
4WDを磨いてきたスバルの中でもSUV純度が最も高いのがフォレスターだ。タウンユースだけではもったいない。旅にレジャーに、行動範囲を拡げてくれるのが醍醐味だ。今回は都会の喧噪を逃れて少々足を延ばし、その走りをあらためて味わった。
●文:川島茂夫 ●まとめ:月刊自家用車編集部 ●写真:奥隅圭之
今回の試乗車…フォレスター スポーツ ●車両本体価格:330万円 ●ボディカラー:カスケードグリーン・シリカ
■主要諸元(フォレスター スポーツ) ◎全長×全幅×全高:4640×1815×1715 〜1730㎜ ◎ホイールベース:2670㎜ ◎トレッド(前/後):1565 / 1570㎜ ◎最低地上高:220㎜ ◎車両重量:1570 〜1660㎏ ◎最小回転半径:5.4m ◎パワートレーン:1995㏄水平対向4気筒DOHC直噴ターボ ◎最高出力/最大トルク:130kW(177PS)/ 300Nm(30.6㎏·m) ◎トランスミッション:CVT ◎燃料タンク容量:63ℓ(無鉛レギュラーガソリン) ◎WLTCモード燃費:13.6㎞/ℓ ◎タイヤサイズ:225 / 55R18(オールシーズンタイヤ)
快適な走りと行き届いた装備が”もっと先へ”と誘う
初代は1997年に登場し、オン/ラフロード性能の高レベルでの両立やアウトドアレジャーに適したキャビン設計を特徴にしていた。現行型で5代目となるが、初代が掲げた基本コンセプトを護り、進化発展したのを実感する。
高いアイポイントと見晴らし良いウインドウ開口を備え、頭上もヒザ周りも余裕がある。荷室は平面寸法も高さもたっぷり確保。悪路走行後も裾汚れを気にせず乗降できるドア設計や、4WDシステムには悪路向けに「雪上/ダート」と「深/泥濘」の2モードを備えたX-MODEを採用。最低地上高はクラス最大級の220㎜。長距離走行をストレスなくこなすための信頼のアイサイトは最新型。まさにアウトドアレジャーを堪能するためのスペシャリストといった内容だ
新たな魅力として5代目から追加されたグレードが「スポーツ」だ。レヴォーグでデビューした新世代エンジンの1.8ℓ直噴ターボを搭載するとともに、サスチューニングも専用設定として走行性能の向上を図っている。ただし、フォレスターの基本コンセプトを損なう部分は皆無。スポーツと聞けばローダウンのハードサス仕様を想像するが、最低地上高も含めた悪路対応の寸法諸元はe-BOXER車と共通である。
サスチューンは高速での落ち着きと山岳路での馴染みのいい扱いやすさを重視。”いなし”の巧みさを基本としたフットワークなので前後席ともに乗り心地もおだやか。
そこに直噴ターボだ。ターボらしい伸びやかな加速も魅力のひとつだが、NA3ℓ級の最大トルクを活かした余裕と扱いやすさも印象的。平地巡航では1500回転、加速では緩やかなダウンシフトを併用するが、繋がりのいい回転変化も伸びやかなドライブフィールを後押し。エコ時代のファントゥドライブの妙味といった感じだ。電動技術を用い先進感のあるドライバビリティを示すe-BOXER車も魅力的だが、スポーツが示した全天候全路面対応ツーリング性能と良質なファントゥドライブは、スバルの新しい走りの象徴といっても過言ではない。
最新装備と充実したアウトドア機能を備える
SUBARU フォレスター
●価格:293万7000 〜330万円 ●発表年月(最新改良):’18年6月(’21年8月)
シンメトリカルAWDが主流のスバル車の中でも、SUVの基幹車種として最もアウトドア寄りのポジションを占める。2ℓ+モーターのe-BOXERと1.8ℓ直噴ターボをラインナップ。この8月にデザインやアイサイトをはじめとする機能装備のアップデートを実施した
頼もしいパワートレーン
ハイブリッドとターボの2本立て
パワートレーンは水平対向4気筒ボクサーエンジン+リニアトロニックCVT。e-BOXER車は状況に応じた変速制御を行うe-アクティブシフトコントロールを標準搭載、1.8ℓ直噴ターボ(写真左)のCB18エンジンも選べる。
SUVならではの使い勝手
遊び道具もしっかり積める
スクエアな荷室は容量509ℓ(スポーツは520ℓ/VDA法)。6:4分割可倒式の後席を格納するとフラットフロアに。なお、タープ等を結べるロープホール付きルーフレールを標準装備し、パワーリヤゲートをOP設定する。
スバル自慢の4WDシステム
安全·快適な運転支援
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