「秋の日は釣瓶落とし」急に暗くなる「魔の時間帯」に注意!
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
徐々に秋の風情を感じるようになってきましたが、夕方になると突然暗くなって驚いたことのある人もいるのではないでしょうか。
この瞬時に訪れる暗さは”秋の日は釣瓶落とし”という古典的な日本語で形容されています。
そしてこの特徴的な時期には、クルマの運転にとってもさまざまなリスクが潜んでいるのですが、いったいどのような特徴があるのでしょうか。
「秋の日は釣瓶落とし」、一体どういう意味?
釣瓶(つるべ)とは古くから日本で使用されていた井戸の水を汲む道具のことで、その急激に落ちる様子が、秋の短い夕暮れを表現するのに使われています。
この時期は日照時間が短くなり、とくに夕方の暗さが急激に訪れることが一般的です。
日本の四季では最も日照時間が長い夏至を境に、少しずつ太陽が出る時間が短くなっていきます。そして夏至付近では夜の19時を過ぎても明るかった空が、冬になれば17時の時点で真っ暗になります。
この日照時間の変化は、とくに秋に顕著に現れます。
数分前までは綺麗な夕陽がさしていたのにも関わらず、急激な夜が訪れる、この現象が”秋の日は釣瓶落とし”と表現されているのです。
急速な日暮れに向かう薄暮(はくぼ)時間は「魔の時間」と形容されることもあり、一般的な生活に影響を及ぼすほか、運転時にもさまざまな弊害を生みます。
また薄暮時間には急速な明るさの変化は、運転者の視界に大きな影響をもたらすため注意が必要です。
「薄暮時間帯」における事故発生状況や対策はどうなっているの?
秋の”薄暮時間帯”は、運転者の視認性の低下/認識遅れが原因で事故が増加することが知られています。
この時間帯の事故には衝突/接触が多く見受けられます。
対向車との衝突では、低い太陽の影響で視界が悪化しやすいこと/急な暗転により対向車のライトがより眩しくなってしまうことが影響しています。
視界の悪化によって視認性が大きく低下し、通常であればすぐに気付けるような危険に対して認識が遅れてしまうのです。
また、信号無視による交差点事故も多い傾向にあります。
対向車との衝突と同様に、薄暗い状況下で信号の確認が遅れてしまうことから、信号無視につながってしまうことがあります。
また、西陽が厳しくなる日没の直前には擬似点灯という現象が見られます。
擬似点灯とは、旧式の電球が埋め込まれている信号機に太陽光が当たった時に、赤青黄のすべてが光って見えてしまうことを指します。
信号機にLEDが導入されてからは数を減らしつつありますが、まだすべての信号がLED化されているわけではありません。
擬似点灯によって、実際には赤なのに青が光っていると勘違いしてしまうことで、信号無視につながってしまうことがあるのです。
また、視認性の低下が要因となって、歩行者がいることに気づかなかった/認識が遅れ止まることができなかったという歩行者への衝突事故も多いようです。
では、魔の時間帯と呼ばれる薄暮時間を安全に走行するためには、どういった対策を講じればよいのでしょうか。
まず1つ目は、早めのライト点灯です。
薄暮時間は急激に陽が落ちるため、早め早めにライトを点灯しておくことが大切です。
また運転者自身の視認性を高めることはもちろん、歩行者やほかのクルマに対して自分がいることを知らせることで、事故を未然に防ぐことができます。
2つ目は速度を出しすぎないことです。
夕暮れ時には視界が悪化するため、特に速度に注意した運転が求められます。中でも交差点/人通りの多い場所では十分な注意が必要です。
速度が早くなるごとに、静止している状態に比べ運転者自身の視力が低下するため、危険な状況の発見が遅れてしまいます。
また、気づいてからブレーキをかけるまでに進む空走距離も速度に応じて長くなるため、速度が速いとその分事故に発展しやすいです。
一般的に、ブレーキをかけるまでにはおよそ1秒を要するといわれているため、薄暮時間の走行は空走距離を想定したうえで速度を調節しましょう。
秋の魔の時間帯である”薄暮時間”は、クルマの運転において非常に注意が必要な時間帯です。
“秋の日は釣瓶落とし”と形容されるほど日が落ちるのが早いこの時間帯は、事故が多発していること/その事故には視認性の低下などの要因があることを正しく認識しておく必要があります。
急な暗さの変化に適切に対応するために、より一層の安全運転を心がけましょう。
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