●文:川島茂夫●写真:横浜ゴム
雪上性能の向上で、冬用タイヤとして認められた証「スノーフレークマーク」を全サイズで獲得
横浜ゴムのRVタイヤ「GEOLANDAR(ジオランダー)」。車種や用途に応じて多彩なラインナップを展開していることも特徴のひとつで、悪路踏破性の限界を求めるなら「X-MT」、オンロード性能を重視するなら「H/T G056」など、現在9つの製品を展開している。
その中でオン&オフロード性能をバランス良く設計し、ラインナップもクロスオーバーSUVから本格オフローダーまで対応させている最新モデルが、今回試乗したオールテレーンタイヤ「A/T4」になる。ちなみに「4」はオールテレーンタイヤとして四世代目であることを示している。
また、「A/T4」は 雪上性能の向上もあって、冬用タイヤとして認められた証「スノーフレークマーク」を全サイズで獲得。本職のスタッドレスタイヤには及ばないが、冬用タイヤ規制時でも走行可能なタイヤとして認められていることも、トピックのひとつになっている。
走破性能の強化に加え、デザインもより逞しく、精悍なイメージに
先代の「G015」からの進化で注目されるのは、まずはオフロード性能の向上だ。従来のオンロード用途での操安や快適性の良さも引き継いでいるが、そんな日常域でも不足なく走れる上で、さらなるオフロード性能の向上が図られている。
具体的には、センター部のブロック構造を従来のストレート溝から、ジグザクにブロックを配置することで斜めに溝が入るブロックデザインに変更。接地感と排水性を向上させることでオフロードトラクションを高めている。いかにも泥や土を掻き崩すような風体のトレッドデザインも雄弁なもので、厚めに設定されたサイドウォールやリムプロテクターなど、ヘビーデューティ用途を想定しているような設計を随所に感じさせてくれる。
そして、ハード&タフネスなタイヤ外観もこだわった部分で、一般的なオールテレーンタイヤよりも逞しさを強く意識させるデザインを持つ。SUVの足元をより魅力的にしてくれるドレスアップアイテムとしても面白そうだ。
こんなこだわりの設計内容を見ていると、もはや巨大なブロックパターンが特徴のマッドテレーンタイヤは不要なのでは? とも思ってしまうほどだが、オフロードでの限界踏破性能はマッドテレーンには及ばない。開発陣も、競技志向が強いユーザーが求めるような岩場のハードな登坂路を走破できるようなレベルまでは想定していないとのこと。
【オフロード性能】コントロール性の高さが印象的。林道レベルなら、なんの不足も感じない
今回試乗したモデルはトヨタ・RAV4ハイブリッドのE-Fourモデル。ほかにもミツビシ・トライトン、トヨタ・ハイラックス、スズキ・ジムニーカスタマイズカーなども用意されていた。
まず最初の試乗コースは、比較的フラットなダートで、林道ツーリングを模した感じのコースだ。ただ、前日に雨が降ったこともあってコースのあちらこちらが泥濘になっているなかなかハードな路面状況。休日の林道ツーリングならば避けたいレベルだ。
さっそく極低速でコースに入ると、普通のダート路ほどではないが、トラクションはしっかりと感じられ、操舵方向性の乱れも少ない。
乾いたダートでもその印象は同様で、路面をしっかり噛み込む感じが頼もしい。操舵追従や方向安定性も良好で、御しやすく安心感のある運転感覚。普通のオフロードコースレベルなら、それほど苦労なく踏破できるだろう。
【オンロード性能】ロードノイズの低減を強く実感。ハンドリング性能も良好で、普段乗りでもまったく問題なし
オンロードの感触はSUVの重めの車両重量と重心高のハンデを意識させないハンドリングと、走行時のノイズ音が上手に抑えられていたことが印象的だ。
ハンドリングは、操舵初期から応答遅れが少なく回頭でき、定常円旋回でもボディは安定している。タイヤの変形も少なめだ。ロードノイズは、音量そのものが抑えられていることに加え、音質もマイルドで耳当たりがいい。会話の邪魔になりにくくなっていることにも、「A/T」シリーズの着実な進化ぶりを感じてしまう。
もとより「A/T」シリーズは、日常生活とレジャーシーン、どちらも安心して快適に走りたいという、ある意味、相反するニーズを上手に実現しているオールマイティタイプだが、「A/T4」は方向性はそのままに正常進化したという言葉がしっくりとくる。せっかくのSUVだから「悪路走行もたまには楽しみたい」というユーザーにオススメできるオフロードタイヤだ。
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