7月26日、三菱自動車工業株式会社は、3代目となる1トンピックアップトラック新型「トライトン」をタイ王国でワールドプレミアし、本日より発売を開始した。日本市場へは2024年初頭に投入予定とアナウンスされている。
●文:月刊自家用車編集部
シャシー、ラダーフレーム、エンジンなどを一新。ボディは従来モデルよりも一回り大型化
今回登場した3代目「トライトン」は2006年から発売された初代モデル以来、12年ぶりに日本市場で販売される。「トライトン」は、一部の国や地域では「L200」として販売されており、「L200」としては6代目となる。
ボディサイズは、日本未導入の2代目モデルよりも一回り大型化され、耐久性と信頼性を高めた新開発のラダーフレームを採用している。エンジンも新開発となり、4N16型2.4L直4DOHCクリーンディーゼルターボエンジンが搭載される。
このクリーンディーゼルエンジンは、150kWの最高出力と470 N・mの最大トルクを約1500rpmからフラットに発生し、実用域での応答性に優れたトルクフルな走行が可能となっている。標準仕様では最高出力135kW/最大トルク430N・mと、最高出力110 kW /最大トルク330N・mの2仕様のエンジンを設定し、いずれもタービン容量を可変制御するVGターボチャージャーを採用する。
トランスミッションは、スポーツモード付き6速オートマチックトランスミッションとシフトレバーをワイヤー式として、エンジンから直接伝わる振動を低減した6速マニュアルトランスミッションをラインナップする。
サスペンションも新開発となり、フロントはダブルウィッシュボーン式を踏襲。リヤサスペンションは強度を維持しながら軽量化したリーフスプリング式を採用している。また、ボディは大型化されたが最小回転半径の増加は最低限にとどめられており、さらに高出力仕様エンジン搭載車には、電動パワーステアリングをしてコントロール性と安定性を高めている。
4WDシステムは、ダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更することができる三菱自動車独自のスーパーセレクト4WD-IIと、イージーセレクト4WDを引き続き採用している。スーパーセレクト4WD-II搭載車には新たにアクティブヨーコントロール(AYC)も採用された。
エクステリアデザインは、「ダイナミックシールド」フロントデザインコンセプトをフロントグリルやフェンダーから繋がる力強い造形と、それを強調するプロテクターにより、ピックアップトラックに最適化している。ボディタイプは、2列シートのダブルキャブ、1列シートのベーシックなシングルキャブ、フロントシート後ろに荷室スペースを設けることでリクライニングも可能なクラブキャブの3タイプが用意される。
ボディカラーは現時点で6色のラインナップがアナウンスされている。ヤマブキオレンジ、ブレイドシルバーメタリック、ホワイトダイヤモンド、ホワイトソリッド、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカの6色で、最上級グレードはフロントグリルがボディ同色となり、ドアミラー、ダイナミックシールドガーニッシュ、ドアハンドル、バンパーなどをブラックに、フロント、サイド、リヤの各アンダーガードがダークチタニウムとなる。
インテリアは、現行型アウトランダーなどの流れを汲む、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形を採用。プロフェッショナルユースを意識して、乗員を保護するためにソフトパットを要所に採用することで実用性を高めている。モニターやメーターは視認性にこだわり、セレクター、ダイヤル、スイッチ類は手袋をしたままでも確実に操作ができるように節度感にもこだわっている。
ユーティリティでは、ピックアップトラックとしての基本性能を向上。カーゴベッドを大型化して、ベッドライナー装着状態でもユーロパレット積載にも対応した。さらに従来モデルに比べて荷台高を45㎜低い820㎜とし、さらにバンパーコーナー上面の面積を拡大。フレームで補強することで、足を乗せるスペースとして使用可能とするなど実用性を向上させている。
三菱自動車工業株式会社、社長 加藤 隆雄氏は「新型『トライトン』は、三菱自動車独自開発の堅牢なラダーフレームやボディ、強靭な足回り、力強く扱いやすいエンジン、優れた走破性と安定性を実現する4WDシステムなど、従来からもつ三菱自動車らしさに磨きをかけ、新時代に相応しいピックアップトラックへと大幅に進化させました。最終的には100カ国以上で年間20万台規模となる見通しで、まさに当社の屋台骨を支える最重要モデルであり、成長フェーズの幕開けに投入する、第一弾となる世界戦略車です。ここからはじまる当社の挑戦にどうぞご期待ください」とコメントしている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ミツビシ)
今年は31台のクルマがノミネートされ、投票で今年の顔となるイヤーカーが選ばれる 「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、日本のモータリゼーションの発展と、コンシューマーへの最新モデルおよび最新技術の周知を目[…]
1:トヨタ マークII/チェイサー/クレスタ[X70] デビュー:1984年8月 ボディカラーは”スーパーホワイト”ほぼ一択”だ。ワインレッドの内装に、柔らかなシート表皮。どこか昭和のスナックを思い起[…]
ベース車両はミツビシのデリカD:5 ベースとなる車両は、ミツビシのデリカD:5。 オフロードにも対応できるミニバンとして、唯一無二の存在であるデリカD:5は、ミツビシ伝統の4WDシステムや堅牢なボディ[…]
最上級の「P」グレードをベースに、内外装に専用加飾をプラス 今回導入される特別仕様車「BLACK Edition」は、最上級の「P」グレードをベースに、フロントグリル、ポジションランプガーニッシュ、フ[…]
半数の購入者が最上級グレード「P Executive Package」を選択 今回導入される大幅改良モデルでは、「洗練」と「上質」をテーマとし、駆動用バッテリーの刷新によるEV航続距離の伸長や加速性能[…]
最新の関連記事(ピックアップトラック)
EPU(イーピーユー) 5m強の全長を持つダブルキャブ仕様で、モノコックならではの使い勝手の良さが特徴 数多くのコンセプトカーを「ジャパンモビリティショー2023」に出展するトヨタ自動車。バッテリーE[…]
優れた走破性を実現 新型『トライトン』は世界中の様々な天候や路面において、安全・安心で快適な走りを実現する三菱自動車らしさを凝縮した1トンピックアップトラックとして注目の1台。新開発のラダーフレームと[…]
三菱自動車の世界戦略車 『トライトン』は優れた耐久性、堅牢性、走破性に加えプライベートユースで求められる快適性・乗り心地の良さを実現し、アセアン、オセアニア、中南米、中近東、アフリカなどで好評を得てい[…]
228PSまたは278PSの2.4L4気筒ガソリンターボと2.4L4気筒ガソリンターボ+モーターの326PSを発生するi-FORCE MAXを搭載 新型「タコマ」のエクステリアデザインはトヨタの北米拠[…]
現行型と同じアクセスキャブ/ダブルキャブのほかにTRD PRO/トレイルハンターも!? ボディシルエットで洗練されたデザインをチラ見せ! 1995年から北米市場で販売されているピックアップトラックのト[…]
人気記事ランキング(全体)
車載ジャッキの使い方の基本 ジャッキというと、車載ジャッキを思い浮かべるビギナーは多いハズ。しかし、車載ジャッキはあくまでパンクのときなどのための応急用であり基本的にメンテナンスでは使用してはならない[…]
車内を暖かく! カーエアコンの正しい使い方とは? 車内を快適な温度に保つために必要な、カーエアコンの正しい使い方を4つのポイントから見ていきましょう。 まずひとつ目のポイントは、カーエアコンの起動タイ[…]
フロントガラスが曇る原因や時期を知っておこう フロントガラスの曇りは視界を妨げるだけでなく、悪天候/夜間など視認性が低下する状況では特に運転の安全性に影響を与えます。 フロントガラスが曇る主な原因は、[…]
ベース車両はマツダのボンゴバン ベースとなる車両はマツダのボンゴバン。ボンゴバンは、コンパクトなボディサイズでありながら、広々とした室内空間を持ち、多くのユーザーから支持を得ている。に質のフロア長は1[…]
ベース車両はホンダのフリード ベースとなる車両はホンダのフリード。街乗りでも違和感がないうえに、広い車内スペースが、アウトドアでも大活躍する車だ。 小回りが効くサイズ感で運転しやすいフリード。しかしな[…]
最新の投稿記事(全体)
ベース車両はホンダN-VAN ベースとなる車両はホンダのN-VAN。積載性を重視した作りである一方で、最新のNシリーズらしい走りの質の高さが特徴だ。 N-BOX(2代目)譲りのプラットフォームやパワー[…]
運転免許証が有効である理由について 運転免許証は、免許試験合格後に交付される公的な証明書です。試験に合格するには、運転技術の評価だけでなく、身元確認書類を提出し、顔写真を撮影するなどの手続きも必要にな[…]
電波法関連法令の改正で、一部のETC車載器が使えなくなる ETC(Electronic Toll Collection System)とは、有料道路料金回収自動システムのことで、2001年より全国で運[…]
情熱と創意工夫で一歩一歩進化していった日産のスポーツカー開発 スポーツカーは、自動車メーカーにとっては悩ましい商品だ。自社のブランドイメージを向上させる看板としては魅力的だが、儲けにはならない。高度な[…]
ネットで見つけた蓄光キーホルダーを購入。その明るさにビックリ クルマに限らず、カギ類をしばしばロストしてしまうという人、あなたの周りにもいるのではないだろうか? 自宅など、限られたスペースで見失ったの[…]
- 1
- 2