
2026年6月4日、日本自動車会議所はモータースポーツ業界におけるデジタル環境の強化と利用者の利便性向上を目指し、大容量データ通信に対応したサーキット向けネットワークの実証実験を開始すると発表した。最初の検証舞台となるのは、静岡県小山町の富士スピードウェイで6月5日から開催される「スーパー耐久シリーズ第3戦 富士24時間レース」となる。
●文:月刊自家用車編集部
富士24時間レースで大容量ネットワーク実証開始。複数サーキット共用の通信基盤構築へ
サーキット共用ネットワーク構想イメージ
日本自動車会議所は、富士スピードウェイで開催される「スーパー耐久シリーズ第3戦富士24時間レース」を舞台に、大容量データ通信に対応したサーキット向けネットワークの実証実験を開始する。
レース開催時のサーキットでは、来場者によるSNS投稿やキャッシュレス決済、チームによる走行データのリアルタイム伝送、メディアによる写真・動画アップロードなど、短期間に膨大なデータ通信が集中する。一方でレースのない期間は通信量が激減するため、ピーク対応の通信設備を常設することは各サーキットにとって大きなコスト負担となっていた。
今回の実証では、ウーブン・バイ・トヨタが保有する大容量通信ネットワークを一時活用し、レース開催中に急増するデータ通信を安定処理できるかを検証するという。具体的には、チームによる車両オンボード映像・走行データの伝送、メディアセンターおよびメディアラウンジのWi-Fi通信品質の改善、通信網内への配信サーバ設置による低遅延映像配信(S耐TV/YouTubeへの配信)などを対象とする。機器提供・技術サポートにはシスコシステムズ、株式会社インターネットイニシアティブ・株式会社 IIJ エンジニアリングが参加する。
実証期間は2026年6月〜12月で、今回の富士24時間レースを皮切りに複数戦での検証を予定している。
将来的には複数サーキットがネットワークを共用する仕組みの構築を目指しており、個別に通信設備を整えるよりもコストを大幅に抑えられる体制の実現を視野に入れている。この取り組みは、JAF(日本自動車連盟)やMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)、GTA(GTアソシエイション)、JRP(日本レースプロモーション)、STMO(スーパー耐久未来機構)などモータースポーツ関係団体が結集した日本自動車会議所モータースポーツ委員会が推進する、業界全体の通信インフラ最適化プロジェクトの一環だ。
今回の取り組みの実証結果を踏まえ、今後はチームやメディアだけでなく、来場者やレースイベントの運営など幅広い利用者が快適に使える通信環境への拡大を検討していく。
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