我が家がシビックを購入して4カ月ほど。納車直後からなんとなく感じつつも、勇気が出ずに確かめられていないことがひとつありました。それは「車中泊したら快適だろうなぁ」ということ。リアシートを前方に倒すと広い空間が現れ、女性一人ぐらいであれば楽勝で一晩過ごせそうな雰囲気があるのです。
…ということで、勇気を出してついに実行してみました。実際に一晩泊まったからこそわかる、シビック車中泊の良いところ・悪いところをご紹介します!
●文/写真:高木はるか ●まとめ:月刊自家用車編集部
シビックの荷室を寝室に改造!
我が家のシビックは2021年式モデル。荷室と座席がひと続きになっているハッチバックタイプです。
荷室サイズは奥行き約92cm×幅(ホイールハウス間)約103cm×高さ約75cm。このままでは寝るスペースがありませんが、リアシートを前に倒すことで確保できそうです。
はじめに大きなポイントとなるのが、出入り口の確保です。車内からドアを開け閉めする必要があることを考えると、手を挟んだり頭を打ったりするリスクのあるバックドアよりも、リアゲートから出入りする方が安全です。
幸いシビックのリアシートは6:4分割の可倒式。車内の左側のシートだけを倒して就寝スペースとし、右側のシートは出入口兼荷物置きスペースと設定することにしました。
スペースが確保できたところで次に気になるのが、就寝スペースの真ん中にある段差と、リアシートの裏側の素材の脆さです。このまま寝転んでしまうと段差で腰を痛めるだけでなく、シートの一か所に力が集中してかかった際に破れてしまうかもしれません。
用意したのは、2枚のフォールディングマット(蛇腹に折りたたんだキャンプ用マット)と1枚のインフレータブルマット(ウレタンフォーム入りの空気で膨らむキャンプ用マット)です。まずは1枚目のフォールディングマットを半分に折って荷室に敷き、段差を埋めたら…
2枚目のフォールディングマットとインフレータブルマットを重ねて敷いて、シートに重みが加わった際の力を分散させると同時に寝心地をよくします。
そして最後にシュラフを設置すれば、シビック・車中泊スタイルの完成です!
実際に荷室に入ってみると、身長156cmの筆者であれば身体を伸ばして余裕で寝転ぶことができるスペースを確保できました。助手席を一番前に移動させれば、身長160cmぐらいまでの方であれば快適に寝転ぶことができそうです。
逆に言うと、高身長の方や2人以上が寝るには窮屈で快適性が損なわれるので、仮眠に留めた方がよいかもしれません。
シビックで寝てみた感想は…
今回は食事とお風呂を済ませた上で、車庫の中での車中泊に挑戦してみました。まずはリラックス効果も狙って晩酌からスタート。荷室の右側、シートの後ろに折り畳みテーブルをセットして暖色のランタンを付ければ、なんだかいい雰囲気に。ロッジの屋根裏部屋のようなムードがあります。
ここでひとつ問題となったのが天井の低さです。シビックの荷室の高さは約75cmしかないため、頭がつっかえてまっすぐ座ることができないのです。
車内で過ごす際は首をかしげながら座るか、寝転んで肘をつくか。寝るだけと割り切って一晩であれば楽しく過ごせましたが、長時間、例えば車中泊前提の長期旅行や災害での避難といった際は大きなストレスを感じそうです。
ともあれ、この日はずっと首をかしげたまま上機嫌で晩酌を済ませ、
ついでに寝転んでダラダラしつつ、積読していた本を読んで夜の時間を過ごしました。
遮音性が高いボディのおかげで外の音が気になったり、逆に中で過ごす音が漏れたりする心配がなかったのは思いがけないメリットでした。よっぽど大声で歌ったり叫んだりしない限りはご近所迷惑にもならなさそうです。
──最終的に、眠りについたのは午前0時ぐらいでしょうか。そして起床は午前8時。…うぅーん、そう考えるとガッツリ眠っていたように聞こえるのですが、実を言うと夜中に何度か目が覚めてしまい、熟睡できなかった要因がひとつだけありました。
リアシートを前に倒したところを横から見ると、鋭い方はわかるかもしれません。
そう、シートの背にできた傾斜です。今回は表面がツルツルしたインフレータブルマットの上に寝袋を置いて就寝したため、寝ている間に滑り落ちて寝心地が悪くなってしまい、それが原因で夜中に何度も目が覚めることになってしまったのです。
設営の際にも注意書きをしていましたが、マットを敷く際は一番上に滑りにくい素材でできたフォールディングマットを置くことで、より快適に寝られるはずです。
ということで、シビックで一晩寝てみてわかったのは、
・身長160cm以下の人が1人で
・寝るだけと割り切る
という条件なら快適に過ごせるということ。狭い空間ではありますが、自分だけの秘密基地が好きな方には刺さるはず。是非試してみてくださいね!
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