
米国現地時間の6月8日に公開されたレクサス新型「GX」。通算3代目となる新型は、レクサスのボディオンフレーム車としては初めてハイブリッドシステムを採用するなど、大きな進化を遂げた。しかし、オフローダーとして一番大切なのはプラットフォームだ。ボディオンフレームと呼ばれるフレーム構造を採用する新型「GX」のプラットフォームはどのように進化したのか? 現時点で判明している情報を元に整理してみよう。
●文:月刊自家用車編集部
世界中の厳しい環境で鍛え上げられた悪路走破性。ボディ剛性の向上と電動パワステの採用によりオンロードでの走りが上質に
レクサス「GX」は、2002年から米国を中心に販売を開始。以来、砂漠地帯や岩石路などで悪路走破性を鍛え上げてきた。新型「GX」は、プラットフォームを中心に素性を刷新した基本性能をベースに、伝統のオフロード性能を更に磨き上げた。さらに本格オフローダーとしての走りを追求するため、世界中の様々な環境下で走行試験を繰り返し実施し、プロラリードライバーと共に走り込み、フィードバックを反映。レクサスの本格オフローダーにふさわしい信頼性と耐久性、悪路走破性を追求したという。
新型「GX」は、同ブランド最上級SUVである「LX」と同じ、ボディオンフレームのGA-Fプラットフォームを採用している。強靱で軽量なラダーフレームを採用するこのプラットフォームは、「Lexus Driving Signature」という走りのコンセプトを追求。ボディ剛性を高めながら、上質な走りを高めている。
GA-Fプラットフォームは、衝突安全性能や静粛性、走りの質を向上させるため、サイドレールとクロスメンバーの一部に、板厚や材質が異なる鋼材を適材適所に接合して、重量増とならずに必要な強度と高い剛性を実現している。
キャビン部分もさまざまな剛性アップが図られている。ドア開口部とロッカー下端はスポット溶接打点を増やしつつ、板金合わせ部分やフロアなどに構造用接着剤を使用している。また、ラジエーターサポート上部にクロスブレースを採用するほか、ボンネットフードロックまわりの剛性向上のために、専用の補強材を追加。リヤまわりでは、Cピラーの根本付近とホイールハウスをブレースで結合することで車両前後のバランスを整え、ドライバーの意図に忠実な走りを実現したという。
さらに悪路走破性を高めるため、従来型「GX」に対し、フロントオーバーハングを20mm短縮し、アプローチアングルを5度立たせることで、デザイン性と走破性を両立させている。
パワートレーンには、最高出力349PS、最大トルク650Nmを発生する3.5LV6ガソリンツインターボエンジンと、レクサスボディオンフレーム車初搭載となる2.4L直4ガソリン+モーターのハイブリッドシステムをラインアップするが、ハイブリッドシステムは、元来より堅牢なエンジンとオートマチックトランスミッションとの間にモーターと湿式クラッチが一体となったフロントモジュールを加えたことで、フレーム車に相応しい構造安定性を実現しいるのが特長だ。
サスペンションは、ジオメトリの最適化を行い優れた車両安定性を実現している。フロントにはハイマウントダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用。従来型に対し、コイルスプリングのばね定数の最適化や、キャスタートレールの拡大にキングピンオフセット低減などを行って、直進性、旋回性、制動時の高い安定性を確保している。また、リヤには、ラテラルコントロールアーム付き4リンクリジッドサスペンションを採用。サスペンションアーム、ショックアブソーバー配置と特性を作り込むことで、車軸の動きをコントロール。制動時の車両安定性を高めている。ショックアブソーバーには、伸縮独立バルブとFCD(Friction Control Device)を設定。加えて、サスペンション周辺部品の締め付けトルクをアップすることで剛性を向上させている。
リヤのリジッドサスペンションは、ショックアブソーバーのレイアウトを最適化。外乱の影響を受けににくくし、減衰効率を向上させることで、クルマの動きをコントロールしやすくしている。ホイールアーティキュレーションも伸長され、岩石路やモーグル路などにおける路面追従性が一層向上しているという。
オフロード走行のみならず、オンロード走行におけるコントロール性と乗り心地も高次元で両立させたという。ボディ剛性向上のほか、電動パワーステアリング(EPS)や応答性と安定性を高めるAVS(Adaptive Variable Suspension system)を採用。特に電動パワーステアリング(EPS)採用で、低速から高速まで、速度域に応じた取り回しのしやすい操舵感を実現し、シャフト、チューブの大径化によりステアリング剛性も向上。従来型比で左右剛性が約50%向上し、優れた応答性と振動の抑制に貢献しているという。
これら、新型「GX」の進化は多くのコンポーネントを共有する可能性の高い、トヨタ「ランドクルーザープラド」の次期モデルにも踏襲されるはず。登場時期は不明だが、「ランドクルーザープラド」の進化にも期待したい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レクサス)
“OVERTRAIL+”に加えて、7人乗りの“version L”を新規設定 GX550は、「ザ・プレミアム・オフローダー」を開発コンセプトに掲げるモデル。GA-Fプラットフォームや、静粛性と出力燃費[…]
電気信号で操舵を行う「ステアバイワイヤシステム」が本格普及へ 今回発表された新型RZでは、モーターの高出力化や航続距離の伸長、充電時間の短縮が図られるなど、パワーユニットを刷新。ほかには次世代の操舵シ[…]
LXへの特別な思いを持つ松山選手が選んだ、特別な装備が散りばめられた1台 特別仕様車“HIDEKI MATSUYAMA EDITION”は、米国でツアーをともに戦ってきた戦友としてLXに特別な思いを寄[…]
レクサスならではの走りの味”Lexus Driving Signature”を貪欲に追求 今回実施される一部改良では、ハイブリッド車の「LX700h」の追加と、「OVERTRAIL+」グレードが設定さ[…]
ハイブリッドでもフルタイム4WDシステムが使える 注目のハイブリッドシステムは、トヨタ&レクサスでおなじみのシリーズパラレル式(=THS II)ではなく、V6-3.5L直噴ツインターボと10速ATの間[…]
最新の関連記事(グルメ)
運転中の食事(お茶/飴/パン/おにぎり等)はすべて違反になるのか 運転中の食事は法律によって厳密に禁止されているわけではないため、すべてが違反行為とはなりません。 しかし、食事をすることで運転手の手が[…]
前橋を愛する者の異業種コラボ! 1996 年創業、前橋にある「広ちゃん飯店」は、連日行列ができるほど賑わいのある中華料理店。店内はカウンター席、座敷、個室があり、幅広い層のファンで埋め尽くされている。[…]
車に積んでおけばBBQのヒーローに! 気温も上がり暖かくなると、やりたくなるのがBBQ。肉や魚介類、新鮮な野菜などを焼いて食べるのは、胃袋と共に心も満たされるアウトドアの醍醐味だ。 そんなBBQだが、[…]
~ご当地ソフトの食べ歩きは、道の駅を巡る目的の一つ~ こんにちは。「道の駅旅ライダー」の平賀です。 暑い夏がやってきて、冷たいものがおいしい季節になりましたね。道の駅でもソフトクリームを食べている人を[…]
日本といえば、世界からみても独自の文化がいくつも存在します。その1つが食文化、日本食は歴史や伝統を重ねながら、独自の文化として根づいてきました。 さらには、日本国内でみていくと地域ごとに生まれて根づい[…]
人気記事ランキング(全体)
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
軽自動車でも『車中泊』は『快適』にできます。ベース車両はスズキのエブリイ。 エブリイの最大の強みは、その広い荷室空間にある。軽自動車でありながら広い荷室空間は、後部座席を畳めば大人が横になれるほどのス[…]
見た目は普通でも中身はスペシャル、あえて別ネームで差別化 「トヨタ・1600GT」は、1967年に発売されたトヨタのスポーツクーペです。 もしこの段階で名称をWEBで検索してその画像を見たとしたら、「[…]
プロトタイプといいつつも、スガタカタチはほぼ完成形 このたびインテリアやメカニズムが公開された次期プレリュードは、“プロトタイプ”こそ取れないものの、そのスガタカタチはどうみても製品仕様に限りなく近い[…]
ベース車両はトヨタのハイエース 圧倒的な耐久性と広い荷室を備えた日本を代表する車種の1つ、トヨタ・ハイエース。ビジネスユースからアウトドア、さらにはキャンピングカーのベース車両としても高い人気を誇る。[…]
最新の投稿記事(全体)
エアーEX:オットマンシートやパワーテールゲートなどの人気装備を追加することで、利便性を強化 エアーEXは、ステップワゴンの標準モデルが持つ、シンプルで親しみを感じさせるデザインや開放的で心地よい室内[…]
ショーモデルの難しい造形を見事に再現した生産技術力 卓越した技術が厳しい競争を生き抜くための大きな武器であることは、言うまでもない。ただし、時にその技術が諸刃の剣になることもある。1981年から199[…]
便利なカーナビ、画面が暗くなると汚れが目立つ いつでもどこでも知らない道を案内してくれる、ドライバーにとって心強い相棒とも言える「カーナビ」だが、ふと気がつくと指紋や皮脂でベタベタ…タッチパネルの宿命[…]
完成度の高い補修キットが、DIY市場に投入されている フロントガラスに採用されている「合わせガラス」は、2枚のガラスの間に柔軟な「中間膜」を挾み込んだ構造。ヒビ割れた程度なら補修可能で、DIY向けの補[…]
国内仕様は6つのグレードを設定。最新ハイブリッド「S:HEV」が主力モデルに 新型フォレスターはすでに北米では発売されているが、まもなく正式発売される国内仕様車の概要(諸元はプロトタイプの数値)やグレ[…]
- 1
- 2