
「軽バンが“2階建て”になる」という、ちょっと気になるクルマが存在する。千葉県市原市の千葉オートが提案する「アゲバンGUARDIAN」に、ルーフテントを組み合わせた仕様だ。
背景にあるのは、近年各地で発生している豪雨や水害。千葉オートでは、地域での水害をきっかけに、普段はクルマとして使いながら、アウトドアやもしものときにも活用できる「日常×防災」という考え方を提案している。
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:株式会社千葉オート
車高を上げた軽バン「アゲバンGUARDIAN」
そもそも「アゲバン」とは、軽バンの車高を上げたカスタム車のこと。アゲバンGUARDIANは、スズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼットカーゴなどをベースに、リフトアップサスペンションやオフロードタイヤ&ホイール、ショートバンパーなどを組み合わせたコンプリートカーだ。
車高を上げることで、未舗装路などでの走破性を意識したスタイルに仕上げられているのが特徴。さらに、アウトドアだけでなく防災にも目を向けているのが、このクルマのユニークなところだ。
ただし、車高が高いからといって冠水した道路を安全に走行できるわけではない。大雨や洪水の際は、道路状況や避難情報を確認し、危険な場所には進入しないことが大前提となる。
ルーフテントを載せると“2階建て”に変身!
ここに組み合わせるのが、GIWORKSのルーフテントだ。
千葉オートは2026年9月、GIWORKSのルーフテント正規販売店となった。アゲバンGUARDIANとルーフテントを組み合わせることで、車内だけでなく屋根の上まで使える「車内+屋根上」という2層の空間を作り出している。
ルーフテントはハードシェルタイプで、大人2人が就寝できるスペースを確保。油圧ダンパーによって、展開・収納は約1~2分で行えるという。
軽バンの車内をベッドスペースとして使う場合、荷物を置く場所や乗員との兼ね合いが気になるところだが、屋根上にもうひとつの就寝スペースを設ければ、使える空間は大きく変わる。まさに「軽バンなのに2階建て」というわけだ。
車中泊だけじゃない。防災にも活用
この仕様の面白さは、キャンプや車中泊だけを目的としていないことにある。普段は通勤や買い物などに使い、休日にはキャンプやアウトドアを楽しむ。そして、災害が発生した際には、車内とルーフテントをプライベート空間として活用する――。
千葉オートが掲げるのは、特別な防災用品としてしまっておくのではなく、日常的に使うものを、いざというときにも役立てる「フェーズフリー」という考え方だ。
とくに水害などで自宅での生活が難しくなった場合、クルマは移動手段であると同時に、一時的なプライベート空間にもなる。ルーフテントを組み合わせれば、車内とは別に屋根上にも空間を確保できる点がポイントだ。
いざという時には家族の命とプライバシーを守る「動く避難所」に変わるクルマ。
アゲバンGUARDIAN室内(フルフラット空間展開時)普段は4名乗車可能。
もちろん、災害時は安全な場所への避難が最優先。冠水した場所や危険な地域にとどまるための装備ではないことには注意したい。
「キャンピングカーまでは必要ない」という人にも
アゲバンGUARDIAN+ルーフテントの魅力は、キャンピングカーほど大掛かりではないことだろう。軽バンをベースにしているため、普段使いしやすいサイズ感を維持しながら、アウトドアでは車中泊、防災ではプライベート空間として活用できる。
「キャンプはしたいけれど、本格的なキャンピングカーまでは必要ない」「普段使いできるクルマに防災という価値も持たせたい」という人にとっては、なかなか興味深い選択肢だ。
車内だけでなく屋根の上まで使うことで、軽バンの可能性を広げるアゲバンGUARDIAN。水害をはじめとした災害への備えと、アウトドアを別々に考えるのではなく、ひとつのクルマで両立させようという発想は、これからのカーライフを考えるうえでも注目できそうだ。
なお、車両価格はカスタム内容によって異なるため、詳細は千葉オートへの問い合わせが必要となる。展示・販売は千葉オートのショールーム(千葉県市原市)で行われている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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