日本だけでなく、中国、東南アジアなど世界各国で販売されている「アルファード」/「ヴェルファイア」。6月21日に発表された新型は販売地域をさらに広げるという。そのために、「世界基準」を目指して開発されている。トヨタ車体株式会社が、企画・開発から生産まで一気貫通で行った、気になるその中身とは!?
●文:月刊自家用車編集部
新プラットフォームを採用して高級セダンに匹敵する快適動的性能を手に入れた!
新型「アルファード」/「ヴェルファイア」は「世界基準」の品質を実現するために、堂々としたスタイル&パッケージ、高級セダンに匹敵する快適動的性能、すべてのユーザーにとって使いやすく、高品質なおもてなし装備、先進の安全装備という4つのポイントを挙げて開発を行った。
世界基準で開発するといっても、日本国内の全長5m未満、全幅1.85m以下という駐車場要件を守りながら「体脂肪率0パッケージ」をキーワードに徹底的に無駄なスペースを排除したという。機能部品のレイアウトを最適化し、ミリ単位でデザインの抑揚と広さを追求した。
「Executive Lounge」グレードと従来型「Executive Lounge S」との比較で、ホイールベース3000mm、全幅1850mm、リヤオーバーハング1040mmという数値は変わらないが、全長は4995mmで+45mm長くなり、フロントオーバーハングは955mmと45mm長くなっている。さらに1列目シートから3列目シートまでの前後席間距離は2205mmと10mm長くなり、1−2列目シートの前後席間距離は1315mmと5mm長くなって快適性を向上させている。スライドドアの開口幅も820mmと40mm拡大されている。
エクステリアデザインは、歴代モデルが積み上げてきた「重厚さ」と「前進する勢い」を強化。サイドビューは、闘牛のように大きな筋肉の塊が力強く突進する姿をイメージしてデザインされている。さらに細かく見ていくとボディサイドは従来型の倍近い抑揚で、フード先端からリヤまで大胆な変化が続く。さらに前後席を融合したガラスキャビンと一筆書きのメッキモールを採用して、さらなる勢いを表現している。フロントドアとスライドドアの境界には、それぞれ「アルファード」/「ヴェルファイア」のロゴが入ったエンブレムが装着されている。
インテリアデザインでは、クルーザーとプライベートジェットをイメージ。運転席まわりは、ダイナミックな左右の動きと重厚さを増したコンソールでドライバーを包み込むデザインとし、後席空間は天井に配置されたスーパーロングオーバーヘッドコンソールから繋がる大胆な配色の構成で、プライベートジェットのようなおもてなし空間を演出している。
最上級グレードの「Executive Lounge」に装備されるエグゼクティブラウンジシートは、クッションチルト機構の採用で、 全身の筋力を最も使わない安定した安楽姿勢を実現したのはもちろん、16個のエアブラダー(空気袋)の膨張で、背中から大腿部までを押圧するリフレッシュシートや、シートの加温範囲を拡大したオットマン&アームレストヒーターが装備される。さらに回転式シートテーブルは、90°水平回転することでテーブルを出したまま乗降可能となっている。さらに天板内側に防汚処理付バニティミラーを採用し、スマホやタブレットを立てかけることもできる。
エグゼクティブラウンジシートは、操作性も向上。スマートフォンのような使いやすさを追求した脱着式のリヤマルチオペレーションパネルを採用。シーンに応じてワンタッチで シート姿勢や空調、照明を一括制御できるスマートコンフォート機能も搭載する。シート操作スイッチもアームレスト内側に設置して、直感的に操作できるシート型スイッチとしている。
走行性能では、高級セダンに匹敵する後席の乗り心地を実現するため、ボディの剛性アップと周波数感応型ショックアブソーバー採用によりキャビンへの振動入力を低減すると同時に、GA-Kプラットフォームをベースに床下V字ブレースなどを採用した専用タイプとして、ボディ剛性を従来型比の50%向上させている。
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