
クルマの美しさを保つ方法として、ボディコーティングとワックスが広く知られていますが、この2つの違いを正確に理解している人は、意外と多くないかもしれません。ボディコーティングとワックスにはどのような違いがあり、愛車を最高の状態に保つためには、どちらの方法を選ぶべきなのでしょうか。
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
ボディコーティングとワックスの違いって?
ボディコーティングとワックスは、どちらもクルマの塗装面を保護し美しく保つための手段ですが、その特性や効果には大きな違いがあります。まずは、基本成分の違いに着目してみましょう。
ワックスは主に天然カルナバろうを原料としており、高級品ほどその含有量が多くなっています。一方、ボディコーティングはフッ素系/シリコン系/チタン系などの特殊なポリマー成分を配合しています。
この成分の違いが、両者の特性や効果の違いを生み出す要因となっています。
また、塗装面との結合方法にも違いがあります。
ワックスはボディ表面に直接塗りこみ、油の膜を作りますが、ボディコーティングは塗装面にコーティング剤を塗布し、紫外線や汚れなどから守る犠牲被膜を作り出します。この結合方法の違いにより、耐久性や効果の持続期間に差が生まれます。
ボディコーティングとワックスは、一見すると似ているが持続期間に差がある。
ワックスは、効果が持続する期間が約1ヶ月と言われているため定期的な塗り直しが必要ですが、ボディコーティングは種類によって異なるものの、樹脂系なら3ヶ月~1年、ガラス系なら3~5年効果が持続するので、ワックスよりも長期間にわたって効果を発揮し続けます。
ワックスとボディコーティングの魅力
ワックスの魅力は、塗装面に美しい艶を与える「ワックス効果」。この効果によって、クルマは新車のような輝きを取り戻すことができるほか、撥水性に優れているため雨天時に水滴をはじきやすくなるのもメリットです。しかし、ワックスにはホコリを吸着しやすいという弱点があり、頻繁な洗車やメンテナンスが必要です。
ワックス効果のギラギラとした光沢も魅力の一つ。
一方、ボディコーティングのメリットは、高い耐久性と保護性能にあります。コーティング剤は汚れを寄せ付けにくく、汚染物質や水、油などに強い耐性を持っています。この効果により、日常的なクルマの手入れが格段に楽になり、長期間にわたって美しい外観を維持することができますが、ボディコーティングの施工には専門的な知識と技術が必要で、基本的には専門店での施工が推奨されています。
これに対し、ワックスの塗布作業は自分で簡単におこなえるため、洗車のついでに愛車をケアできるのがメリットです。
さらに、コストの面でも両者には違いがあり、たとえばワックスは初期投資が低く手軽に始められますが、定期的な塗り直しが必要なため、長期的には費用がかさむ可能性があります。
一方、ボディコーティングは初期投資が高額になりますが効果が長続きするため、長期的に見ればコストパフォーマンスにも優れているといえるでしょう。
ワックスとボディコーティング、どちらを選ぶべきかは、個人のライフスタイルや愛車との関わり方によって変わってきます。
自分の手で愛車を磨き上げる喜びを感じたい人や、週末にガレージでクルマと向き合う時間を大切にしたい人にとって、ワックスがけは格好の機会となるでしょう。また、比較的低コストで始められるため、学生や若手社会人など予算に制限がある人にもおすすめです。
どちらを選ぶかは個人の好みとライフスタイルにに委ねられる
ボディコーティングは長期的な保護を求める人や日々の忙しさからクルマのケアに時間を割くことが難しい人などに適しています。
高額な初期投資を許容できる人であれば、プロフェッショナルの技術に任せられるボディコーティングは理想的な選択肢と言えるでしょう。
最終的には、クルマとの関わり方やメンテナンスにかけられる時間と予算を総合的に判断し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
どちらを選んでも、愛車を大切に扱う気持ちがあれば、美しい輝きを長く保つことができるでしょう。
手軽にボディとガラスを同時にコーティング!
拭くだけでワックスがけ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カー用品)
日本初の「車専用」除湿剤が登場!AeroRide90がAmazonで販売開始 梅雨や冬の結露、長期保管車のこもり臭。クルマ好きにとって悩ましい車内環境の問題を解決してくれる、日本初の“クルマ専用”除湿[…]
シリーズ史上、最小・最軽量モデル「SOLAX P100」登場 キャンプや車中泊、緊急時など幅広いシーンで活用されているポータブル電源。扱いやすさと、幅広い電化製品に対応することから、屋外での活動におい[…]
車の鍵も家の鍵もこれひとつに収まる 大阪・茨木市の革小物ブランド「クアトロガッツ」が手がけるのは、そのナンバープレートをモチーフにしたオーダーメイドの本革キーケース。愛車の写真を送るだけで、世界にひと[…]
邪魔をしないコンパクトなカメラで死角を消しさる優れモノ 「車種別サイドカメラキット」は、クルマの左サイドの死角をモニターに映し出すことで、ドライバーが普段見えない範囲を視覚で確認させてくれるユーティリ[…]
コンパクトでもパワフル!車好きに嬉しい電動エアダスター2タイプ登場 車の手入れや掃除を快適にしてくれる、新しいツールが登場した。エレコムが新発売した「電動エアダスター」は、コンパクトサイズながら驚くほ[…]
最新の関連記事(クリエイターポスト)
ジムニーからセルシオへ乗り換え!? こんにちは。YouTubeで「おもちのビート」チャンネルを運営しているおもちです。 YouTubeチャンネル“おもちのビート【POV Drive ch】”最新動画↓[…]
ビートオーナーがAZ-1を試乗!ABCトリオって? こんにちは。YouTubeで「おもちのビート」チャンネルを運営しているおもちです。 YouTubeチャンネル“おもちのビート【POV Drive c[…]
日本には、ドライブの楽しさを倍増させる”メロディーロード”という道が全国各地に存在します。 メロディーロードを走ると、運転中に音楽を奏でるという楽しい体験ができます。 ただ走るだけで音楽が聞こえるこの[…]
クルマの世界では、環境への配慮と技術革新が重要なテーマとなっています。 特にクルマの排出ガスの問題は以前から問題視されており、現在は地球温暖化/大気汚染への対策として、エコフレンドリーな電動化技術が注[…]
日本の高速道路は、経済の動脈として不可欠な役割を果たしています。 しかし、多くの高速道路が建設されてから数十年が経過し、老朽化が進んでいます。 こうした中、高速道路の安全性と機能性を維持し、さらに向上[…]
人気記事ランキング(全体)
ソファのようにくつろげる“第5のモード”を追加 従来のVANLIFE ROOMKITは、走行モードや就寝モードなど4つの切り替えでシエンタを自在に使えるキットとして注目されてきた。今回の新モデルでは、[…]
“GT”として不遇の時代を生きた悲劇のスカイライン スカイラインシリーズとして5代目にあたる「C210系・スカイライン」は1977年に誕生しました。このモデルは「ジャパン」という愛称で呼ばれていて、そ[…]
シリーズ史上、最小・最軽量モデル「SOLAX P100」登場 キャンプや車中泊、緊急時など幅広いシーンで活用されているポータブル電源。扱いやすさと、幅広い電化製品に対応することから、屋外での活動におい[…]
生誕145周年のピカソ。その革新性に触発された創業70周年の老舗が手がけた特別記念モデル カトーモーターのパブロは、画家のピカソ生誕145周年とカトーモーター創業70周年を記念して作られた特別記念モデ[…]
メリット1:ドライバーがクルマに合わせるという”楽しさ” 一般的に、古いクルマになればなるほど、オーナー(ドライバー)がクルマに合わせなければスムーズに動かすことが難しくなります。 古いキャブ車であれ[…]
最新の投稿記事(全体)
陸・海・空のモビリティと夢の力がテーマ 今回のホンダブースの展示では、陸・海・空にわたる幅広いモビリティを披露し、「夢の力」が生み出した多様な技術とコンセプトが示される。 展示の中心となるのは、202[…]
人気の「セレニウムグレー」を、208として初めて採用 「プジョー208」は、日本の街中での取り回しやすさに加え、独創的なデザインと先進運転支援システムを備えることで、多くのユーザーから人気を集めている[…]
センシング能力を強化し、「後席リマインダー」も全車標準装備へ 今回の仕様向上では、走行中に車両や歩行者を検知して衝突回避を支援する「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」の左右検知範囲が拡大され[…]
日本初の「車専用」除湿剤が登場!AeroRide90がAmazonで販売開始 梅雨や冬の結露、長期保管車のこもり臭。クルマ好きにとって悩ましい車内環境の問題を解決してくれる、日本初の“クルマ専用”除湿[…]
生誕145周年のピカソ。その革新性に触発された創業70周年の老舗が手がけた特別記念モデル カトーモーターのパブロは、画家のピカソ生誕145周年とカトーモーター創業70周年を記念して作られた特別記念モデ[…]
- 1
- 2