
家族で車中泊旅を楽しみたいけれど、「本格的なキャンピングカーは大きすぎて普段の買い物や通勤で運転しづらい」と購入をためらっていないだろうか。一方で、一般的なミニバンでの車中泊では「室内が狭くてくつろげない」「生活感が出すぎてリラックスできない」という不満も少なくない。日常の使い勝手と、高級ホテルのような極上の快適性を見事に両立させた、驚きの車中泊モデルが存在する。見た目はノーマルの乗用車でありながら、一歩車内に入ると圧倒的な居住空間が広がる魔法のような一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
大人気ファミリーカーを極上キャンパーへカスタマイズ
キャンピングカー選びにおいて、多くのファミリー層が直面するのがベース車両のサイズと安全性という課題だ。休日のレジャーには大型のキャブコンバージョンが魅力的だが、平日の市街地での運用や万が一の事故を考えると、運転のハードルが高くなってしまう。
そこで絶大な支持を集めているのが、キャンピングカーの販売やカスタムを手掛けるロッキー2が製作した「ステップワゴンMV」だ。ベース車両として採用されているのは、最大8名乗車が可能でファミリー層から圧倒的な人気を誇るホンダのステップワゴンである。
最大の魅力は、乗用車としての高い安全性能と快適な乗り心地をそのまま享受できる点にある。エンジンがフロントに配置されているため、万が一の衝突時にもクラッシャブルゾーンがしっかりと確保されており、大切な家族を乗せての長距離ドライブも安心だ。
外観はノーマルのステップワゴンとほとんど変わらず、ルーフの上にエアコンの室外機がスマートに設置されている程度である。街中に自然に溶け込むため、目立ちすぎるキャンピングカーに抵抗があるユーザーにとっても、まさに理想的なステルス仕様と言えるだろう。
掘りごたつ式でくつろげるホテル級のリビング空間
リアのハッチを開けて車内に足を踏み入れると、乗用車の面影は消え去り、洗練された高級ホテルのような空間が広がっている。木目を活かした美しいサイドシェルフや家具類が、車内を深いリラックス効果で包み込んでくれる。
居住空間のレイアウトも秀逸だ。フルフラットに敷き詰められたベッドマットの中央部分を取り外すことで、足を下ろしてくつろげる掘りごたつ式の対面リビングとして利用できるよう計算されている。
スライド式のレールに取り付けられたフレキシブルテーブルを挟み、大人同士が向かい合って座っても、足元には十分なゆとりが確保されている。ステップワゴンの高い室内高の恩恵により、大人が座っても頭が天井につくことはなく、窮屈さを一切感じさせない設計が見事である。
取り外したテーブルは車内の後方へ移動させることも可能であり、バックドアを開け放って外の景色を楽しみながらコーヒータイムを満喫する、といった優雅な使い方も楽しめる。
全長2100mmの広大なベッドと充実の電装系
就寝時には、テーブルを収納してマットを展開することで、全長2100mm、前方の幅1250mmという、大人2名が手足を伸ばしてゆったりと眠れるクラス最大級のベッドスペースが出現する。ベッドフレームはストッパーでしっかりと固定されるため、寝返りを打ってもきしみ音が少なく、朝まで熟睡できる極上の寝室として機能する。
車中泊の質を劇的に高める電装装備の充実ぶりも、ステップワゴンMVの大きな魅力である。車内後部の左側には、5連のスイッチパネルやボルトメーター、USBポート、そしてAC100Vコンセントといった電源類が使い勝手良くまとめられている。
室内照明は前部と後部でスイッチが独立しており、読書灯として片方だけを点灯させるといった細やかな使い分けが可能だ。床下には110Ahのサブバッテリーや走行充電システム、1500Wのインバーターがスッキリと格納されており、居住空間を一切圧迫しない工夫が素晴らしい。
真夏も快適なルーフエアコンと日常使いへの高い適性
そして特筆すべきは、オプションで用意されているルーフエアコンの存在だ。サブバッテリーの電力で駆動するため、エンジンを停止した状態でも冷房を使用することができ、夏の過酷な熱帯夜であっても車内を涼しく快適に保つことができる。静音性にも優れており、リモコンで手軽に温度調整が行えるのは非常に頼もしい。
ルーフ上に設置される室外機のカバーは、車体のボディカラーに合わせて塗装してもらうことも可能であり、ビルダーの細部へのこだわりと技術力の高さがうかがえる。
ステップワゴンMVは、キャンピングカーとしての機能性を極めながらも、日常の使い勝手を一切犠牲にしていない。車中泊用のベッドマットは簡単に取り外すことができ、2列目の純正シートを起こせば、あっという間に5人乗りの乗用車へと早変わりする。
通常のシートであるためチャイルドシートの装着も容易であり、子供の送迎や週末の買い物といったファミリーカーとしての役割を完璧にこなしてくれる。価格は税込480万4400円からとなっており、日常と非日常をシームレスに繋ぐ最強のミニバンキャンパーとして、十分に納得のいくコストパフォーマンスを誇っている。週末のたびに極上のホテルルームとともに旅へ出かけられる、夢のような一台だ。
写真ギャラリー
ROCKY2のステップワゴンMV。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
バブル景気に沸く中誕生した、日産の大ヒット高級車 1980年代までの日本において、3ナンバーの普通自動車は贅沢品の象徴であった。当時の自動車税制では、税額が4万円以内に抑えられていた排気量2L未満の小[…]
最後発自働車メーカー「ホンダ」が変えた、マイカーへの意識 どの国においても、モータリゼーションの黎明期に誰もが憧れるのは、堂々としたステイタスを表現できるセダン。日本においても、初代サニーやカローラを[…]
ドライバーの不満を解消! かゆい所に手が届くアイテムが登場! 普段、何気なく使用しているクルマの車内、よく見てみると、活用できそうなスペースが…。今回は、ダイハツの人気軽自働車、ミライース用の多機能ア[…]
1970年代、トヨタとの販売競争で勝利を収めた「セドリック・グロリア」 日産の「セドリック(3代目・230系)」が発売されたのは1971年です。「グロリア」とは姉妹車として認識されている人が多いと思い[…]
2代目から大きな進化を遂げて誕生した、3代目シビック “ワンダー”こと3代目の「シビック」が誕生したのは1983年のことです。初代の面影を多く引き継いだ2代目から、世界市場戦略車としてプラットフォーム[…]
最新の投稿記事(全体)
「BNR34型 ニッサン スカイラインGT-R」は、どのようなモデルなのか? 1999年1月、ニッサン スカイラインGT-Rは、R34型(正確にはBNR34型)にフルモデルチェンジした。ちなみに先代モ[…]
トヨタ:マークII・チェイサー・クレスタ[X70](デビュー:1984年8月) ボディカラーは”スーパーホワイト”ほぼ一択”だ。ワインレッドの内装に、柔らかなシート表皮。どこか昭和のスナックを思い起こ[…]
大人気ファミリーカーを極上キャンパーへカスタマイズ キャンピングカー選びにおいて、多くのファミリー層が直面するのがベース車両のサイズと安全性という課題だ。休日のレジャーには大型のキャブコンバージョンが[…]
日本の「伝統工芸」と最新「モータースポーツ」の魅力が融合した特別な911 国内限定30台のデリバリーとなる「911 GT3 アルティザンエディション」は、ポルシェ公認のカスタマイズ部門「ポルシェ・エク[…]
免許不要で乗れる!? 荷物も積める新発想の4輪EV ブレイズ イーカーゴは、同社初となる4輪タイプの電動モビリティ。最大の特徴は、「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」に分類されることだ。この区分[…]
- 1
- 2























