
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
日本には、ドライブの楽しさを倍増させる”メロディーロード”という道が全国各地に存在します。
メロディーロードを走ると、運転中に音楽を奏でるという楽しい体験ができます。
ただ走るだけで音楽が聞こえるこの道は、どのようにしてその魅力を生み出しているのでしょうか。
また、メロディーロードは運転に対してどのような役割を果たしているのでしょうか。
走るだけで音楽が流れる!メロディーロードの仕組みとは
メロディーロードとは、一定速度で走るだけで音楽が聞こえてくる道路、またはその舗装技術を指します。
また、ただ音楽が流れるだけではなく交通環境に対してさまざまな役割を果たしています。
その役割とは、ドライバーが設定速度通りに走ることで事故が抑制されることです。
メロディーロードで正しく音楽を奏でるためには、一定の速度を維持しなければならないため、自然に速度超過を抑制する役割があります。
また、音楽によってドライバーの眠気を妨げるという効果もあります。
加えて観光資源の役割も果たしており、メロディーロード目当てで観光を楽しむという観光客も少なくありません。
その土地ならではの音楽を取り入れることで、観光客により楽しんでもらいたいという狙いもあるようです。
また、メロディーロードの溝には排水を促進してハイドロプレーニング現象を抑制する効果もあります。
有名なメロディーロードのひとつ琵琶湖大橋では、滋賀県民には馴染みの深い「琵琶湖周航の歌」が流れる。
このようにさまざまな役割を果たしているメロディーロードですが、いったいどのような仕組みで音楽が流れるのでしょうか。
仕組みとしては、まずアスファルト道路の路面に、特定の間隔と深さで切削された特殊な横方向の溝を設置。
そして溝の上を車両が通過する際に、タイヤと路面の間で発生する摩擦音を利用することでメロディーが奏でられるというものです。
この舗装技術は日本で発明され特許として登録されており、メロディーロードという名前も商標登録がされています。
ちなみに、日本だけでなく世界各国でメロディーロードの技術が採用されており、世界ではミュージックロードという名称で広く知られているようです。
メロディーロードはどこに設置されているの?どんな曲が流れる?
2023年12月現在、日本全国に設置されているメロディーロードの数は37ヶ所。
過去には、群馬県と長野県で合わせて4つのメロディーロードが設置されていましたが、現在では撤去されてしまいました。
現在残っているメロディーロードは北海道から沖縄まで多岐にわたり、全17都道府県に設置されています。
たとえば北海道北斗市のきじひき高原メロディーロードでは、「赤とんぼ」という曲が流れます。
これは、赤とんぼの作詞家である三木露風が北斗市のトラピスト修道院に講師として赴任した際に作詞した曲であることから設定されているようです。
きじひき高原メロディーロードでは童謡「赤とんぼ」が流れる。
また鹿児島県南九州市の鹿児島県道17号指宿スカイラインでは、シンガーソングライターの長渕剛さんが鹿児島県出身であることから「乾杯」という曲が流れます。
そして、愛知県豊田市の国道257号メロディートンネルでは「どんぐりころころ」が流れます。
これは、最寄りの道の駅である”どんぐりの里いなぶ”にちなんで採用されているようです。
このように全国各地のメロディーラインでは、その土地にゆかりのある曲を聴くことができます。
メロディーロードには単なる道路を超え、ドライブを文化的な体験へと昇華させる魅力があります。
音楽を通じて新しい発見や喜びを提供し、地域の文化や歴史を感じる機会を創出しているほか、交通環境に対しての好影響も複数あるようです。
日本各地に点在するこれらのメロディーロードを訪れ、地域独自の音楽を楽しむことで、旅の思い出がさらに豊かなものになるかもしれません。
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