「運転がアラいんじゃ…」ナゾの道路標識、岡山県民は反省したほうが良い理由があった

岡山県の道路を走行していると、突如ナゾの道路標示「★合図」が目に飛び込んできます。緑色の“星のマーク”と“合図”という言葉が組み合わさったこの独特な道路標示は、ほかの都道府県では見かけることがない、岡山県内にのみ設置されている珍しいものだといいます。一風変わったこの道路標示は、いったい何を意味しているのでしょうか。

●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)

岡山オリジナルの道路標示「★合図」には、岡山ならでは事情があった…

この標示は岡山県内の一部交差点の手前に設けられており、ドライバーに早めのウインカー点灯を促すのが目的だそうです。

47都道府県の中で岡山県にしか設置されていない理由は、岡山ならではの運転習慣が関係しているとのこと。

突如ナゾの道路標示「★合図」

突如ナゾの道路標示「★合図」

2016年にJAFが実施した交通マナーに関するアンケート調査によると、「方向指示器(ウインカー)を出さずに車線変更や右左折する車が多い」の問いに対して、岡山県と香川県はそれぞれ53.2%/51.0%の人が「とても思う」と回答。

岡山県には、「岡山ルール」と呼ばれる、「名古屋走り」「茨城ダッシュ」のような地域特有の運転習慣が存在します。

岡山ルールとは、車線変更時や右左折時にウインカーを出さない、もしくは直前に出す危険運転を指します。

運転する男性の手元のイメージ写真

岡山県警も注意喚起を行っているが、「岡山ルール」と呼ばれる危険運転は後を絶たない

先のアンケート結果からもわかる通り、岡山県はウインカーを正しく使用しない人の割合が他県よりも多く、この問題は県にとって大きな課題となっていました。

そこで岡山県警は、合図の徹底を目的として、2005年から「★合図」の道路標示を設置し始めたそうです。

この標示は交差点の30m手前、すなわち教習所で習うウインカーを出し始める位置に設けられているほか、道路標示だけでなく看板/のぼり旗などでも見られます。

なお、香川県にも似たような標示がありますが、こちらは★の代わりに香川の県木であるオリーブの実のマークが使用されています。

ほかにもある! 全国各地のユニークな道路標示

また日本各地には、「★合図」のようなユニークな道路標示が存在しており、地域ごとの特色やドライバーへの注意喚起を図るための意図が込められています。

中でも注目なのは、「危い」と「あっ!」というとても珍しい言葉を使用した標示。

「危い」と書かれた道路標示はおもに埼玉県内で見られるもので、見通しの悪い交差点/学校区域の近く/速度を出しがちな裏道など、さまざまな場所で設けられているとのこと。

「危い」と書かれた道路標示の写真

一見すると脱字かと勘違いしそうな「危い」の道路標示。埼玉県内で多く見られるという

この標識の目的は、文字通りドライバーに危険を認識させ、速度の低下を促すことにあります。

一見すると「危ない」の誤記のように見えてしまいますが、短い文字数で注意喚起するため、意図的に「危い」と表記しているそうです。

シンプルながらも直接的なメッセージは、ドライバーの注意を引きつけるのにとても効果的と言えるでしょう。

「あっ!」の道路標示も設置意図は同じで、短い文字で即座に危険を知らせるためのものだそうです。

「飛び出し注意」や「速度を落とせ」の道路標示は文字を読むのに時間がかかってしまいますが、「危い」「あっ!」は目にした瞬間反応できるため、事故防止に効果があると言われています。

また、これらの道路標示は、歩行者への注意喚起にも役立っているとのこと。

道路標示を見かけた歩行者が「この道は危険だ」と判断することで、ドライバーと歩行者の双方が注意深くなり、結果として交通事故が起こりにくくなっているそうです。

このように、「★合図」「危い」「あっ!」などは、一見すると単なる道路標示にすぎませんが、その背後には地域特有の交通事情への対応や、事故防止への強い意志が込められています。

直接的でわかりやすい言葉選びにより、ドライバーの注意を効果的に引きつけていることが理解できるでしょう。

こうした道路標示の意味を知ることは、他県に赴いた際の交通事故防止にも役立つはずです。

※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。