
●文:月刊自家用車編集部
カローラクロス:モデル概要
カローラシリーズ初のSUVとして登場。「アーバン・アクティブ」をデザインコンセプトとした、SUVらしいダイナミックで洗練されたエクステリアデザインを採用。ガラス面やフロント/リヤのランプに伸びやかなデザインを施したアッパー部と、ワイドで安定感のあるバンパー部のデザインのコントラストにより、都会的かつ堂々としたプロポーションに仕上げられている。
パワートレーンは、ハイブリッド車とガソリン車をラインナップ。ともにカローラクロスに最適化したエンジンを採用。ハイブリッド車はクラストップレベルの26.2km/Lを達成したほか、4WDのE-Four車を設定している。
熟成を重ねたGA-Cシャーシに軽量かつ高い剛性を持つボディ骨格を採用。サスペンションはフロントはマクファーソンストラット式、リヤ側は2WD車に専用開発のトーションビーム式、4WD車はこれまでのカローラシリーズで熟成を重ねたダブルウィッシュボーンを採用している。大型ゴムブッシュやアーム類の取り付け位置を最適化したことで、安定性と応答性を高次元で両立。凹凸した道でも路面をしっかりと捉えるしなやかで上質な走りを実現している。
最小回転半径はクラス最小レベルの5.2mを実現。狭い道や駐車場などでの取り回しも軽快に行えることも魅力のひとつだ。
カローラ クロス:スタイリング&パッケージ
緩い前下がりのベルトラインや、クォーターウインドウまで連続するサイドウインドウグラフィック、リヤエンドからピラーへの繋がりなど、基本的なシルエットはカローラシリーズと共通したイメージだが、その雰囲気を壊すことなく実用的なSUVスタイルを実現している。パッケージングは全幅が1825mmと少しワイドサイズで、カローラシリーズの中では最大サイズ。ただ最小回転半径は5.2mと取り回しの良さは健在だ。
【トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ 2WD(2021年9月モデル)】 ●全長×全幅×全高(mm):4490×1825×1620 ●ホイールベース(mm):2640 ●車両重量(kg):1410 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1797cc直4DOHC(98ps/14.5kg-m)+モーター(53kW/163Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:26.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)/トーションビーム式(R) ●タイヤ:225/50R18
都会的な上質感と堂々としたたくましさを具現化した「アーバン・アクティブ」デザインを採用。ボディカラーは全8色が設定される。全高1620mm/最低地上高160mmとカローラシリーズ最大の高さを確保。後席にも十分なスペースを確保した正統派SUVにふさわしいパッケージだ。
国内仕様車のフロントマスクはキーンルックに大型グリルを組み合わせた精悍さを際立たせたマスクデザインを採用。収納BOXなどが装着できるボディ一体タイプのルーフレールは、SとZに標準装着される。
カローラクロス:インパネ内装&シート
コラム高から上のインパネの造形は他のカローラ系とほぼ同じ。高くなったカウルトップやベルトラインに合わせて全面部の傾斜を強めたり、センターコンソール部との繋ぎ方を変更しているが、一目でカローラ系と認識できるデザインは踏襲されている。
後席格納は一般的な分割シングルフォールディングを採用。格納時の床面段差が大きくなるのが玉にキズだが、深さに余裕があり、後席使用時の荷室容量はクラストップレベルの487Lを実現している。
頭上空間にゆとりをもたせた実用的なキャビンパッケージ。センターコンソール上にはディスプレイオーディオが配置される。
コンパクトSUVとしては最大級のスペースを確保。もっともベーシックなG”X“を除いたグレードのフロントシートは、サイドサポートを備えるスポーティシートを採用。また、Zにはヒーター機能も標準装備される。
カローラクロス:パワートレーン
サスチューンは乗り心地を強く意識した味付け。切れ味を勝負するタイプではないが、高速安定性も高く、ツーリングモデルとして高い資質を持っている。初期型のガソリン車はパワー不足が否めず、ハイブリッド車に比べると見劣りしてしまうが、一部改良後の2Lガソリン車は、最新のダイナミックフォースエンジンを採用したことでハイブリッド車との差が大きく縮まっている。
カローラクロス:モデル変遷
【2021年9月:初期型】カローラクロスを発売
パワートレーンは1.8Lガソリン車と1.8Lハイブリッド車を選択可能。駆動方式はガソリン車は2WD(FF)のみになるが、ハイブリッド車には2WDとリヤに駆動モーターを配置する4WDも選ぶことができる。グレードはガソリン車は4タイプ、ハイブリッド車は3タイプが用意される。発売当時の月販目標台数は4400台とされていた。
●カローラクロス グレードバリエーション&価格【2021年9月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
1794cc直4DOHC 140ps/17.3kg-m | G“X”【CVT】 | 199万9000円/- |
G【CVT】 | 224万円/- | |
S【CVT】 | 240万円/- | |
Z【CVT】 | 264万円/- | |
1794cc直4DOHC 98ps/14.5kg-m + モーター(フロント) 53kW/163Nm | ハイブリッド G【電気式CVT】 | 259万円/- |
ハイブリッド S【電気式CVT】 | 275万円/- | |
HYBRID Z【電気式CVT】 | 299万円/- | |
1794cc直4DOHC 98ps/14.5kg-m + モーター(フロント) 53kW/163Nm モーター(リヤ) 5.3kW/55Nm | HYBRID G【電気式CVT】 | -/279万9000円 |
HYBRID S【電気式CVT】 | -/295万9000円 | |
HYBRID Z【電気式CVT】 | -/319万9000円 |
【2023年10月:最新型】一部改良を実施。パワートレーンを刷新するとともに、安全装備・コネクティッド機能を充実
ハイブリッド車は、すべての電動モジュールを刷新した1.8Lハイブリッドシステムに変更。ガソリン車は、従来の1.8Lエンジンから、低燃費・高出力を実現する2.0Lダイナミックフォースエンジンに変更されている。
メーターパネルをフル液晶化し、視認性が向上した12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイをZグレードに標準装備している。
ボディカラーは新色マッシブグレーを含む8色を設定。ハイブリッド車にはツートーン3色を追加している。
さらに安全支援システムを進化。ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストや、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車および右左折時の対向方向からの横断歩行者検知機能を追加するなど、Toyota Safety Senseの機能が拡大されている。
車載ITのコネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオを設定したほか、10.5インチの大画面ディスプレイ、車内Wi-Fiを設定。
●カローラクロス グレードバリエーション&価格【2023年10月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
1986cc直4DOHC 170ps/20.6kg-m | G“X”【CVT】 | 218万4000円/- |
G【CVT】 | 241万円/- | |
Z【CVT】 | 290万円/- | |
1794cc直4DOHC 98ps/14.5kg-m + モーター(フロント) 70kW/185Nm | HYBRID G【電気式CVT】 | 276万円/- |
HYBRID S【電気式CVT】 | 298万円/- | |
HYBRID Z【電気式CVT】 | 325万円/- | |
1794cc直4DOHC 98ps/14.5kg-m + モーター(フロント) 70kW/185Nm モーター(リヤ) 30kW/84Nm | HYBRID G【電気式CVT】 | -/296万9000円 |
HYBRID S【電気式CVT】 | -/318万9000円 | |
HYBRID Z【電気式CVT】 | -/345万9000円 |
カローラ クロス:最新値引き額/納期情報(2024年7月)
- 車両本体目標値引き額:22万円
- 納期の目安:6〜8か月
- リセール予想:B
納期の長さが最大のネック。ディーラーサイドとしては納期の遅れを値引きでカバーという意識が強まっているようで、値引きは拡大傾向が強まってきているが、最近はハイブリッド車に加えてガソリン車の納期も長くなってきた。ガソリン車でも半年ぐらいかかると言われるケースが多くなっている。
攻略のポイントは、経営資本が異なるトヨタディーラーを競わせる同士競合だ。キックスやヴェゼルなどの他社のライバルたちと競わせるよりも、最初から複数のトヨタディーラーで商談を進めて一番安いところで購入すると伝えるのがオススメ。車両本体と付属品の合計値引きが25万円を超えたら合格だ。
最新の関連記事(カローラクロス)
追加されたメーターデザイン「Classic Gear」と「Metallic」 トヨタが23年に発売した新型クラウン(スポーツ)とカローラクロスの一部改良モデルにはいずれも、既定のメーターデザインとして[…]
1.8Lハイブリッドシステムも、最新世代にアップデート 今回、実施された一部改良で、ガソリン車が従来の1.8Lユニットからダイナミックフォースエンジンの2Lユニットへ変更。ハイブリッド車の1.8Lハイ[…]
第5世代トヨタ・ハイブリッド・システムの採用で、バッテリーの搭載位置変更で荷室容量を拡大 今回発表された北米向け「カローラクロスハイブリッド」は、日本向けのノア/ヴォクシーから採用された第5世代トヨタ[…]
【キャビン&荷室】快適性や実用性はほぼ互角。車載ITの設定に少し違いはあるが、装備面も同等と考えていい ともにコンパクトSUVとしては余裕十分なキャビンで、内装加飾もクラス平均以上の仕上がり。視認性を[…]
期待や時代のニーズを超える「プラスα」のクルマを目指して 今回の改良では「お客様に寄り添い、進化を続ける」という使命のもと、カーボンニュートラルや交通事故低減への貢献、より快適で便利なカーライフを念頭[…]
最新の関連記事(新車カタログ(国産車) | トヨタ)
アルファード:モデル概要 4代目となるアルファードは「性能を世界基準に昇華させる」を開発テーマに定め、プラットフォームを刷新、単なるミニバンから“高級サルーン”を意識したクルマになっており、振動や騒音[…]
RAV4 モデル概要:プレミアムキャラの強化でイメージ一新、トヨタ自慢のミドルSUV 現行型は5代目となるモデルで、国内向けのモデルとしては2005年に登場した3代目以来の復活になる。その開発コンセプ[…]
カローラ:モデル概要〈TNGA技術が注がれた新世代のベーシックセダン〉 カローラは、1966年に誕生して以来、世界150以上の国と地域で、販売累計台数が4750万台を超えるロングセラーモデル。12代目[…]
MIRAI:モデル概要|環境車から、クルマの本質で勝負できる 上質なセダンに進化 水素を燃料とするFCV(燃料電池自動車)は、ゼロエミッションでありながら短い燃料充填時間で長い航続距離を可能とす[…]
プリウス:モデル概要 プリウスは、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生。以来、圧倒的な燃費性能を備えた新世代のエコカーとして、ハイブリッドの普及を牽引してきたモデルだ。 2023年に登[…]
人気記事ランキング(全体)
シートサイドのスペースを有効活用できるUSB付きポケット 車のシートサイドや、シートとコンソールにある隙間などはデッドスペースになっていることが多い。小銭などの小物を落としてしまうことも多く、一度落と[…]
ベース車両はスズキ エブリイワゴン 今回紹介する軽キャンパーのベースとなったのは、スズキの「エブリイワゴン」。コンパクトさと高い実用性で、キャンパーから注目を集めている車両だ。イベントで展示されていた[…]
ただものじゃない、激シブかっこいいプロボックス プロボックスは街でよく見かけるポピュラーな、トヨタの商用車のひとつ。そんな地味な、いかにもビジネス用途一点張りのプロボックスがSUV風の外観と、おしゃれ[…]
余裕のある室内空間を効率良く活用 ホンダのステップワゴンは、最大で8名が乗車可能な人気のミニバンで、現行モデルは初代から数えて6代目となっている。スタイリッシュなエクステリアデザインと、実用性の高さか[…]
世界で1台の車がつくれるStyle_iDの豊富なメニューでカスタマイズ ジャパンキャンピングカーショー2025のホワイトハウスのブースで展示されていた1台が、フリードクロスター HV メトロキャンパー[…]
最新の投稿記事(全体)
純正マットの上に敷くだけで、プラスα効果を実感 クルマのフロアマットって、車内の泥汚れなどを防いでくれる必需品だけど、汚れ防止だけじゃない進化したフロアマットがあるのをご存知? 実はこれ、エーモンから[…]
「アルピーヌ A110 R 70」:世界770台限定の「R」バージョン最終仕様 今年でブランド創立70周年となるアルピーヌ。今回実施されるラインナップ変更では、ブランド設立を記念した「アルピーヌ A1[…]
バッテリーEVにも、スバルらしいアクティブイメージをプラス 発表された新型「トレイルシーカー」は、スバルのグローバルバッテリーEVとしては2番目に登場するe-SUVモデル。スバルとトヨタが、互いに強み[…]
新商品を発売前に公開して消費者の興味を引きつける、効果的なマーケティングであるのは間違いない そもそもティザーとは、英語のTeaserで「焦(じ)らす」という意味がある。ここでいうティザー・キャンペー[…]
軽トラックTN360のボディを取り去ったフルオープンマルチパーパスカーだった ホンダZの誕生と時を同じくして鮮烈なデビューを飾ったのが、個性の塊とも言えるバモスホンダである。ベースとなっているのは、主[…]
- 1
- 2