
洗車をしていると、ふとみつけてしまうボディの細かなキズ……。人によっては”コンパウンド”で磨けば取れるといいますが、本当に取れるかどうか? そんな疑問を持っている人も多いはずです。今回は、そんな悩ませてくれる問題を解決してみたいと思います。
●文:オートメカニック編集部
1つ目のポイントは、”小キズの見極め”爪が軽く引っかかる程度の浅い線キズなら、コンパウンドで十分リカバリーが可能
そもそも、なぜクルマのボディに細かなキズが付いてしまうのか? 実はボディの塗装面は非常に柔らかいということに尽きます。具体的には、衣服や鞄などがボディに触れた程度、もしくは爪で引っ掻いてしまう程度でも、ボディ塗装面には極めて微細なキズが付いてしまいます。これを防ぐためには、塗装面を保護するボディコーティングやプロテクションフィルムの施工が有効。そんな理由でこの2つの施工は人気を集めているのです。
よく耳にする「コンパウンドで細かなキズを消せる」というのは、塗装膜の外側の層(クリア層もしくはソリッド塗装でもごく浅い層)に付いてしまったキズまでになります。
どこまでが外側の層のキズなのか? に関しては、爪先を滑らせて軽く引っかかる感触を感じる程度と考えるのが良いでしょう。このレベル以上に深くついてしまったキズともなると、タッチペンによる補修、もしくは本格的な鈑金塗装が望ましいと考えてください。
2つ目のポイントは、使用するコンパウンドは”極細から”とする
そもそもコンパウンドとはなんぞや? そう感じるユーザーもいると思います。
簡単にいってしまえば、コンパウンドは研磨剤のことで、磨きをかけることでキズをまるごと削り取ってキズを除去するという仕組みになります。さきほど説明した爪先に引っかかりを感じる程度の小キズならば効果抜群。ボディの塗装を削ると聞いて不安を覚えるユーザーもいるでしょうが、ここで使用する極細もしくは超極細(メーカーによっては微粒子)のコンパウンドで塗装を多少磨いた程度では、塗装に悪影響が出るとは考えなくても大丈夫です。
3つ目のポイントは、”磨きをやりすぎない”こと
ただ、キズを消すことに夢中になって一箇所を部分的に磨き過ぎると、色あせの原因になったり、限度を超えてしまえば下の塗装層が露出してガサガサになってしまうこともあります。磨き作業はキズの落ち具合をこまめに確認しつつ進めるのが鉄則です。「あと少し」と感じたところが引き際で、多少でも艶がなくなってきたと感じた時は、ただちに作業をストップしましょう。
爪が軽く引っかかる程度の浅い線キズの施工例を解説
STEP1:キズ消し用(極細コンパウンド)で磨き落とす
爪が軽く引っかかる程度の筋状の擦りキズは、塗装表面のクリア層に浅い溝が入っている状態で、このレベルならばコンパウンドで磨けばたいてい消せる。
「キズ消し用」のコンパウンドを用意する。ここでは#3000番を使用。
付属の磨きスポンジの黒い面に絞り出す。小指の先ほどの少量でOK だ。
磨く面にポンポンと軽く押し付けるようにして、スポンジに均等に付着させる。
キズに対して平行に直線的にスポンジを動かすようにして、おおまかに磨き落としていく。
キズの面以外には力を入れ過ぎないよう、同じ場所を10回を目安に擦ったところで、ウエス(作業途中の拭き取りは磨きにも使えるメリヤスウエスでOK)で一旦拭き取ってキズの状態を確認する。
まだ目立つようならコンパウンドを少量付け、再度磨いて仕上がり具合を確認。これの繰り返しで少しずつ落としていく。
STEP2:仕上げ用のコンパウンドで艶を出していく
「キズ消し用」コンパウンドを利用すると塗装や塗膜コンディションによっては研磨面全体がモヤがかかったような状態になることがある。原因は研磨キズ。ここからは「仕上げ用」コンパウンドに切り替えて磨けば、きれいに落ちて艶が復活する。
仕上げの拭き取りにはマイクロファイバーウエスがおすすめ。コンパウンドカスも残さずキッチリ拭き取ることができる。
さほど苦労することなく、すっかりとキズが目立たなくなった。
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