
近年、多くの新型車に採用されている「ブレーキホールド」。信号待ちや渋滞時にブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持してくれるこの機能は、ドライバーの疲労軽減に大きく貢献する。しかし、その便利さゆえの「うっかり」が重大な事故を招く恐れがあることを忘れてはならない。国土交通省は動画を通じ、この機能の仕組みと、使用上の厳格な注意点を呼びかけている。
※本記事は、国土交通省の動画を元に作成されています。
●文:月刊自家用車編集部 ●画像引用元:国土交通省・自動車局 審査・リコール課 Youtubeチャンネル
ブレーキホールドの基本動作と作動確認の重要性
ブレーキから足を離しても停車の状態を維持できるブレーキホールド機能。装備されていても、活用していない人もいるかもしれない。実際に機能をONにしても「この表示、なんだっけ?」と、見慣れぬ表示に戸惑う場合も。そこで、ブレーキホールドについて、国土交通省の動画を元に正しい使用方法を見ていこう。
実は、このブレーキホールド機能は自動車メーカー各社でその呼び名が異なる。日産はオートブレーキホールド、三菱自動車はブレーキホーとホールド、トヨタはブレーキホールド、スバルはオートビークルホールドとしているが、本記事では全てブレーキホールドで統一して表記している。
自動車メーカー各社によって、機能の呼び名が異なる。
まず、ブレーキホールドを使用するには、エンジン始動後にシステムをONにする必要がある 。システムが作動準備状態に入るとメーター内にインジケーターが点灯し、車両停止後に「作動中」の表示へと切り替わることで、初めてペダルから足を離すことが可能となる。
ブレーキホールドボタンを押すことで、機能がONとなる。
ここで注意すべきは、ブレーキの踏み込みが甘いとシステムが作動しない点だ。確実にホールドされたかどうか、常にメーター内の表示を目視で確認する習慣をつけることが、安全運転の第一歩である。
確実に作動しているかを表示で確認することでトラブルを回避。
ブレーキホールドの呼び方が自動車メーカー各社で異なることは先に述べたが、作動中の表示に関しても車種によって異なるので、使用する車両の表示をチェックしておく必要がある。
ブレーキホールド作動中の表示は、自動車メーカー各社で異なる。
意図せぬ解除が招く「クリープ現象」と「誤発進」
ブレーキホールドは、アクセルペダルを軽く踏むだけで解除される設計となっている。これが便利な反面、落とし穴にもなる。例えば、停車中に後部座席の荷物を取ろうと身を乗り出した際、誤ってアクセルを踏んでしまい、車両が予期せず前進するケースが報告されている 。
誤ってブレーキペダルを軽く踏むだけでも、ブレーキホールド機能は解除される。
また、シフトを「P(パーキング)」に入れたり、運転席のドアを開けたり、シートベルトを外したりした際にも機能が解除される車種がある。多くの場合は電動パーキングブレーキへ自動で切り替わる仕様だが、過信は禁物だ。車内で大きく体を動かす必要がある場合は、ブレーキホールドに頼らず、速やかにPレンジへ入れるべきである。
意図せずブレーキホールドが解除されてしまうと、事故につながる可能性も。
坂道や路面状況による限界を知る
万能に見えるブレーキホールドだが、物理的な限界も存在する。急な坂道では、システムが勾配を検知してブレーキ力を保持できない場合があり、その際はドライバーにブレーキ操作を促す警告が表示される。それに気づかずにいると、車両はズルズルと動いてしまう可能性がある。
急な勾配でブレーキホールドが停車状態を保持できない場合は、車両が検知してインパネなどに警告を表示する。
さらに、システムが作動していても、路面が滑りやすかったり勾配が急すぎたりすると、タイヤが滑り出して車両が動き出す危険性もある。坂道での停車時は、いつでもブレーキを踏める態勢を維持するか、しっかりと自らの足でブレーキペダルを踏み続けることが推奨される。
急な勾配や悪路では、ブレーキホールド機能に頼らず、ブレーキペダルを踏み続けることでトラブルを回避。
まとめ:機能の限界を理解し、主体的な運転を
ブレーキホールドはあくまで「運転補助機能」であり、自動運転ではない。国土交通省が公開した実験映像からも明らかな通り、表示の見落としやアクセルの誤操作は一瞬で事故に直結する。
便利な技術を正しく使いこなし、快適なカーライフを送るためには、取扱説明書を熟読し、自車の仕様と限界を正しく把握することが不可欠だ。
【国土交通省】正しく使おうブレーキホールド ~正しい使用方法や注意点について~
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