
ホンダアクセスは、フィットのマイナーモデルチェンジと同時にフィット用の手動運転補助装置「Honda・テックマチックシステム」の一部改良を発表。全国のHonda Carsで2026年7月10日から発売を開始した。今回の改良では、マルチビューカメラシステム(MVCS)搭載車への適用を新たに拡大したほか、各アイテムの機能向上や使い勝手の改善が図られている。価格は1万2100円〜34万1000円(取付工賃別)。また、両上肢が不自由な方が両足だけで運転操作できる運転補助装置「Honda・フランツシステム」も2026年秋に新型フィット向けに適用する予定だ。
●文:月刊自家用車編集部(清水) ●写真:株式会社ホンダアクセス
50年続く「運転したい」という願いへの答え
左足用アクセルペダル〈Bタイプ〉。写真は旧型フィットのもの。
「Honda・テックマチックシステム」は、手足の不自由な方が手だけでの運転や、左足でのアクセル・ブレーキ操作を行えるように開発された、伝統あるホンダ純正の運転補助装置。初代シビック(1976年)への搭載以来、なんと50年にわたり改良を重ねながらハンディキャップを持つドライバーの「自分で運転したい」という想いを支え続けている。
ハンドル旋回ノブ〈Aタイプ〉ホーンスイッチ付き。写真は旧型フィットのもの。
今回の一部改良では、ユーザーからの「マルチビューカメラシステム装備車でもテックマチックシステムを使いたい」という熱い要望に応える形で適用を拡大。
身体が不自由なドライバーにとって、後退時や狭い路地などで車両周囲を直接目視する際、体をひねる動作は大きな負担となる。複数のカメラ映像をナビ画面に表示して死角を減らす「マルチビューカメラシステム」が併用可能になったことで、運転時の身体的負担が大幅に軽減され、より安心・安全で快適なドライブを楽しめるようになった。
多様なニーズに応える充実のラインアップ
左手用ウインカーレバー〈Lタイプ〉。写真は旧型フィットのもの。
今回の新型フィット用Honda・テックマチックシステムは、e:HEV(ハイブリッド)車とガソリン車の双方に対応。上肢・下肢・体幹それぞれの不自由さに合わせた4種類のメインアイテムと、サポートアイテムで構成される。
サポートアイテム/ペダル誤操作防止プレート(Dタイプ用)。写真は旧型フィットのもの。
・手動運転補助装置〈Dタイプ〉(マルチビューカメラシステムあり:34万1000円/マルチビューカメラシステムなし:33万円)
両足の不自由な方向けに、左手だけでアクセルとブレーキの操作を可能にするシステム。コントロールグリップにはウインカーやライト(ハイ/ロー切り替え)、ブレーキロックなどの主要スイッチが集中配置されており、握ったままでスムーズな操作が行える。また、取り付け部をセンターコンソール側に配置することで、足元スペースが広々と確保されているのも特徴。
・左足用アクセルペダル〈Bタイプ〉(9万3500円)
右足の不自由な方向けに、左足だけでアクセル・ブレーキ操作を完結できるシステム。誤操作を防ぐため本来の右アクセルペダルは固定されるが、ノブ操作によって簡単に右足操作へ切り替えることも可能なため、家族での共用にも配慮されている。
・ハンドル旋回ノブ〈Aタイプ〉(1万3750円)
片手の不自由な方が、持ち手を変えずに片手でスムーズにステアリングを回せる回転式ノブ。
・左手用ウインカーレバー〈Lタイプ〉(1万2100円)
左手側でウインカー操作を行えるようにするレバー。
その他、Dタイプ用の「ペダル誤操作防止プレート(2万7500円)」や、Bタイプ専用設計の「フロアカーペットマット(1万9800円)」などのサポートアイテムもラインアップされている。
※専門工賃が別途必要。取り付けは資格が必要な専門店にて実施。
●適用フィット型式
e:HEV:GR3-150/GR3-830/GR4-130/GR4-830/GR6-130/GR8-130/GR3-730/GR4-730/GR6-730/GR8-730※Honda・フランツシステム装着車には「左手用ウインカーレバー〈Lタイプ〉」のみ装着可能。
ガソリン車:GS4-110/GS4-810/GS6-110/GS6-810
最新装備の進化は「誰もが使えること」が重要
近年のクルマは、先進運転支援システム(ADAS)や360度カメラなど、安全装備の進化が著しい。しかし、本当に価値があるのは、それらの技術をより多くの人が利用できることだ。
マルチビューカメラシステムは、クルマの前、横、後ろの死角を見える化するシステム。フロント/リア/左右ドアミラー下のカメラから得た情報をコンピューターが解析し、クルマを上空から見下ろしたように路面を映し出す「グラウンドビュー」をはじめ、状況に応じた映像をナビ画面に表示する。身体が不自由なドライバーにとって、後退時や狭い路地などで車両周囲を直接目視する際、体をひねる動作は大きな負担となる。複数のカメラ映像をナビ画面に表示して死角を減らす「マルチビューカメラシステム」が併用可能になったことで、運転時の身体的負担が大幅に軽減され、より安心・安全で快適なドライブを楽しめるようになる。
ホンダアクセスには、システムを使い続けてきたユーザーからこんな言葉が届いているという。
「テックマチックシステムを使うようになってから運転できることで行動範囲が広がり、自分のペースで自由に移動できるようになりました」「22歳から運転と共に有限の時間を過ごしてきました」こうした声が、50年間この装置の開発が続けられてきた理由を物語っている。
今回のHonda・テックマチックシステムの改良は、最新安全装備をより幅広いユーザーが活用できるようにした点に大きな意味がある。運転補助装置は特別な装備ではなく、「誰もが運転する楽しさを諦めないための技術」。ホンダが約50年にわたって積み重ねてきた取り組みは、クルマづくりの原点ともいえる”人に寄り添うものづくり”を改めて感じさせる内容となっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
トヨタ車で見かける小さな突起。実は走行性能に関わるパーツだった! 街中を走るトヨタ車をよく観察すると、ドアミラーの付け根やテールランプの側面などに、小さな突起が設けられていることがある。デザイン上のア[…]
使っていないUSB端子が、愛車をドレスアップする場所に変わる!? 愛車のインテリアにちょっとした変化を加えたい。そう思っても、内装パーツの交換や本格的なイルミネーションの設置となれば、費用も手間もかか[…]
雨の日に意外と困る「ドアミラーの水滴」 雨天時の運転では、フロントガラスならワイパーで視界を確保できる。サイドウインドウも、走行中であれば風によってある程度水滴が流れ、どうしても見えにくければ窓を一度[…]
57年前とは思えない美しいデザイン。セダンとは異なる設計を採用した高級クーペ 1967年5月、マツダは世界初の量産2ローターロータリーエンジン車「コスモスポーツ」を発売し、自動車業界にその技術力を知ら[…]
納車後でも遅くない!歴代ランクルの遺伝子を宿す「丸目」へのフェイスチェンジ 「角目デザインも良いけれど、ランクルらしいクラシカルな丸目スタイルにも惹かれる」そんなオーナーの悩みに応えるカスタマイズが登[…]
最新の投稿記事(全体)
艶やかなブラッククロームが魅せる「Black Sports Style」 今回のマイナーモデルチェンジに合わせて仕立てられた「Black Sports Style」は、SUVならではの力強い佇まいに、[…]
エントリーグレードの「快適装備・後席おもてなし力」が大幅向上! エントリーモデルだからといって妥協させないのが、今回のヴェゼル改良における大きな見どころだ。 エントリーグレードの「G」およびハイブリッ[…]
鍛造19インチ&Mコンパウンド・ブレーキを装着し、コーナリング性能を大幅強化 今回登場した「Apex Edition」は、サーキットで培った技術を取り入れたMパフォーマンス・モデルをベースに、さらに走[…]
納車後でも遅くない!歴代ランクルの遺伝子を宿す「丸目」へのフェイスチェンジ 「角目デザインも良いけれど、ランクルらしいクラシカルな丸目スタイルにも惹かれる」そんなオーナーの悩みに応えるカスタマイズが登[…]
現地価格は2万4870ユーロ(約440万円)から。 新型ルノー5は、アイコニックなデザインと先進テクノロジー、そしてルノーならではの走りの楽しさを融合させた注目のコンパクトEV。 2024年のジュネー[…]
- 1
- 2














