
●文:川島茂夫
TMS2025で、次期マツダ2のスタディモデルを披露
MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)は、マツダ2の後継モデルと目されているコンセプトモデル。
もちろん、現時点ではパワーユニットなどの情報はないし、フロントウインドウから連続して屋根を覆うグラストップなどは、そのまま量産化するには厳しい部分もある。ただ、このモデルに提示された価値感やパッケージングはとても現実的。次期マツダ2には、このモデルで示された基本デザインやイメージが引き継がれることになる。
次期マツダ2の基本デザインを示すコンセプトモデル。全長3825mmのコンパクトなサイズに、後席頭上空間を確保しつつクーペ的な要素を取り入れたデザインが特徴。
| 車名 | MAZDA VISION X-COMPACT | 
| 全長 | 3825 mm | 
| 全幅 | 1795 mm | 
| 全高 | 1470 mm | 
| ホイールベース | 2515 mm | 
車格設定は上位クラスへ移行か?
もっとも目を惹く外観は、上級クラスの趣に媚びることなく「小ささ」を価値とするようなデザインが印象的。全長は3825mm、ホイールベース2515mmと、現行マツダ2よりも一回りコンパクトサイズにおさまるが、ホイールベースの差は55mmと小さく、255mmの全長の違いはオーバーハング長、とくにリヤオーバーハングの短縮による部分が大きい。
現行マツダ2よりさらにコンパクトなサイズ。オーバーハングの短縮により「小ささ」を価値とする上質なプレミアムコンパクトの未来像を提示している。
フロントピラーからドア上部、リヤピラーへと連続する面はキャビン後半で絞り気味、ちょっとクーペ的な趣だが、ルーフラインだけを見るとほぼ水平にルーフエンドスポイラーへと連なり、後席頭上空間を稼ぐようなデザインになっていることも面白い。
キャビンには、外板同様の色と質感を持たせたトリムを用い、光沢のあるパネルは、マシン的機能感と上質な仕立てのプレミアム感を演出。このようなスポーツ&カジュアルな雰囲気とプレミアム感もあって、コンパクトカーでも車格設定は上位になりそうだ。
キャビンは、外板色と同様の高光沢レッドを大胆に採用。中央のデジタルメーター、シンプルなステアリング、露出したシフトノブなどが、マシン的な機能感も見どころのひとつ。
電動化の波はコンパクトにも?
パワートレーンは未発表だが、現行マツダ2は、1.5LのNAエンジンのみの設定で、このユニットは基本設計が古い。そんな流れを考えれば、次期モデルでは新パワートレーンの導入が確実だろう。上級モデルから始まっているマツダの電動化戦略が、状況によってはコンパクトクラスに波及する可能性も高い。そういう意味で、今後の製品化でどう変化していくか?注目したいモデルになりそうだ。
写真ギャラリー
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(マツダ)
ホイールベース拡大を感じさせない、巧みなパッケージ設計が光る 2012年に登場した初代CX-5は、魂動デザインとSKYACTIV技術を全面採用した、マツダ社内では6世代商品と呼ばれているシリーズの第一[…]
マツダの世界観を具現化するビジョンモデルが世界初公開される。 出展テーマは「走る歓びは、地球を笑顔にする」 今回の出展テーマは「走る歓びは、地球を笑顔にする」で、技術革新と社会インフラ整備[…]
クリーンディーゼルエンジン搭載車の商品強化を図る 今回導入される「XD Drive Edition」は、幅広いニーズに応えるため5モデルすべてに設定される。各モデルともディーゼルターボエンジンを搭載し[…]
初期型 NA6CE(1989年) 未知の需要に果敢に挑戦して大ヒットを記録 初代ロードスターこと、「ユーノス・ロードスター(NA系)」が発売されたのは1989年です。年号が昭和から平成に切り替わった年[…]
東洋工業(マツダ)は、戦後復興に貢献した3輪トラックのトップメーカーだった プロ野球チーム広島東洋カープは、かつて野武士集団とも形容された個性的な市民球団だ。その歩みは長く、球団オーナーを務める松田家[…]
最新の関連記事(ニュース)
「一人のため」に設計された、新時代の「ショーファードリブン」 「センチュリーはトヨタ車じゃないから」とは、随分と昔にトヨタの開発者から聞いた言葉だ。その後も同様の話はたびたび耳にする。つまりセンチュリ[…]
●先進のプラグインハイブリッドシステムを採用 「SEALION 6」の最大の特徴は、BYDが独自に開発した高効率プラグインハイブリッドシステム「DM-i(デュアル・モード・インテリジェンス)」を搭載し[…]
ホンダの電動スポーツは「プレリュード」だけじゃない Super-ONE Prototypeは、「e: Dash BOOSTER」をグランドコンセプトに、日常の移動を刺激的で高揚感あふれる体験へと進化さ[…]
薄型キャビンながら広い室内空間を実現 この「Honda 0 Alpha」は、都市と自然の両方に美しく調和し、あらゆる場面で人びとに寄り添うことを目指したSUV。2025年1月のCES 2025で発表さ[…]
上質なコンパクトカーに新たな選択肢 プジョー208は、優れた取り回しと洗練されたデザインが評価されているハッチバックモデル。現行モデルは、独自設計のi-Cockpitの採用や、運転支援機能が強化された[…]
人気記事ランキング(全体)
車内には、活用できる部分が意外と多い カーグッズに対して、特に意識を払うことがない人でも、車内を見渡せば、何かしらのグッズが1つ2つは設置されているのではないだろうか。特に、現代では欠かすことができな[…]
ホイールベース拡大を感じさせない、巧みなパッケージ設計が光る 2012年に登場した初代CX-5は、魂動デザインとSKYACTIV技術を全面採用した、マツダ社内では6世代商品と呼ばれているシリーズの第一[…]
ホンダの電動スポーツは「プレリュード」だけじゃない Super-ONE Prototypeは、「e: Dash BOOSTER」をグランドコンセプトに、日常の移動を刺激的で高揚感あふれる体験へと進化さ[…]
カッコよくなっても、実用面の堅実さはしっかりと継承 低く伸びやかなボンネットから続くボディラインは、フロントウインドウからルーフ、リヤエンドまで優雅な曲線を描く。これは、生活に溶け込んだクルマという従[…]
●SUVの「死角」を減らす注目アイテム 人気のSUVだが、その車高の高さやボディサイズがもたらす「死角」は、ドライバーにとって常に付きまとう課題だ。カローラクロスも例外ではなく、運転席から遠い左前輪付[…]
最新の投稿記事(全体)
TMS2025で、次期マツダ2のスタディモデルを披露 MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)は、マツダ2の後継モデルと目されているコンセプトモデル。 もちろ[…]
「一人のため」に設計された、新時代の「ショーファードリブン」 「センチュリーはトヨタ車じゃないから」とは、随分と昔にトヨタの開発者から聞いた言葉だ。その後も同様の話はたびたび耳にする。つまりセンチュリ[…]
無骨さが釣り人の心に刺さる! 実用性と快適性を兼備する釣り用キャンピングカー 釣り車ともいうべき車中泊仕様のデモカーをリリースするのは大阪府堺市に本社を構え、大阪、名古屋、埼玉に店舗を展開するユーアイ[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
基本を無視すれば、無用のトラブルを引き起こすことも… 整備作業においてボルトやナットの脱着は避けて通れない基本中の基本の作業。それだけに、ソケットレンチやメガネレンチの使用頻度は必然的に高まる。が、ボ[…]
- 1
 - 2
 
























  