
伝統のル・マン24時間レースでトヨタが劇的な逆転勝利を飾った。予選の出遅れやパンク、ペナルティなどの苦境を跳ね返し、7号車(コンウェイ/小林可夢偉/デ・フリース)が激戦を制して優勝。8号車も3位に入りダブル表彰台という素晴らしい成果を上げた。
●文:月刊自家用車編集部
後方からの大逆転劇
2026年6月14日、大観衆が見守るサルト・サーキットで決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)が激戦を制して優勝。8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)も3位に入り、トヨタは通算6度目のル・マン制覇をダブル表彰台で飾った。
予選で出遅れ、後方グリッドからのスタートを余儀なくされたトヨタ。しかし、決勝では序盤から混雑を避ける大胆なピット戦略を敢行した。クリアな視界を得た2台は、ファステストラップを連発しながら猛烈な追い上げを見せ、瞬く間に上位戦線へと復帰する。反撃の始まりだ。
しかし、レース中盤には24時間を戦い抜くル・マンならではのトラブルに苦しめられた。7号車はスローパンクチャーに見舞われ、一時は後退。8号車にいたっては、コースオフ、ペナルティ、さらにブレーキ部品の交換作業が重なり、トップ争いから大きく引き離される不運に見舞われた。
それでも、チームとドライバーは諦めなかった。夜が明け、残り6時間で導入されたセーフティカーを機にレースが大きく動いたのだ。トップ4台による緊迫したドッグファイトのなか、残り3時間で8号車のハートレーと7号車のデ・フリースが相次いで仕掛け、一時はトヨタがワン・ツー体制を築き上げた。
最終局面では燃料とタイヤのマネジメントをめぐる、息詰まる心理戦が繰り広げられた。8号車はタイヤ交換のタイミングで惜しくも3位に一歩後退したものの、首位を守る7号車の小林可夢偉は、午後の路面温度が上がるなかでも冷静沈着な走りを披露。そしてそのまま24時間を走りきり、トップでチェッカーフラッグを受けた。コンウェイと小林にとっては2021年以来2度目、デ・フリースにとっては嬉しいル・マン初制覇となった。
この勝利で、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権でのリードを36ポイントに広げ、7号車のトリオもドライバーズランキングで首位に立った。次戦は4週間後、7月12日に決勝が行われるサンパウロ6時間レース。勢いに乗るトヨタの走りに、さらなる期待がかかる。
ル・マン24hレース結果
| 1位 | 7号車 | トヨタ・レーシング | 381 周 |
| 2位 | 20号車 | BMW・M・チーム・WRT | +10.913 |
| 3位 | 8号車 | トヨタ・レーシング | +20.417 |
| 4位 | 12号車 | キャデラック・ハーツ・チーム JOTA | +32.381 |
| 5位 | 51号車 | フェラーリAFコルセ | +2:22.423 |
| 6位 | 35号車 | アルピーヌ・エンデュランス・チーム | +2:30.205 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
RR+2ストローク3気筒。59年前とは思えない意欲的なメカニズム 現在の軽自動車は、大人4人が乗れる室内空間と、高速道路を無理なく走れる性能を備えています。しかし、360cc規格が定着した1950年代[…]
軽EV「e SKY」は航続310kmへ 今回紹介された「e SKY」は、スズキが開発を進める軽乗用EVだ。プロトタイプの参考値として、一充電走行距離310km、車両重量1030kg、電力消費率97Wh[…]
都市部でも取り回しやすいダイハツ・アトレーをベースに採用 キャンピングカーとしての高い居住性と、日本の道幅にマッチした運転しやすさを両立させるために、ベース車両選びは極めて重要である。多くの車中泊ファ[…]
5年前と比べてクルマの価格は約50%上昇、重量は約10%増加 鈴木社長が示したのは、5年前と現在のクルマを取り巻く状況の変化である。スズキによれば、5年前と比べて平均車両購入価格は約50%上昇。一方、[…]
普段使いと街乗りを完璧にこなす信頼の軽商用バン キャンピングカーとしての優れた機能性と、都市部での軽快な取り回しを両立させる上で、ベース車両の選定は極めて重要となる。多くの車中泊ファンから熱い視線を集[…]
最新の投稿記事(全体)
RVパークHESTA伊豆 車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推進する「RVパーク」は、キャンピングカーやマイカーで旅行を楽しむユーザーに向けた、車中泊専用の[…]
初代(1966年〜)プラスαの発想を取り入れた「80点主義+α」のもと誕生。1.1Lエンジンやフロアシフト4速MTなど先進的な技術を凝縮し、日本のモータリゼーションを加速させた国民的コンパクトカー。 […]
TOYOTAカローラ特別仕様車 ACTIVE SPORT(2WD)価格:323万1800円 若い世代の目に新しく映る「セダン」という選択肢 街を走るクルマを眺めていると、時代の変化がよく分かる。私が運[…]
カメラ接続アダプターRCA124M:価格1万1000円(データシステム) 好きな市販ナビを選びつつ、大画面で安全確認が可能になった! 三菱デリカ D:5は 、オーディオレス 仕様を 基本と[…]
パナソニック ストラーダ パナソニックが選択した市販ナビ市場からの撤退 パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社が、2027年3月をもって市販向けカーナビゲーションおよび専用オプション品の生産[…]
マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリースがドライブした7号車 TR010 HYBRID
24時間を走り切った7号車。多くのギャラリーたちがその偉業を讃えた。
ウインニングランで観客に応えるドライバーたち。
ポディウムで勝利の喜びを分かち合うチームメイトたち。次のレースにも期待が高まる。
- 1
- 2













