
夏休みを控えた7月11日(土)、12日(日)の2日間、東京ビッグサイトで「東京キャンピングカーショー2026」が開催された。今回は全国から74社が参加し、238台ものモーターホームやキャンピングトレーラーを出品。会場には多くのオーナーやアウトドア・旅好きが集まり、連日大盛況となった。
●文/写真:月刊自家用車編集部(竹野由志雄)
「JRVA」が仕掛ける、関東屈指のビッグイベント
東京キャンピングカーショーは、国内のキャンピングカー関連企業で構成される業界団体「JRVA(日本RV協会)」が主催するイベントの一つだ。特に関東では、2月に幕張メッセで開催される「ジャパンキャンピングカーショー」、今回の「東京キャンピングカーショー」、そして9月にパシフィコ横浜で行われる「横浜キャンピングカーショー」が、規模・出品台数ともに三大イベントとして知られている。
これらのショーは単なる展示会にとどまらず、購入を検討している潜在オーナーのための「商談会」の側面も強い。来場者にとっては「買いたい」車両をひとつの会場でじっくり見て、触って、体験できる機会であり、出展社にとっては「売りたい」車両を多くのファンにアピールして成約につなげる絶好の商機。そのため、会場全体がクルマへの強い「熱気」に包まれているのが大きな特徴だ。
東7・東8ホールの広大な会場には、キャブコン(トラックベース)、バンコン(バンベース)、バスコン、軽キャンパー、トレーラーハウスなど多種多彩な238台がズラリと並んだ。
来場者たちは各車両を熱心に見定め、特に重要となるインテリアの快適性や使い勝手をチェック。気になる車両の室内に入り、スタッフの説明を聞きながら乗り心地を確認していた。
東7ホールの入り口そばに設けられた「ナッツRV」のブースでは、バスコンバージョン(通称バスコン。バスやマイクロバスをベースに架装した大型キャンピングカー)「ボーダーバンクス」の内装がひと目でわかるスケルトンデモカーが展示されていた。
東7ホール入口には1972年の1号車リリース以来、ジュラルミンのボディで作り続けられた米国エアストリームのトレーラーハウスを展示。キッチン、リビング、ベッドとまさに「ハウス」な高級キャンパーだった。
ベース車が入手困難になっている、ハイエースベースのバンコンがダントツの人気
日本のキャンピングカーシーンで特に高い人気を誇るのが、バンコンバージョン(バンコン)だ。トヨタ・ハイエースや日産・キャラバンといったワンボックスカーをベースに、ベッドキットやシンクを組み込んだ仕様で、取り回しの良さから普段使いと兼用するユーザーが多い。
なかでも圧倒的な需要を誇るのがハイエースだが、このモデル、ここ数年のあいだメーカーサイドの生産停止の影響もあって車両の供給が著しく滞っていて、現在はバックオーダーが続いている。
それでも会場にはハイエースベースのバンコンが数多く展示され、次いでキャラバンが続く状況だった。そして、少し気になったのが、そのキャラバンもベース車の供給が順調ではなくなってきた、という話だ。
バンコンバージョンはベース車の生産が停まっている今でもハイエースがダントツの人気(白いボディはナッツRV架装のバンコン)。ダイレクトカーズは北斗の拳コラボの「世紀末車中泊伝説」という名のバンコンを製作・展示していた。
フィアットの商用バン「デュカト」ベースのバンコンが急増中
そんな流れは国内キャンパービルダーもキャッチアップしており、新しいベース車探しに躍起になっている。
そこで大きな存在感を持ちつつあるのが、イタリア・フィアット社の商用バン「デュカト」をベースにしたバンコンだ。
大手国内ビルダー各社がこぞって専用モデルを開発しており、今回も多くのモデルがお披露目されていて、いずれも車体の大きさと室内の広さをフルに活かし、本格的なキャブコンを凌ぐほどの上質なキャビンに仕上げている。もちらろん居住性も負けていない。
ベースモデル自体の価格が高めとあって、ワンボックスカーをベースとしたモデルよりもお値段は高めになるが、多くの来場者が本気でチェックしている姿も目立つなど、完全に市民権を得たように思える。
韓国発のEVバンコンが日本初上陸
また新たなベース車として、韓国キア(KIA)社のEVバン「PV5」をベースとしたバンコンも見受けられた。同車の国内販売代理店ライセンスを取得した「トイファクトリー」「LACモービル」「ダイレクトカーズ」「ホワイトハウス」などの老舗ビルダーが、車中泊仕様やポップアップルーフ仕様のデモカーを展示。どうやらキャンピングカーの世界でも、EV化の流れが始まるのかもしれない。
韓国キアのEVバン・PV5がバンコンのベースとして日本に上陸。早くも国内のキャンピングカービルダー数社が車中泊仕様車やポップアップルーフ車などのキャンパーを製作・展示していた。
軽バン・軽トラベースの「軽キャン」の新作も披露
震災やコロナ禍を機に需要が急増した「軽キャン(軽自動車ベースのキャンピングカー)」の人気も健在だ。会場には新作の軽バンコンや軽キャブコンが多数出品された。特に若いカップルやシニア夫婦の「旅の足兼・宿」として支持されており、スズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼットをベースにしたモデルが多く見られた。
ほかにも会場では車両だけでなく、サイドオーニング、エアコン、ポータブルトイレ、冷蔵庫、ポータブル電源といった専用パーツや、キャンプ用品の展示即売ブースも充実。どのショップも格安価格とあって、多くの買い物客で賑わっていた。
キャンピングカー専用パーツやキャンプ用品の販売ブースも多数出展。キャンプマニア歴40年の筆者も、ヘッドランプを格安で衝動買い。
アウトドア人気健在を印象づけ、2日間大盛況のうちに幕を閉じた東京キャンピングカーショー。この後も、8月29日(土)・30日(日)にアクセスサッポロで「北海道キャンピングカー&アウトドアショー2026」、9月26日(土)・27日(日)にパシフィコ横浜で「横浜キャンピングカーショー2026」が開催予定だ。今後の展開にもぜひ期待したい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
街乗りも遠出も楽々にこなす大人気軽バンの優れたポテンシャル キャンピングカーとしての優れた居住性と、日本の細い道路事情にマッチした取り回しの良さを両立させるために、ベース車両選びは極めて重要である。多[…]
気になる小キズ、DIY補修は「難易度」がネック? 洗車時や日常の走行中に付いてしまうドアノブ周りの爪キズ、浅いすり傷、洗車キズ。これらは愛車の美観を損ねる原因となるが、「プロに頼むと費用がかかる」「か[…]
平日は便利なファミリーカー、週末は極上の移動式リビング キャンピングカー選びにおいて、日常での実用性とアウトドアでの居住性の両立は、多くのファミリーが直面する大きな課題だ。普段の街乗りを犠牲にすること[…]
ガソリン代を気にせず旅ができる画期的な新型軽EVをベースに採用 キャンピングカーとしての使い勝手と、日々の運転での取り回しの良さを両立させるために、軽自動車サイズは圧倒的な強みを持つ。しかし、従来の軽[…]
普段使いしやすいミニバンサイズの優秀なベース車両 キャンピングカーとしての優れた居住性と、日本の道路事情における扱いやすさを高い次元で両立させるために、ベース車両の選択は極めて重要となる。絶大な信頼を[…]
最新の投稿記事(全体)
「昔買ったDVD」が、長距離ドライブで役に立つ DA-DVD03は、一部のトヨタ/レクサス車に搭載されているディスプレイオーディオPlusにUSB接続することで、市販のDVDを車内で再生できる車載用D[…]
車中泊ニーズも考慮した、アウトドア好きに刺さる限定モデル 都会的なスタイルとアウトドアスピリットを融合した限定モデル「コマンダー オーバーランド フィールドスタイル エディション」は、アウトドアライフ[…]
カスタムG-T アナザースタイルパッケージ 予防安全機能「スマートアシスト」を進化 今回の改良では、衝突回避支援システム「スマートアシスト」の機能を強化。最新のステレオカメラを採用することで、検知対象[…]
シックなアースカラーをはじめ魅惑の新色ラインナップを追加 コンパクトなボディでありながら広大な室内空間を持ち、ファミリー層を中心に根強い人気を誇る「トール」。 今回の一部改良ではカラーバリエーションの[…]
ブラックのアクセントが際立つ、特別仕様車「デイリーツール」登場 2003年の誕生以来、大空間をもつ「スーパーハイト系」というジャンルを開拓し、子育て世代をはじめ幅広いユーザーから高い支持を集めるタント[…]
- 1
- 2






























