
●文:月刊自家用車編集部
カローラツーリング:モデル概要
スポーティーなデザインと走る喜びを追求した12代目カローラ。そのワゴンモデルとなるのが「カローラツーリング」だ。先代までは「カローラフィルダー」と呼ばれていたが、現行型からモデル名が一新。なお、カローラフィルダーはビジネスカーとしての人気が高く、一部改良されたのちに併売されている。
プラットフォームは、海外のカローラと同じTNGAプラットフォーム(GA-C)を採用しているが、国内仕様車は、道路が狭い国内事情に合わせ、全幅のサイズを配慮した国内専用設計モデルとなる。これにより低重心なスポーティーなスタイリングを手に入れたほか、走る楽しさや取り回しの良さも両立させている。
装備機能も最新モデルらしく充実。トヨタセーフティセンスの全車標準化もトピックスのひとつになる。さらに国内トヨタ初となるディスプレイオーディオを標準搭載することで、スマートフォンとの連携も強化。コネクティッドサービスも充実している。
カローラツーリング:スタイリング&パッケージ
ボディサイズはグローバルイメージを踏襲した3ナンバーボディ(全長4495mm/全幅1745mm)で、それぞれ先代モデルに対して+85mm/+50mmとなっている。前後のホイールフレアが張り出したダイナミックな造形でワイドなスタンスを強調し、フロントは大型台形のロアグリルフレームとメッシュグリルに統一することで力強くスポーティーなデザインを表現する。
HYBRID W☓B 2WD(2019年9月モデル) ●全長×全幅×全高(mm):4495×1745×1460 ●ホイールベース(mm):2640 ●車両重量(kg):1460 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1797cc直4DOHC(98ps/14.5kg・m)+モーター(53kW/163N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:25.6km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:215/45R17
カローラツーリング:インパネ内装&シート
キャビンは他のカローラ系と共通のデザインだが、荷室は荷室床面の高さが2段階に調節可能なリバーシブルデッキボードを設定することで利便性を強化。上段にセットし、後席を倒せば長い荷物の積載に便利なフラットなスペースが生まれ、下段にセットすれば、背の高い荷物の積載が可能になっている。デッキボードの裏面は樹脂製としタフユースに対応。ワゴンとしての実用性を高めたことも見どころのひとつだ。
カローラ ツーリング:パワートレーン
パワートレーンは、前世代よりもパワーアップ。ガソリン車もハイブリッド車も、ベースエンジンが1.5Lから1.8Lへとアップデート。さらにW×Bグレードのガソリン&マニュアル仕様には、1.2Lターボ(6速MT)も用意されている。また、ハイブリッド車はE-Four(電気式4WDシステム)も設定。加速時や雪道などの滑りやすい路面でスムーズに4WDへの切り替えが可能になるなど、走りの総合力も高まっている。
カローラ ツーリング:モデル変遷
【2019年9月:初期型】カローラツーリング発売開始。前モデルのフィルダーは併売モデルへ
パワートレーンは1.8Lガソリン車(NA)と1.8Lハイブリッド車に加え、1.2Lガソリンターボ車の3タイプ選択可能。1.2Lターボ車はワゴンモデルにしてはめずらしい6速MT車のみとなる。駆動方式はガソリン車はFFのみ、ハイブリッド車はFF車と4WD車(E-Four)を選ぶことが可能。グレードはガソリン車もハイブリッド車も3タイプが用意される。当時の月販目標台数は5400台とされていた。
●カローラツーリング グレードバリエーション&価格【2019年9月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
1797cc直4DOHC 140ps/17.3kg・m | G−X【CVT】 | 201万3000円/− |
S【CVT】 | 221万6500円/− | |
W☓B【CVT】 | 236万5000円/− | |
1196cc直4DOHCターボ 116ps/18.9kg・m | W☓B【6速MT】 | 245万8500円/− |
1797cc直4DOHC 98ps/14.5kg・m + モーター 72kW/185Nm | ハイブリッド G-X【電気式CVT】 | 248万500円/− |
ハイブリッド S【電気式CVT】 | 265万1000円/− | |
ハイブリッド W☓B【電気式CVT】 | 279万9500円/− | |
1797cc直4DOHC 98ps/14.5kg・m + 前後モーター フロント 72kW/185Nm リヤ 5.3Kw/55Nm | ハイブリッド G-X【電気式CVT】 | −/267万8500円 |
ハイブリッド S【電気式CVT】 | −/284万9000円 | |
ハイブリッド W☓B【電気式CVT】 | −/299万7500円 |
【2020年6月:特別仕様車】「G-X“PLUS”」を追加。同時に2Lエンジンを搭載する「2000 Limited」を500台限定で発売
特別仕様車 “2000 Limited”は、2Lエンジンを搭載する500台限定のモデル。Direct Shift-CVT(パドルシフト付10速スポーツシーケンシャルシフトマチック)との組み合わせで、発進から高速域まで力強くダイレクトな走りを実現しつつ、燃費はWLTCモード16.6km/Lを記録する。価格は262万200円。
トヨタ カローラツーリング 2000 Limited
【2020年10月:一部改良】ツートーンカラーを新設定
ハイブリッドS(ブラックマイカ×ダークブルーマイカメタリック)
【2021年4月:特別仕様車】アウトドアテイストをプラスした特別仕様車「ACTIVE RIDE」を500台限定で発売
特別仕様車「ACTIVE RIDE」は、アウトドアテイストを随所に効かせた内外装をプラスした500台限定モデル。パワートレーンは、2.0Lダイナミックフォースエンジンを搭載。発進用ギヤを追加し、全速域でダイレクトな走りを実現するDirect Shift-CVTが組み合わされた。足まわりも専用チューニングのサスペンションで差別化。価格は266万円。
特別仕様車“ACTIVE RIDE”。ツートーンのフロント/リヤバンパー、ロッカーモールやブラック塗装を施した17インチアルミホイールを採用している。ダークグレーメタリック塗装のルーフレールも装着される。
インテリアは、オレンジステッチをあしらったインストルメントパネル、ドアアームレスト表皮を採用。シートはサテンメッキ加飾が上質さを演出するファブリックスポーツシート(撥水加工付)になる。
【2021年7月:一部改良】ナノイーXを装備に追加
ウイルスや菌の抑制に効果があるOHラジカルを含む微粒子イオンを「ナノイー」の10倍量放出する「ナノイーX」を助手席側エアコン吹き出し口に設置(W×Bグレード、Sグレードにオプション)した。
【2021年11月:特別仕様車】カローラシリーズ・グローバル累計販売5000万台達成記念の特別仕様車を設定
カローラシリーズのグローバル累計販売5000万台を記念した特別仕様車「HYBRID W×B“50 Million Edition」(ベース車HYBRID W×B)を設定。
新たに設定したスレートグレーメタリック/アーミーロックメタリック/プレシャスメタルなどの各車特別色を採用。アルミホイールはマットブラック塗装になる。
フロントフェンダー左右に“50 Million Edition”専用ロゴデカール、運転席に除電スタビライジングプラスシート(ドライバーと周辺に溜まっている静電気をボディ全体に分散させて帯電量を軽減し、安定した車両挙動に貢献)を配置。ほかにも9インチディスプレイオーディオ/ブラインドスポットモニター+パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)を特別装備する。価格は288万4500円〜。
【2022年10月:一部改良】パワートレーン/安全装備/コネクティッド機能を刷新
ハイブリッド車は、すべての電動モジュールを刷新した1.8Lハイブリッドシステムを採用。ガソリン車は従来の1.8Lガソリンから1.5Lダイナミックフォースエンジン(NA)に変更。優れた燃費性能と走りの楽しさを追求している。
トヨタセーフティセンスも、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車および右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加。運転状況に応じたリスクの先読みを行い、歩行者/自転車/駐車車両に近づきすぎないよう、ドライバーのステアリング/ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストも追加されている。
車載ITも、コネクティッドナビに対応した8インチのディスプレイオーディオと10.5インチのディスプレイオーディオPlus(車載ナビ機能付)を設定。スマホアプリApple CarPlayはワイヤレスで利用可能になった。
【2024年4月:最新型】一部改良を実施。上級グレードの安全装備を強化
一部改良で、シートヒーター+ステアリングヒーター、ナノイーXをACTIVE SPORT/W×Bグレードに標準設定するなど、利便機能を強化。またスポーティーな専用内外装デザインの特別仕様車「ACTIVE SPORT」を新たに設定した。
特別仕様車「アクティブスポーツ」
●カローラツーリング グレードバリエーション&価格 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
1490cc直3DOHC 120ps/14.8kg-m | X【CVT】 | 210万8600円/- |
G【CVT】 | 233万4800円/- | |
W☓B【CVT】 | 256万8300円/- | |
1797cc直4DOHC 98ps/14.5kg-m + モーター 70kW/185Nm | HYBRID X【電気式CVT】 | 249万8600円/- |
HYBRID G【電気式CVT】 | 268万4800円/- | |
HYBRID W☓B【電気式CVT】 | 291万8300円/- | |
特別仕様車 ACTIVE SPORT【電気式CVT】 | 319万300円/- | |
1797cc直4DOHC 98ps/14.5kg-m + 前後モーター フロント:70kW/185Nm リヤ:30kW/84Nm | HYBRID X 【電気式CVT】 | -/269万6600円 |
HYBRID G 【電気式CVT】 | -/288万2800円 | |
HYBRID W☓B 【電気式CVT】 | -/311万6300円 | |
特別仕様車 ACTIVE SPORT【電気式CVT】 | -/338万8300円 |
カローラ ツーリング:最新値引き額/納期情報(2024年9月)
- 車両本体目標値引き額:23万円
- 納期の目安:2〜7か月
- リセール予想:C+
車両本体と付属品の値引き合計が25万円を超えたら合格ライン。競合相手のライバルとしてはインプレッサが鉄板の相手だが、商談の最後に経営資本が異なるトヨタディーラー同士の争いに持ち込むと、良い条件を引き出しやすい。納期はガソリン車が2〜3か月、ハイブリッド車が3〜4か月が目安。ただし、4月に導入された特別仕様車「アクティブスポーツ」は人気が集中しており、納期が長め。半年以上はかかる状況だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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