
バンをベースにしたキャンピングカー(バンコン)を選ぶ際、多くの人が直面するのが「夏の車中泊をどう快適に過ごすか」という課題だろう。簡易的なポータブルクーラーでは冷えが物足りず、かといって本格的なエアコンはバッテリー消費が激しく実用性に欠けることが多い。そんな課題に対して、電装系のアプローチから見直すことで、一つの現実的な解答を示しているのが、国内有数のキャンピングカービルダー「ナッツRV」からリリースされている「リークⅢ EVOLITE(エボライト)」というハイエースキャンパーだ。
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:竹野由志雄
夏の車中泊の課題を、最新の電装技術で解決
「リークⅢ EVOLITE(エボライト)」のベース車となっているのは、扱いやすさと室内の広さに定評があるトヨタ・ハイエースのスーパーロング車。そのシンプルな外観の中には、独自開発の超急速走行充電システム「エボライト」を筆頭に、ナッツが展開している上級モデル譲りの技術装備が盛り込まれている。
ナッツRVのハイエースベース・バンコン「リークⅢ エボライト」。独自の充電システム&家庭用エアコンの採用に加え、ハイルーフがもたらす開放的な室内スペースと優れた断熱遮音性能もアピールしていた。
一晩中使えるエアコンと、翌日の走行で復帰する高い充電能力
最近は「寝られればOK」から「快適に過ごせる」というユーザーニーズの変化もあり、バンコンの中心価格帯が上昇している。それに伴い、家庭用エアコンを装着するモデルも珍しくなくなっているが、バッテリーの持ちや使用後のリカバリー(充電能力)は、各社各モデルごとに性能差が激しいのが実情だ。
今回取材したモデルに搭載されるエボライトシステムは、充電効率が非常に高く、エアコンを一晩使用した翌日でも、4〜8時間ほどの走行でバッテリーをフル充電にすることが可能。これにより、連泊するような旅であっても、電力不足でエアコンが使用できないといったリスクを大幅に軽減できるという。
さらに遮音遮熱性能も入念に煮詰められており、ポリウール素材を用いた独自のウルトラ断熱システム「エアフォリア」が施され、車内の気密性と断熱性を確保している。エアコンの冷気を無駄にせず、同時に車外の騒音を抑える吸音効果も持たせていることも強みだ。
キャビン内には家庭用エアコンが美しくインストール。同社独自の充電システム「エボライト」と組み合わされることで、蒸し暑い日本の夏の夜でも快適な時間を約束してくれる。
出窓状のベイウインドウとアクリル二重窓を採用。車体を拡張しつつ、独自の高機能断熱材と相まって、外気温の影響を遮断してくれる。
エントランス横には機能的なキッチンスペースを配置。上開きの40L冷蔵庫もスマートに配置される。
圧倒的な自由度と、道具としての完成度も見逃せない
室内レイアウトは、セカンドとサードシートにリクライニング可能なFASP(多機能)シートを採用し、前を向いての走行から対面ダイネットへの変更、さらにはフルフラットベッドへの展開がスムーズに行える。
ベッドの下には広大なラゲッジスペースが設けられており、ベッドを設置したままでも荷物の出し入れができるため、車内が散らかりにくい仕様となっている。
大人4人が就寝できる広大な常設ベッド。ベッドを設置したままでも展開時に荷物を移動させる必要がないレイアウトということも秀逸。旅の疲れを優しく癒やしてくれる機能的な設計が見てとれる。
洗練されたモダンなインテリア。上部には室内空間を広く見せるためにフラット化された収納庫が配置される。
リヤゲートを開けるとベッド下に広大なラゲッジスペースが現れる。アウトドアギアや大きな荷物はぜんぶ収納可能。
常設ベッド下には電子レンジがビルトイン。高機能を上手に収める老舗らしいレイアウトも見どころ。
旅での滞在先を考えるとき、ビジネスホテルは手軽で快適な選択肢だが、チェックインの時間に縛られたり、観光地から離れた場所にしか空室がないといった制約も多い。
しかし、しっかりとした空調と断熱、そして実用的な電装機能を持つモデルならば、景色の良いRVパークや静かな車中泊スポットをそのままプライベートな滞在先に変えることができるというわけだ。
過度な豪華さではなく、移動と滞在をストレスなく行うための「道具としての完成度」を突き詰めたこのハイエースキャンパーは、ビジネスホテルに泊まる以上の自由度と快適性をバランスよく両立させた、日本の旅事情に実によく馴染む一台に思える。
圧倒的な開放感と機能美でも注目を集めていた「リークⅢ エボライト」。人気のハイエースキャンパーが即納車(1台)ということも注目されていた。展示車両の価格は装備品含めで1031万4460円。
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