比較
トヨタ スープラ[A80]
- 販売期間:1993年5月~2002年8月
- 新車時価格:290万円〜474万円
- 中古車の価格帯:495万円~1488万円
大手中古車検索サイトの情報を元に調べてみたところ、調査時点でもっとも安価な中古車であっても、新車時のトップグレードの価格を上まわる相場がスタートライン。
さらに上の方は1000万円オーバーといった価格帯だ。平均値が600万円台後半ということになり、キャッシュで購入するにはかなり難しい出費といえる。
実際に売り物をチェックしてみると、フルノーマル/低走行といった条件の個体を見つけること自体も難しい(当然ながら、その条件に合致する個体は高価だ)。
現在、個体数も比較的少ないA80。写真は貴重な、ディーラーオプションをフルに装着した車両。
買いか否か:「そもそも掲載台数が少なく…」
「6速MTが採用される」「メーカー純正装着としてはかなり大型なリヤスポイラーを装着する」といったスクープ記事が掲載されるなど、デビュー前から注目されていた通称「ハチマルスープラ」。
性能は折り紙付きだったが、バブル崩壊や2ドア/3ドアモデルの人気の陰りなどの外的要因もあり、当時からすれば爆発的ヒットではなかった。
さらに、映画『ワイルドスピード』の劇用車として採用されたことで、海外での人気も高い。その結果、日本仕様が中古として輸出された個体も多いようだ。
そのため、希望の仕様を見つけるには選択肢が少ない。「RZの走行距離1万キロ未満」という売り物もあるにはあるのだが、もはやコレクターアイテムの域に達している。
理想の仕様がきっちりと定まっている人ほど、探すことに長期戦を覚悟した方がいいだろう。
そして、いざというときのために軍資金を貯め、見つけ次第即決できる体制を整えておく必要がありそうだ。
圧倒的なトルクでスルスルとスピードを上げていく様子から、一部では「直線番長」などと評する声もあったが、映画(ワイルドスピード)の影響もあって、北米での人気も高い。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。※中古車価格は2024年11月時点での調査です。
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