
東京オートサロンでは、小規模なカスタムショップやパーツメーカーが並ぶブースも見逃せない。ここで注目するのは、金属加工の街として名高い新潟県燕市の「株式会社タカヒロ」が展示していた「カラーレーザーマーカー」という技術だ。
●文/写真:月刊自家用車編集部(橘祐一)
洗っても、擦っても落ちない。レーザーカラーが刻む「究極の耐久印字」
ブースに展示されていた金属製のカップやマフラーのサイレンサーには、鮮やかなロゴやグラフィックが描かれている。一見すると耐熱ステッカーやペイントのようにも見えるのだが、これは染料や顔料による着色ではなく、レーザーを用いたカラー刻印なのだという。
なぜレーザーで色が着くのか? 多くのユーザーが不思議に思うだろうが、その理由は「素材」と「熱」の関係にある。
クルマのマフラーや、バイクのエキゾーストパイプが青や紫に変色する現象は、多くの人が見たことがあるだろう。これはステンレスやチタンに熱が加わることで表面に酸化被膜が生じ、その厚みの変化によって特定の光が反射されるために起こるもので、特にチタンは低い温度で変色しやすいため、鮮やかな発色を活かしたパーツにも多用されている、というわけだ。
グラデーションでカラーを刻印することもできるので、様々なグラフィックを表現できるという。
カップやソーサーなど、素材そのものをカラフルに表現することも可能。
ちなみに市販のマフラーに見られる色彩は、使用時の排気熱ではなく、あらかじめ工場で熱を加えて発色させた状態で出荷されている。マフラーエンドは変色するほど高温にならないためであり、一方でレース車両のエキパイが市販品ほど鮮やかな色になってないのも、自然な排気熱による変色だからだ。
この温度による変色特性を巧みに制御して、金属にカラーでマーキングする技術こそが、オートサロンで作例が展示されていた「レーザーマーカー」になる。
アルミにも刻印は可能だが白っぽい表現となる。カラーで刻印できるのはステンレス、チタンなどに限られる。
レーザー刻印を行うマシンはこれ。最大で60cm四方の素材まで施工が可能という。
従来の刻印技術は白や茶色の焼き色が一般的だったが、照射温度を厳密に管理することで多彩な表現が可能となったとのこと。
単色のみならず、複数の色を組み合わせて文字や絵柄を描き出すこともでき、湾曲部や円錐形への施工はもちろん、コップのような筒状の裏側にまでマーキングが可能だというから驚きだ。
施工サイズは最大600mm角まで対応していて、印字範囲も0.5mmから330mm角までと幅広い。シリアルナンバーやQRコードといった精密な図版も再現できるという。
タカヒロの説明員よると、この技術は自動車パーツに留まらず、カップやボトルなどの既製品にも加工できるとのこと。オーナーズクラブの記念品やショップのノベルティ製作など、活用の幅は非常に広そうに感じる。面白い商材になりそうだ。
カップの内側などこれまで刻印が難しかった部分にも施工可能になったそうだ。
一つの素材にさまざまな色で刻印することができる。光沢あり、なしのどちらの素材でもOKだ。
東京オートサロン2026の「タカヒロ」ブースでは、同社の製品が多数展示。 会場限定の車名が入ったサーモマグカップが人気とのこと。
QRコードやバーコードなどの細かい図案もレーザーで再現することが可能。
フルカラーのロゴも刻印可能。ちなみに株式会社タカヒロはコーヒーポットなどの厨房器具も生産している。
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