
普段、マメに愛車のお手入れをしているつもりでも、車のボディ表面に蓄積されていく異物。目視では確認しにくいから、知らぬうちにどんどんと溜まっていく可能性も。今回は、塗装面のメンテナンスについて、解説していこう。
●写真/文:オートメカニック編集部
塗装面に突き刺さる異物を除去し、滑らかなボディを取り戻す
都心部の汚れた空気の中を走り回っていると、車の塗装表面には様々な異物が付着する。特に厄介なのが、目には見えない鉄粉だ。この鉄粉の主な出所は、ブレーキング時にローターから削れ落ちたもので、高温で鋭利なため車両の塗膜に突き刺さる。
鉄粉が厄介なのが、コンパウンドを使用しても簡単には落とせない点だ。この状態を放置すると、洗車時にウエスを使用した際に突起面に引っかかって拭きムラとなるし、同様の理由でワックスもきれいに広がらないなど、様々な弊害が起きてしまう。
鉄粉が塗装面に突き刺さった状態だと、ウエスが引っかかってしまうことも。
そうならないように、ワックスがけやコーティング処理の前に、鉄粉除去用のねんどクリーナーを用いて確実に取り除いておくことが、有効な対策となる。
鉄粉除去用のクリーナーの効果的な使用方法を解説
今回鉄粉除去で使用するのは、ソフト99の「ねんど状クリーナー ミニ」だ。塗装面を傷めずに鉄粉や塗装ミスト・ピッチなどを取り除ける専用クリーナーだ。水にひたして自分の手に合わせて使いやすいような形にしていく。
塗装面を濡らし、エリアごとに分けてねんど状クリーナーをかけていく
霧吹きなどを利用して、きれいな水を塗装面にまんべんなくスプレーし、表面に水の膜ができるようにする。
霧吹きなどで、ボディ表面に水の膜を形成。
水を切らさないように霧吹きでスプレーしながら、ねんどクリーナーを軽くすべらせるように塗装面を擦っていく。この際、ボディパネルを区切って、エリアを1つずつ消化していくように作業を進めていくと、処理のもれが少なくなる。
ボディ表面に水を吹きかけながら、ねんど状クリーナー ミニで鉄粉を除去していく。
ねんど表面が汚れたら、内側に練り込んでキレイな面を使用する
鉄粉除去処理を進めていると、ねんど状クリーナーの表面が写真のように汚れていくる。しっかりと鉄粉が除去できている証拠だが、ある程度汚れがたまってきたら、その表面を内側に練り込んで、キレイな面で再び処理を進めていく。常にキレイな面で研磨していくようにしよう。
ねんど状クリーナーで擦り始めた直後は引っかかる感触あるが、その感触がなくなってスーッと滑るようになれば処理完了となる。
ねんど状クリーナーが引っかかる感触がなくなれば処理が完了。
愛車の鉄粉付着状況を簡単にチェックする方法
塗装面に突き刺さっている鉄粉は微少で、素手で撫でても感じ取ることは難しい。素手で分かるほど凸凹していたとしたらかなりの重傷とも言える。微少な鉄粉の付着をチェックするのに役立つのが、お菓子の包装セロハンだ。
菓子箱を包んでいる透明のセロハンを利用すると、手軽かつ確実に鉄粉の付着をチェックできる。
やり方は簡単、写真のように指にセロハンをはめてボディ表面を軽くなでるだけ。多くの場合、微少の鉄粉による凸凹はセロハンを介して擦ると明確に感じ取ることができる。「えっ?ソレでわかるの?」と思うかもしれないが、簡単かつ確実なチェック方法の1つなので、気になる方は試してみて欲しい。
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