格安だが「GPS搭載」で多機能なガジェットを愛車に装着。非常に優秀で満足度は高いが、気になる点もあり…│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

格安だが「GPS搭載」で多機能なガジェットを愛車に装着。非常に優秀で満足度は高いが、気になる点もあり…

格安だが「GPS搭載」で多機能なガジェットを愛車に装着。非常に優秀で満足度は高いが、気になる点もあり…

車内にあると便利だと分かっていながら、つい後回しにしてしまうガジェットがある。今回取り付けたGPS搭載の車載ディスプレイもまさにその類いで、必要不可欠とは言えないのに妙に心をくすぐる存在だ。実際に導入してみると、速度表示だけでなく方位や高度、走行時間まで把握でき、運転のリズムがどこか変わる。ただ、多機能ゆえの“気になる部分”も見えてきた。実際の使用感をじっくりとお伝えしたい。

●文:月刊自家用車編集部

気になっていた“カジュアル系ガジェット”をついに導入した理由

長年クルマに乗っていると、スピードメーターやナビの位置、視線移動のクセが完全に身体に染みついていく。その一方で、車内にちょっとしたアクセントを加えたくなる瞬間もある。今回手に取ったGPS速度表示ディスプレイはまさにその衝動を満たす存在で、絶対に必要とは言い切れないが「付けたら少し楽しくなりそうだ」と思わせる妙な魅力を放っていた。

この手のアイテムは、安価なものほど“とりあえず感”が強いと思いがちだが、今回購入したモデルは意外にも多機能。速度、時刻、走行時間、走行距離、方角、緯度経度、そして0-100km/hの加速測定と、数字好きにはたまらない情報量を備えていた。普段はシンプルなダッシュボードを好むが、たまに乗るクルマに“新しいパーツ”を加えるだけで、ドライブのテンションが少し上がる。この感覚を理解してくれる人は少なくないだろう。

コンパクトで扱いやすい。開封と取り付けの印象

届いた箱を開けると、本体、吸盤ブラケット、接着シート、USB電源ケーブル、そして説明書というシンプルな構成が姿を現す。最近のカー用品は説明書が過度に簡略化されていることも多いが、このモデルは最低限の解説がきちんと用意されており、はじめて触れる人でも迷う部分は少ない。

本体サイズは想像以上にコンパクトで、少し厚みのあるスマートフォン程度のボリューム。手に取ると軽く、これなら好きな位置に自在に動かせると感じられる。ブラケットは360度回転式の吸盤タイプで、ダッシュボードにもフロントガラスにも設置できる柔軟さがありがたい。滑り止めマットも付属するので、台座を使わず平面に直接置く運用も可能だ。

ディスプレイの背面はシンプル。電源用のUSB端子が下部中央に見える。右の写真はブラケットを取り付けた状態。

準備として必要なのは、ブラケットへ本体を固定し、USBケーブルを差すだけ。配線加工や電源線の取り出しといった作業は一切不要で、クルマのUSBポートさえ生きていればすぐに使える。こうした“サッと使える”感覚は、ガジェットへのハードルを一気に下げてくれる。

GPSの恩恵。速度だけでなく位置や方位も丸ごと把握

この製品の最大のポイントは、速度表示が車両側の信号に依存せず、GPS単独で機能することにある。車速パルスの取り出しは車種によっては難易度が高く、そもそも素人が触るべき領域ではない。GPSならその心配もなく、ただ設置するだけでスピードが表示されるのだから気楽だ。

右下の13という数字は受信できている衛星の数で、右上は移動時間などを表示する(任意で変更可能)。

速度の追従性は良好で、実車のスピードメーターとほぼ同じ数値を示す。遅延を体感する場面もなく、デジタル特有の“カクつき”もほとんどない。さらに、単なる速度計ではなく、高度や方位、緯度経度の表示が可能になる点も面白い。走り慣れた道でも、数字として環境が可視化されることで、なぜか旅感が増す。

そしてユニークなのが0-100km/h加速計測だ。もちろんサーキットなど安全な場所での使用前提だが、簡易的に自車のコンディションを把握することにも一役買ってくれる。普段は味わえない“計測遊び”がドライブに少しスパイスを添えてくれる。

視認性は想像以上。昼も夜もくっきり映えるデジタル表示

電源を入れると、発色の良いデジタル表示が鮮やかに浮かび上がる。青、赤、白などの数字がしっかり光り、昼間の強い日差しにも負けない視認性を確保している。夜間になると一気に存在感が増し、車内がちょっと未来的な雰囲気に変わる。いかにも“ガジェットを追加した”という感覚ではなく、純正のインテリアに自然に溶け込むバランスを保っている点は高く評価できる。

エンジンをかければ自動的に動作を開始。

夜間でもしっかりとデジタル表記が一気に華やかさが増す。

表示レイアウトはシンプルで、速度を中心に必要な情報がスッと目に入るように設計されている。こうした“情報の出しすぎない潔さ”は、運転中の視線移動を最小限に抑える上でも重要だ。位置さえ工夫すれば、メーターを見る頻度が確実に減り、運転のリズムが自然に整う。

機能の切り替えは物理ダイヤルで直感的

本体上部に配置されたダイヤル式スイッチは、押し込み操作と左右へのスイングでモードを切り替える仕組みだ。最近はタッチ式のボタンが主流だが、車内での操作性を考えれば物理スイッチの方が圧倒的に扱いやすい。視線を固定したまま指先で操作できるのは、運転中の安心感に直結する。

クルマのスピードメーターと比較してもほぼ同じ数値を表示。遅延も感じない。
※同乗者が撮影

速度表示の切り替え、とくにkm/hとmphの変更は意外と便利で、海外仕様の速度感覚を楽しむこともできる。普段は使わないモードも含め、多彩な表示を自由に選べるのがこの製品の良いところだ。

実用面で見えた“ひとつだけ気になる部分”

ほぼ満足といえる完成度だが、あえて挙げるなら表示パネルの仕様だ。本体全面が発光するわけではなく、必要部分のみが光る構造となっており、表示領域の外側は完全なブラックアウトになる。この“何も写らない黒い面積”が視界の中で少し気になる瞬間がある。

視線移動の少ない場所に設置することで、運転中の情報確認をスムーズに行える。

ただ、これは設置位置との相性にもよるので、使用者によって評価は分かれるかもしれない。特にガラス越しに設置する場合は角度調整で解決することも多く、致命的な欠点とまでは感じない。

もう一点、GPSの性質上、トンネルでは一時的に機能が停止する。ただ、これは全てのGPS機器に共通する宿命であり、仕方のない部分と言える。トンネルを抜ければすぐ復帰するので、実際の使用にはほとんど影響しない。

手頃な価格で“車内の楽しさ”を手軽に底上げするアイテム

総合的に見れば、値段以上の価値を感じさせてくれるガジェットだ。取り付けの簡単さ、情報量の多さ、視認性の良さ、そして操作性。どれも普段の運転を少しだけ豊かにしてくれる。日常のドライブに刺激を加えたい人、車内表示をデジタル化したい人、そして単純に“数字を見るのが好きな人”。そんなドライバーの心を掴む一品だ。

wiiyii GPS速度計G11は、0-100km/hの加速を簡易的に計測することも可能だ。
※同乗者が撮影

まだ試していない機能も多く、これから使い込むほど新たな発見がありそうだ。見た目は控えめでも、運転体験がほんの少しアップデートされる。そんな“ちょい足しギア”として非常に魅力的な存在と言える。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。