
キャンピングカーといえば、大自然の中で過ごす自由な時間、または移動しながらも自宅のような快適さを確保できる“動く拠点”というイメージがある。今回紹介する「escort【WHITE HOUSE】」はそれらに加えて、“大人の隠れ家”という新しい価値を提示してくれる一台だ。ベース車両は信頼のトヨタ・ハイエース。使い勝手と信頼性を兼ね備えたこのベースに、贅を尽くした装備を詰め込んだ本格派バンコンである。
●文:月刊自家用車編集部
ラグジュアリーと機能性を融合した“移動する部屋”
「escort」は全長5380mm、全幅1920mm、全高2390mmと、堂々たるボディサイズを誇るハイエースキャンパー。乗車定員は4名、就寝定員も4名。2名での旅ならば、贅沢すぎるほどの空間だ。
最大の見どころは、1870×1200mmの常設ベッド。この広さは、大人2名が脚を伸ばして眠れるフルサイズ。しかもダイニングスペースとはしっかり分離されているため、就寝と食事・くつろぎを明確に切り替えられるのが大きなメリットだ。
分割式のベッドマットを採用しており、取り外せば大きな荷物の積載にも対応。ベッド下の空間活用という観点でも、キャンパーの上級モデルらしい配慮が光る。
クルマの中とは思えない“リビングの完成度”
車内のダイニングスペースも、ただテーブルとシートがあるだけではない。LEDスポット照明の独立点灯機能や、オプションのDC12Vクーラー「クールスター」の室内機など、日常の快適さをそのまま持ち込んだような設計になっている。特にクールスターは、静音性に優れたキャンパー向けエアコンで、真夏の夜も快適そのもの。
また、足元にはFFヒーターを装備しており、冬場の車中泊にも強い。ベンチレーターやリヤクーラー、リヤヒーターと合わせて、オールシーズン対応の空調環境が整っている点も注目だ。
“移動する電源”としての高い電装性能
キャンピングカーにとって電源は命綱だ。「escort【WHITE HOUSE】」にはサブバッテリー、インバーター、走行充電システム、ソーラーパネルなどが標準装備されている。これに加えて、スペシャルオプションとして210Ahのリチウムバッテリーシステム(リン酸鉄リチウムイオン)を選択可能。
このリチウムバッテリーは、鉛バッテリー2台分の充放電能力をもち、さらにCTEKスマートパス(大電流走行充電器)とバッテリーモニターを組み合わせることで、最大6時間のクーラー稼働を実現する。電源を確保しづらいキャンプ地や車中泊スポットでも、電力の不安なく快適に過ごせるのは大きなアドバンテージだ。
キャンパーとしての基本装備も充実
ギャレー(流し)、冷蔵庫、電子レンジといった調理系設備も抜かりはない。上質な車中泊体験に欠かせない装備が、標準で搭載されている。加えて、ドライブレコーダーやバックカメラ、アルミホイール、フォグランプといったベース車の快適装備も抜かりなく搭載されているのは、ハイエースベースならではの強みだ。
escortは「大人の余暇」にふさわしいキャンパーだ
キャンピングカーというと“ファミリー向け”の印象が強いが、「escort【WHITE HOUSE】」はあえて大人2〜4名で使いこなす贅沢さが光る一台だ。常設ベッドの快適性、静音エアコンやリチウム電源の安定性、そしてラグジュアリーな空間設計──すべてが“余暇の質”を上げるために存在している。
書斎として、ホテルの一室として、趣味部屋として。クルマであることを忘れるような滞在体験が、あなたの旅を格別なものに変えてくれるはずだ。
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