
キャンピングカーは欲しいけど、駐車スペースの関係で大型車両は無理。それならば一般車がベースの車両はいかがだろうか。特に軽バンをベースに考えれば取り回しはバツグンに良い。今回はイベントで見つけたダイハツ・アトレーがベースの軽キャンパーを紹介していこう。
●文:月刊自家用車編集部
ベースは軽バンキャンパーの本命、ダイハツ・アトレー。
軽自動車でキャンピングカーを組むなら、選択肢に入れておくべき一台がある。それが「ダイハツ・アトレー」だ。
アトレーは軽規格ギリギリの全高と全長を持ち、広く取られた室内空間が特徴だ。現行モデルは軽バンのハイゼットカーゴと基本骨格を共通としつつ、外装デザインや内装装備にしっかりと“乗用”の味付けがされている。商用車のタフさと乗用車の快適さ、両方を併せ持つ数少ない存在と言っていいだろう。
前席を倒せば、大人なら足を伸ばして横になれる空間が確保できる。車中泊やミニマルなキャンピング仕様を前提に考えれば、この車内の広さはは十分なアドバンテージになるはずだ。
また、リアゲートが跳ね上げ式で、雨天時の荷下ろしや作業にも対応できるのはアウトドアユーザーにとってありがたい。さらに、リアシートを倒せばフルフラットになる構造は、ベッドキットとの相性も抜群。市販の車中泊マットやDIYで作ったベッドベースとも高い親和性を発揮する。
加えて、電源取り出し用のアクセサリーソケットや12V出力が備わっているため、ポータブル冷蔵庫や換気ファンなどの電装品も難なく使える。言ってしまえば、「手を入れやすい素体」としての完成度が非常に高いのだ。
軽自動車であるがゆえに、自動車税や任意保険、燃費性能といった維持コストの安さは当然ながら魅力だ。それでいて、アトレーはターボエンジンを搭載しており、高速道路や山道といったキャンピングカーが苦手とするシーンでも力不足を感じにくい。
小回りもきき、街中のコインパーキングにも入る。大型のキャンピングカーではアクセスしづらい温泉地や山奥のキャンプ場でも、アトレーならグイグイ行けるだろう。
シンプル プラスαなレイアウトが使いやすい
今回はメティオが手掛ける「ラクネル」シリーズから「ラクネル・バンツアー・アトレーver.匠」を紹介していこう。
メティオの技術と、熟練の家具職人による奇跡のコラボによって制作された、匠だけの特別仕様。車内の家具はリアルウッドにより製作されている。職人による手作りになるため、生産台数は年間30台ほどとプレミア級の車両だ。
長年培ったキャンピングカー製作のノウハウから生み出された機能性や実用性の高さはラクネルシリーズならでは。なかでもアルミのブラックフレームは匠にだけ許されている。家具との相性が非常に高いエイジング加工は必見だ。
展示車両の車内はフルフラットの中央を抜いたレイアウトになっており、掘りごたつのように利用できるのは快適性が高い。抜いたマットは背もたれとして活用することができるので、無駄がない設計になっている。
運転席と助手席を前方向にスライドさせて、フルフラット状態にすると190cmのベッドになるので、大人が二人就寝するには十分すぎる広さを実現する。そこまでの広さが必要ない場合は運転席と助手席を通常の位置戻すと175cmほどの広さになる。そのまま運転することができるのは便利だ。
特にソロキャンプする場合であればテーブルセットを出したままにしておけば、運転席からサッと車中泊スペースに移動するだけなので、いちいちシートセッティングをする必要がない。片側だけ掘りごたつモードにしておけば、座っていて足が痺れることがないので、快適な生活空間を維持することができる。
天井部分には大容量の収納スペースがあるので、旅の荷物を格納しておけばフラット部分が荷物で埋まることがない。コンセントやスイッチ類も1箇所に集約されているので、各種電源などのスイッチを押して回ることがないので、よく考えられた作りだ。
メティオの製作するラクネルシリーズは軽バンのアトレーだけでなく、ハイエースやボンゴバン・NV200ワゴンをベースにした車両が多数展開されている。取り回しの良い乗用車ベースのキャンピングカーを求めている方はチェックしてみると良いだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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