
夫婦ふたりで贅沢な日本一周の旅に出かけたいけれど、大きなキャンピングカーは運転や駐車が難しそうで躊躇してしまう。一方で、一般的な車中泊仕様のバンでは、「ベッドを展開するたびに荷物を動かさなければならず面倒」「夏の暑さや冬の寒さで夜中に目が覚めてしまい、ちっとも疲れが取れない」という不満やイライラを抱える人は非常に多い。運転しやすいサイズでありながら、一歩車内に入るとまるで高級ホテルの客室のように洗練された、圧倒的な快適性を誇る本格的なキャンピングカーが存在する。日常の扱いやすさとラグジュアリーな居住空間を見事に融合させ、大人の贅沢な余暇を完璧にエスコートしてくれる魔法のような一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
街乗りもこなせる絶妙なサイズと高い信頼性を誇るベース車両
キャンピングカー選びにおいて、多くのドライバーが頭を悩ませるのが、車体の大きさと居住性のバランスだ。広々としたキャブコンバージョンは魅力的だが、普段の買い物や市街地での運用を考えると、どうしても購入のハードルが高くなってしまう。
高い利便性と絶大な信頼性を両立するベース車両として採用されているのが、日本の商用バンの王者であるトヨタのハイエースだ。紹介するモデルは、本格バンコンの「エスコート(escort)」である。
エスコートのボディサイズは、全長5380mm、全幅1920mm、全高2390mmという、堂々としたハイルーフ仕様をベースにしている。数字だけを見ると大きく感じるかもしれないが、幅や長さの感覚は一般的な大型ミニバンに近く、キャブコン仕様のような風の影響を受けにくい安定した走りが魅力だ。
運転席に座ればアイポイントが高く前方の視界が非常にクリアであるため、長距離の移動でもドライバーの疲労を大幅に軽減してくれる。平日は日常の便利な移動手段としてストレスなく使い倒し、週末になれば極上のプライベートホテルとして大自然へと駆け出すことができる、日本の道路事情に最適化された素晴らしいパッケージングである。
フロント回転シートが生み出す広大なリビング空間
エスコートのスライドドアを開けて車内に足を踏み入ると、商用バンの無骨な面影は微塵もなく、洗練された高級ホテルの客室のような空間が目の前に広がる。最大の見どころであり、室内空間の快適性を劇的に高めているのが、独自開発されたフロント回転シートの存在だ。
運転席と助手席を簡単操作でくるりと後方に反転させることができる、画期的なシステムである。フロントシートをリビングスペースに組み込むことで、限られたハイエースの車内スペースを極限まで有効活用することに成功している。
回転したフロントシートと、2列目に配された900mm幅のオリジナルシートを対面させることで、大人がゆったりと寛げる広大なダイネットが瞬時に完成する。中央に設置される大きめのテーブルは、窮屈さを一切感じさせることなく、美味しい食事や談笑をゆったりと楽しめる贅沢な時間を演出する。
ダイネットのテーブルを下げて補助マットをセットすれば、最大1800mm×1000mmのシート兼用ベッドへと変身させることが可能だ。子供はもちろん、大人の男性であっても足をしっかりと伸ばしてゆったりと横になれる十分なサイズが確保されている。テレビを見ながらソファに横たわるような、自宅のリビングにいる感覚の贅沢なリラックスタイムを車内で満喫できる。
2名旅を極上にする常設ダブルベッドと充実の収納
ダイネットでの団らんスペースとは別に、車内の後方には長さ1870mm、幅1200mmという広大な常設ベッドが配置されている。ダイニングとベッドが明確に分離されたレイアウトを採用しているため、食事を終えてすぐにベッドへ潜り込んで眠る、といったストレスのない生活動線が確立されている。
大人2名が肩を並めて手足を伸ばし、朝までぐっすりと熟睡できるダブルベッドサイズの実力は圧倒的だ。ベッドスペースの周辺には独立して点灯できるスポット照明などの快適なシステムが備わっている。パートナーが先に眠ってしまっても、もう一人はダイニングで読書を続けたりと、家族がそれぞれのプライベートな時間を別々に楽しめる配慮が素晴らしい。
さらに、常設ベッドの下部は大容量のラゲッジスペースとして確保されている。中央の仕切りを開放すれば、釣り竿やスキー板、ゴルフバッグといった長尺の趣味の道具も居住空間を一切圧迫することなくスッキリと積載できる。ベッドマットは分割式で簡単に取り外しができる構造となっており、大きな荷物を運びたい普段の買い物などのシーンでも柔軟に対応できる。
衣服の収納にも配慮されており、2列目のオリジナルシートの後方には専用のクローゼットがスマートに設置されている。シワになりやすいアウターやドレスシャツなどをハンガーに掛けたまま美しく収納しておけるため、長期にわたる車中泊旅でも、常に清潔で洗練された身なりをキープできる。大人の余暇にふさわしい、細部まで行き届いたおもてなしの設計が光っている。
システムキッチンのようなギャレー設備と年中快適な空調
長期の旅を豊かにしてくれる、水回りと調理機能の充実ぶりも素晴らしい。車内前方左側には、FRP製の美しいシンクを配したオリジナルギャレーが機能的に配置されている。清水タンクと排水タンクはそれぞれ使い勝手の良い10リットルサイズが採用されており、エントランスのすぐ横にスマートに格納されている。
水の交換や補給の際にも、重いタンクを車内の奥から持ち出す必要がなく、スライドドアを開けて車外からダイレクトに作業が行えるため、女性でも力を使わずにスマートに扱える。ギャレーの周辺には、本格的な調理の幅を広げる40リットルの大型冷蔵庫と電子レンジが標準装備されている。
ベッドを展開した状態でも冷蔵庫や電子レンジがそのまま利用できるように、家具の配置が徹底的に計算し尽くされている点も見事だ。調味料や食器をスッキリと片付けられる機能的な上部収納棚も備わっており、まるで自宅のシステムキッチンのように快適に作業をこなすことができる。
季節を問わず、一年中いつでも極上の車中泊を満喫するための空調設備も完璧な布陣を誇っている。夏の厳しい猛暑対策として、静音性に優れたDC12V仕様の車載用クーラー「クールスター」をオプションで導入可能だ。
冷たい空気を効率よく車内へ循環させるクールスターは、目的地での快適な夜を強力に約束してくれる。冬場の車中泊には、タイマー機能が付いた強力なエアヒーター(FFヒーター)が標準で備わっているため、エンジンを停止した環境であっても、車内を常に春のような暖かさにキープできる。
天井には、室内の空気循環をスマートにサポートする高性能なベンチレーターMAXXFANが標準装備されており、結露やカビの発生を効果的に防いでくれる。
旅の自由度を飛躍的に高める最強のリチウム電装システム
電化された快適な車内環境を裏から支えるのが、エスコートの誇る非常に強力な電装システムだ。標準装備として、鉛サブバッテリーを2個搭載しており、合計200Ahの十分な容量を確保している。
さらに、電力不足の不安を完全に払拭するためのスペシャルオプションとして、容量210Ahのリチウムバッテリーシステム(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)へ変更することが可能となっている。
充放電の能力が鉛バッテリーの2倍近くに高められたリチウムシステムは、CTEKスマートパス(大電流走行充電器)やバッテリーモニターと組み合わせることで、信じられないほどの安定した電力供給を可能にする。エンジンを完全に停止した静寂の状態であっても、オプションの車載クーラー「クールスター」を最大6時間にわたって連続稼働させることができる驚異のポテンシャルを秘めている。
ソーラーパネルをルーフ上に設置すれば、太陽の光で効率よく充電を行い、バッテリー残量の心配をすることなく、エアコンや電子レンジといった高出力の家電製品を遠慮なく使うことができる。
大自然の中での長期滞在やワーケーションはもちろん、万が一の災害時における家族のための安心の避難シェルターとしても十二分に機能する、無敵の「自走する電源」だ。
エスコートは、ガソリン車の2WD仕様で税込7,770,600円からラインナップされており、4WDやパワフルなディーゼルモデルも用意されている。ハイルーフの広大な車内をあえて大人だけの贅沢な空間として使いこなすエスコート。週末のたびに、極上のホテルルームとともに未知なる美しい景色を求めて走り出す、新しい大人のカーライフを手に入れてみてはいかがだろうか。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
夏場の快適性を高めるアイドリングストップキャンセラー 夏のドライブで気になるのが、車内温度の上昇である。特に炎天下に駐車した車内は短時間で高温になり、乗り込んだ直後は強力なエアコンによる冷却が欠かせな[…]
1980年代後半、激化した軽ターボ車によるホットハッチ競争 初代の「アルトワークス」が誕生したのは1987年です。 この時期の日本の経済はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、バブル景気の急坂をガンガン登ってい[…]
従来の“風を送るシート”とは何が違う? 一般的な車用シートクーラーには、シート内部のファンで風を送り出す「空冷式」の製品が多い。手軽に導入できる一方で、使用環境によっては十分な冷却感を得にくい場合もあ[…]
真夏の強い日差しでもこれがあれば安心! 夏の駐車で気になるのが、乗り込んだ瞬間の車内の暑さ。炎天下ではハンドルやダッシュボードが熱を持ち、エアコンが効き始めるまでしばらく待たなければならない。 もはや[…]
ガソリン車&PHEVを廃止で、ハイブリッド専用車へ移行 今回の改良における最大のポイントは、パワートレーンが2.5Lハイブリッドシステムを搭載するHEV(ハイブリッド車)モデルに一本化されたことが挙げ[…]
最新の投稿記事(全体)
街乗りもこなせる絶妙なサイズと高い信頼性を誇るベース車両 キャンピングカー選びにおいて、多くのドライバーが頭を悩ませるのが、車体の大きさと居住性のバランスだ。広々としたキャブコンバージョンは魅力的だが[…]
ワーゲンバスのDNAを未来へ!フル電動ミニバン「ID.Buzz」とは 1950年代に登場し、世界中で親しまれてきたフォルクスワーゲンの名車「Type2(通称:ワーゲンバス)」。そのアイコニックで愛らし[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
運転が苦手な人の”左側の不安”を解消する補助ミラー 運転経験が浅い人や車幅感覚に自信がない人にとって、左サイドの死角は大きな不安要素である。特にコンビニの駐車場や狭い道路での幅寄せ、縁石ギリギリまで車[…]
- 1
- 2


























