
2026年6月29日、沖縄地方が梅雨明けしました。平年より8日遅い夏の到来です。関東甲信地方でも、平年であれば7月中旬〜下旬(7月19日ごろ)に梅雨明けを迎え、本格的な夏がやってきます。
エンジンを止めた車は、真夏日であればわずか15分で人体に危険なレベルの温度に達するとされています。しかも、窓を少し開けていても、日陰に停めていても安心はできません。
本格的なレジャーシーズンを迎える梅雨明けは、車で出かける機会が増える時期。しかし実は、この「梅雨明け直後」こそ一年で最も熱中症のリスクが高まるタイミングでもあります。身体がまだ暑さに慣れておらず、特に乳幼児は大人以上に熱中症になりやすいためです。
さらに、乳幼児の熱中症による死亡事故の78%が車内で発生しているというデータもあり、車を利用するすべてのドライバーが知っておきたい危険が潜んでいます。
●文:月刊自家用車編集部
梅雨明けに子どもの熱中症が増える理由
梅雨明けや梅雨の晴れ間は、気温だけでなく湿度も高くなります。人間は汗が蒸発することで体温を下げていますが、湿度が高いと汗が蒸散しにくくなり、身体から熱を逃がせなくなります。
さらに、この時期はまだ「暑熱順化(身体が暑さに慣れること)」が十分に進んでおらず、急激な気温上昇に体温調節機能が追いつきません。いわば「夏仕様になっていない身体」のまま、高温の車内という過酷な環境に置かれることが、熱中症のリスクを一気に高めてしまうのです。
少しずつ体を夏使用に変えていこう。
車内温度は15分で危険レベルに 窓開け・日陰でも安心できない
「コンビニに数分だけ」「子どもが寝ているから起こしたくない」。
そんな判断が命取りになる可能性があります。
気温35℃の日に屋外へ駐車した車は、エンジン停止からわずか15分で人体に危険なレベルまで車内温度が上昇します。
さらに注意したいのが、「窓を少し開けているから大丈夫」「日陰だから安心」という思い込みです。
実験では、窓を約4cm開けても車内温度の上昇はほとんど抑えられず、日陰に停めても日なたとの温度差は約7℃程度にとどまることが示されています。つまり、危険な温度まで上昇すること自体は避けられません。
子どもの車内熱中症が重症化しやすい理由
乳幼児は、大人よりも熱中症になりやすい身体的特徴があります。
- 汗腺が未発達で汗をかきにくく、熱を逃がしにくい
- 体重あたりの体表面積が大きく、外気温の影響を受けやすい
- 背が低いため、地面やアスファルトからの照り返しを強く受ける
- 自分で体調不良を訴えたり、暑い場所から移動したりできない
また、子どもの体温は成人の3~5倍のスピードで上昇するとされており、短時間でも急速に重症化する恐れがあります。
子どもの車内熱中症を防ぐためにドライバーができること
乳幼児は、自分で暑さを避けたり、体調不良を訴えたりすることが難しいため、大人が環境をコントロールすることが何より重要です。
特に意識したいポイントは次の3つです。
- たとえ5分でも子どもを車内に残さない
- 暑さ指数(WBGT)を確認し、28以上では特に注意する
- ぐったりしている、反応がおかしいなどの症状があれば迷わず119番通報する
暑さ指数(WBGT)は気温だけでなく湿度や輻射熱も考慮した指標で、28を超えると熱中症リスクが急増し、31以上では運動は原則中止とされています。
熱中症の危険度を判断するために気温・湿度・日射(輻射熱)・風の要素を取り入れた指標
「少しだけ」が命取りになることも
梅雨明けの開放感から、「少しだけだから」「寝ているから起こすのはかわいそう」と考えてしまう場面はあるかもしれません。
しかし、車内温度はそのわずかな時間で急激に上昇します。乳幼児の熱中症による死亡事故の多くが車内で起きているという事実を忘れず、子どもを車内に残さないことを徹底することが、この夏、大切な命を守る最も重要な熱中症対策になります。
たった5分でも、絶対に子どもを車内に残さないように徹底しよう。
※本記事は、小児科専門医による書籍「小児科医が教える子どもを事故から守る本」で紹介されている内容をもとに、車内熱中症に関する情報を再構成してお届けしました。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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