バッテリーEV、トヨタSUV「bZ4X」のソフトウェアアップデートを2023年5月以降に実施。既納車及び今後生産予定車にも適用

トヨタ自動車(株)は、2023年4月22日にバッテリーEV「bZ4X」の性能アップデートを発表した。その内容はユーザーからの指摘に対しての改善で、急速充電/メーター上の航続距離/メーター表示に対するアップデートが中心となる。アップデート開始は2023年5月以降に予定。具体的な時期や実施方法については別途案内されることになっている。

●文:月刊自家用車編集部

急速充電性能や実航続距離を改善。さらに充電容量のメーター表示でパーセント表示が可能に

日本国内では2022年5月から販売が開始されているバッテリーEV・SUVのトヨタ「bZ4X」。SUBARUからは兄弟車の「ソルテラ」が発売されており、SUBARUと共同開発された新開発のバッテリーEV専用プラットフォームを採用。SUBARUが培ってきたAWDへの技術や知見を盛り込んだ前後独立モーター駆動式AWDを採用している。

アップデート前のメーター表示。航続可能距離のみ表示される。

アップデート後のメーター表示。航続可能距離の下に残バッテリー量がパーセント表示される。

今回のアップデートは、ユーザーからの指摘や問い合わせに対応して行われるものだ。その中で、3つの指摘に対して対応したものとなる。まず1つ目が「1日あたりの急速充電回数とSOC(State Of Chargeの略称で充電率や充電状態を表す指標)80%から100%までの充電時間の長さ」。2つめが「メーターで残航続距離0㎞になるタイミングが早い」。そして最後が「充電容量表示のわかりずらさ/エアコン使用時における航続距離の大幅減少」だ。

「1日あたりの急速充電回数とSOC80%から100%までの充電時間の長さ」については、バッテリー劣化抑制のためSOC80%以上の急速充電速度を制限していたが、今回のアップデートでは1日あたりの急速充電によるフル充電回数を現状の2回程度から約2倍に変更するという。

「メーターで残航続距離0㎞になるタイミングが早い」という指摘については、トヨタでは電欠時に即時走行不能にならないように、メーター上の航続可能距離が0㎞であっても余裕を持って順伝場所を探せるようにメーターには表示されない航続可能距離(バッファ)を多めにとってきたが、アップデート後は航続可能距離が0㎞になるタイミングを遅らせることで、可視化される航続可能距離が増加する。ただし、実際の航続可能距離が増えるわけではないので注意が必要だ。

最後の「充電容量表示のわかりずらさ/エアコン使用時における航続距離の大幅減少」については、メーター表示の改善でアップデートを行う。トヨタではガソリン車と同じ充電量がひと目で分かる表示が適切と判断していたそうだ。また、大きな電力を消費するエアコン使用時は、実際のエアコン電力消費量よりも多めに消費する計算で残りの航続可能距離を表示していたという。アップデート後は、走行中/充電中を含み充電容量をパーセント表示としたほか、エアコン使用時の航続可能距離もより実態に合わせた表示に変更される。

このような細かいアップデートは既納客となるすでに納車されたユーザーにとっても嬉しいものだ。SUBARU「ソルテラ」にも同じスケジュールでソフトアップデートが提供される予定で、「bZ4X」と同じく既納車及び生産予定車にも提供される。このようなアップデートは、今後はバッテリーEVだけでなく、他のラインナップにも広がることに期待したい。

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