
ジープのEVモデルとして2024年に登場した「アベンジャー」にハイブリッドモデルが追加された。いちはやくオフロード専用コースで、その走りの一端を試すことができた。どのようなクルマであるのかをレポートしよう。
●文/写真:鈴木ケンイチ
48Vマイルドハイブリッドと後輪モーターで4WDを実現
ジープ初のEVとして2024年9月に日本に導入された「アベンジャー」だが、導入当初のラインナップはFFモデルのみだった。
その「アベンジャー」にハイブリッドモデルが追加された。「アベンジャー4×4ハイブリッド」と名付けられた名称からも分かるように、ハイブリッド化されただけでなく、4WDにもなっていることがポイントになっている。
前後モーターにより電動4WDを実現。後輪側は駆動力を増幅する電動モーターを搭載しており、1900Nm相当のホイールトルクを発生する。40㎝の渡河性能や、低速トルクを活かした力強い登坂性能は、伝統モデル「ジープ」を名乗るにふさわしいアドバンテージになっている。
搭載されるハイブリッドシステムは、1.2リッターの3気筒ガソリン・ターボエンジンと、モーターを組み込んだ6速DCTトランスミッション、助手席下に配置されるバッテリーによって構成される。これに加え、後輪駆動用のモーターを追加することで4WD化を実現している。
48Vマイルドハイブリッドということもあって、フロントモーターの最高出力は15.6kW(21馬力)、リヤで21kw(29馬力)しかない。基本的にはFFで走行し、必要なときだけ後輪モーターのアシストが入るというスタイルだ。ただ、6速DCTのクラッチを切り離すことで、低速域ではモーターのみの駆動も可能としている。
試乗モデル:JEEP Avenger 4×4Hybrid Upland
寸法:全長4120×全幅1775×全高1600㎜
車両重量:1480kg
パワートレイン:1.2リッター・ガソリン・ターボ・ハイブリッド
モーター:フロント15.6kw/リヤ21kW
トランスミッション:6速DCT
システム合計最高出力:145ps
燃費性能19.0km/l(WLTCモード)
タイヤサイズ:215/60R17
価格:499万円
4WD化にあわせて、オフロードキャラも強化
EVモデルに比べるとハイブリッドモデルは、よりオフロード色が濃厚になっている。
エクステリアは、ハイブリッドにはルーフレールとリヤにけん引フックが標準となっているし、最低地上高も10㎜アップ。フロントバンパーはアプローチアングルが2度大きくなるように形状が異なり、シートも撥水加工のファブリックとした。
また、EVモデルの装着タイヤは3シーズンタイヤだったが、ハイブリッドモデルではスノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤを装着する。扱いとしてはスタッドレス相当になるので、冬タイヤ規制でも走行が可能だ。
さらに40㎝もの渡河性能が与えられていることも興味深い変化。バンパーには、渡河可能な高さが可愛らしいジープダックのマークで示されている。
スノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤを採用したことは、アウトドアニーズを意識した選択。
力強い駆動力でオフロード走行はイージーそのもの
そんな「アベンジャー4×4ハイブリッド」を、クローズドのオフロード専用コースで走らせる機会を得た。
走り出しは、モーターなので非常にスムーズで力強い。時速30㎞あたりまではモーター主体で、その先はエンジンが主動力になるようだ。また、DCTの悪癖であるギクシャク感は、まったく感じられない。ここはハイブリッドシステムがよい仕事をしているのだろう。
もうひとつ、いいなと感じたのが、急坂を上る際の力強さだ。リヤモーターのギア比が相当に低く設定されており、ぬめった急坂でも楽々と上ってくれる。路面状況にあわせて駆動状況を変化させるセレクテレインを砂/泥にしなくても、AUTOでも簡単に難所をクリアすることができる。
さらにユニークに感じたのは、急坂をゆっくり下るヒルディセントコントロールが、通常モードだけでなく、ギアをN(ニュートラル)に入れると、より強く利いて、ゆっくりと坂を下れるというモードがあることだ。
ちなみに、EVモデルではトーションビーム式だったリヤのサスペンションは、4WD化にあわせてマルチリンク式に変更されている。街中での乗り心地の向上も大いに期待できそうだ。
10.25インチのデュアルディスプレイを採用することで、高い操作性を確保。
各種セレクタースイッチはダッシュ中央部に集約。
ハイブリッドは「アベンジャー」の本命モデル
そもそも「アベンジャー」は、EVというだけでなく、日本で扱いやすいサイズ感と、欧州生産ならではのセンスの良いデザインに魅力があった。今回より便利に使い倒せるハイブリッドモデルが投入されたことで、興味を覚えるユーザーが増えるのは間違いない。EVの565万円から499万円と安くなっている価格も追い風だろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ジープ)
ルーフにトップテントを装着する「ホワイトキャップ ウィズ トリップトップ」は、限定5台販売のスペシャルモデル。購入希望者(8月31日まで)を募ったのち、抽選(当選発表は9月上旬を予定)で当選者を発表、[…]
48VハイブリッドAWDシステムを、ジープとして初導入 今回導入されるハイブリッドモデルは、低速域でフル電動走行も可能な48VハイブリッドAWDシステムをベースに、伝統の走破性と環境性能を凝縮した1台[…]
内外装には、ブランドの誇りが刻まれた専用加飾が散りばめられる 今回導入されるトラックエディションは、両モデルとも、機能と安全装備が充実した「Limited」グレードをベースモデルに、エクステリアにボデ[…]
約3倍の耐久性を持つ、タフな専用シートを装着 限定車「North Star Edition」は、「レネゲード アルティチュード e-Hybrid」をベースに、ジープ初となる革新的な高強度素材を採用した[…]
人気のロンジチュードをベース車に100台限定で発売 ベースとなるジープ コンパスのロンジチュードは、都市部からアウトドアまで幅広く溶け込む洗練されたデザインと充実した機能が与えられた、コンパスの人気グ[…]
最新の関連記事(ニュース)
子どもに教えておきたい「4つの行動」 0歳の子どもを助手席へ乗せたあと、保護者が運転席へ回り込もうとした瞬間にドアがロックされてしまった。鍵は車内のバッグの中。救助まで約50分を要し、子どもは軽度の熱[…]
奈良県内6店舗目となる、新規店がオープン! オートバックスと言えば、国内にグループ店舗数を合計1,073箇所に展開する、カー用品の大型チェーン店だ。昨今は、ECサイトでカー用品を購入するユーザーも多い[…]
140年の技術革新を現代の技術で再解釈した新世代モデル 2013年に美しい4ドアクーペとして登場したCLA。2019年の2代目では対話型インフォテインメント「MBUX」がいち早く投入されるなど、常に先[…]
熊本県内71か所のEV充電器を無料開放 今回の取り組みでは、熊本県内に設置されているTerra Chargeの対象EV充電器71か所が無料開放される。 利用期間は2026年7月29日から9月30日まで[…]
魅力的な内外装でオリジナリティを高めた特別仕様車が登場 ダイハツ工業は7月29日、軽乗用車「ムーヴ キャンバス」と「ムーヴ」の一部改良を実施して発売を開始した。予防安全機能「スマートアシスト」の機能強[…]
人気記事ランキング(全体)
従来の“風を送るシート”とは何が違う? 一般的な車用シートクーラーには、シート内部のファンで風を送り出す「空冷式」の製品が多い。手軽に導入できる一方で、使用環境によっては十分な冷却感を得にくい場合もあ[…]
そもそも「GT-R」という名称の由来は? 現在の日産のラインナップの中でも燦然と輝いている「GT-R」。日産の技術力を誇示するスポーツ系車種の頂点として、日産のハイパフォーマンスカーの象徴と言える存在[…]
夏場の快適性を高めるアイドリングストップキャンセラー 夏のドライブで気になるのが、車内温度の上昇である。特に炎天下に駐車した車内は短時間で高温になり、乗り込んだ直後は強力なエアコンによる冷却が欠かせな[…]
サンシェードを使用しても、車内の温度上昇は避けられない 連日の猛暑により、炎天下へクルマを駐車すると、わずかな時間でも車内は一気に高温となる。買い物や食事を終えて戻ってきた際、ドアを開けた瞬間に熱気が[…]
18インチから20インチまで、スタイルに合わせて選べる 新型エルグランドは上質な走りと洗練されたデザインが魅力のモデルだが、カスタムを楽しむ上でマストなのが足元のドレスアップ。この点に異論のある方はい[…]
最新の投稿記事(全体)
子どもに教えておきたい「4つの行動」 0歳の子どもを助手席へ乗せたあと、保護者が運転席へ回り込もうとした瞬間にドアがロックされてしまった。鍵は車内のバッグの中。救助まで約50分を要し、子どもは軽度の熱[…]
1位「後ろにつかれたら素直に道を譲れ…」軽なのに普通車を追い回した!? 伝説の“小さな怪物”「アルトワークス」が生まれた理由 今回もっとも読まれたのは、スズキの伝説的な軽スポーツモデル「アルトワークス[…]
プラモデル感覚で誰でもできる!「切らない・穴をあけない」新発想カスタマイズ 愛車を自分好みにドレスアップしたいと思っても、「純正パーツに穴を開けるのは抵抗がある」「失敗して元に戻せなくなったら嫌だ」と[…]
都市の建築美と光が生み出すコントラストを再現した限定カラー 今回の特別仕様車「レンジローバー ヴェラール アーバン コントラスト エディション」は、都市を形づくるモダンな建築美や、そこに差し込む日の光[…]
陸・海・空がつながる360度の移動体験 昨年のジャパンモビリティショー2025において「“DISCOVER”-誰の真似もしない-」というブランドメッセージを掲げたLEXUS。ほかではできない体験価値を[…]
- 1
- 2


























