
大きなキャンピングカーでなくても、旅は豊かになる。二人の時間を丁寧に包み込む室内、上質な家具と照明がつくる落ち着き、そして必要十分な装備。ビークルが手がける「ハウベル」は、背伸びしないサイズ感のなかに贅沢を詰め込んだ一台だ。気負わず出かけ、しっかりくつろぐ。そんな旅のかたちを提案している。
●文:月刊自家用車編集部
二人の時間にフォーカスした「ハウベル」という選択
キャンピングカーと聞くと、大人数で使う大型モデルを思い浮かべる人も多い。しかしビークルが送り出す「ハウベル」は、あえて大人2名の就寝を前提に設計されたモデルだ。乗車定員は特設車で5名、DX車で6名を確保しながらも、居住空間は“二人で過ごす心地よさ”に徹底して振り切っている。
室内に足を踏み入れると、まず目に入るのは落ち着いた木目の家具と柔らかな照明。派手さよりも質感を重視したインテリアは、まるで小さなリビングのような安心感をもたらす。キャンピングカーを特別な存在にするのではなく、もっと日常に近づける。ハウベルの思想はそこにある。
価格は現在改定準備中とされているが、狙うのは“気軽に旅へ出る”層。肩肘張らないサイズと装備で、キャンピングカーとの距離を縮めてくれる一台だ。
コの字ソファーが生む、想像以上のくつろぎ空間
スライドドアを開けると、玄関のような広がりを感じるエントランス。その奥に配置されたコの字型ソファーが、ハウベルの象徴とも言える空間をつくり出している。足元にゆとりがあり、向かい合って座れば自然と会話が弾む。食事も、読書も、ただぼんやり過ごす時間も、このダイネットが受け止める。
昼はテーブルを囲むリビングとして機能し、夜になれば背もたれを並べ替えることでベッドへと変わる。サイズは長さ180センチ、幅150センチの最長部を確保。大人二人が横になっても窮屈さを感じにくい広さだ。
さらにテーブルを残したままフラットにできる“お座敷モード”も用意。足を崩してくつろぐ日本的なスタイルを取り入れ、車内とは思えない安堵感を演出する。空間の使い方に無理がなく、自然体で過ごせる点が印象的だ。
使いやすさを磨いたギャレーと水まわり
ギャレーはすっきりとまとめられ、必要な機能を過不足なく備える。給水・排水ともに10リットルタンクを装備し、収納式カセットコンロを内蔵。引き出し式シンクには折り畳み式の調理台が組み込まれ、限られたスペースを無駄なく活用できる設計となっている。
シンクは上からもアクセス可能で、ちょっとした手洗いや水汲みもスムーズ。蓋の裏側には鏡を備え、身だしなみを整える場としても活躍する。旅先での支度が車内で完結するのは心強い。
さらにシンク横には上開き式の40リットル冷蔵庫を標準装備。冷気が逃げにくく、冷凍にも対応する性能を持つ。買い出しを済ませれば、数日分の食材をしっかり保管できる。小さなキッチンながら、実用性は想像以上だ。
収納力と照明演出がつくる“サイズ以上”の満足感
ハウベルの魅力は、見えない部分の作り込みにもある。リアベッドマット下は大型収納庫となり、車内側の扉から長尺物の出し入れが可能。左右シート下にも収納スペースを設け、テーブルポールや支えバーなどを効率よく収められる。マットは跳ね上げ式で、荷物の出し入れも容易だ。
冷蔵庫横には荷物固定用ベルトを配置し、薄型の道具や趣味のアイテムをしっかりホールド。天井左右にはオーバーヘッド収納を標準装備し、ブランケットや衣類も整然と収まる。空間を立体的に使う工夫が随所に光る。
夜になると、ダウンライトと間接照明が室内を柔らかく包む。収納棚下やギャレーにもLED照明を備え、シーンに応じた光の演出が可能。単なる移動手段ではなく、落ち着いて過ごせる“もうひとつの部屋”。ハウベルはその価値を静かに提示している。
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