
ホワイトハウスキャンパーが手掛けるハイエースをベースにしたキャンピングカー「コンパスグランド」。特設のグランドハイルーフとエクステンションボックスによって、従来のバンコンでは実現できなかった広さと快適性を確保。常設三段ベッドや明るい採光性、充実した電装システムなど、まさに“第二の我が家”を実現する一台となっている。ファミリーでの長旅や、仲間との自由な時間を支えるための設計思想が詰まったモデルだ。
●文:月刊自家用車編集部
第二の我が家を目指した設計思想
コンパスグランドのコンセプトは「第二の我が家」。旅先で過ごす時間が特別であると同時に、普段と同じように安心して眠り、くつろげる空間を提供することを目指している。従来のキャンパーではハイルーフに小窓しかなく、光や風の取り込みに限界があった。そこで電動ファン付きの天窓や大型サイドウインドウを採用し、自然光と風が心地よく流れる室内を実現している。快適な睡眠や健康的な旅のために考え抜かれた設計といえる。
グランドハイルーフが生み出す開放感
最大の特徴は特設のグランドハイルーフだ。流線的なフォルムの内部には、常設三段ベッドが組み込まれている。最上段にはアクリル二重窓と電動ファン付き天窓が設けられ、昼間は光に包まれるような明るさ、夜は涼やかな風を取り込む通気性を確保。天井高をしっかり確保したことで圧迫感がなく、立って移動できる快適さがある。バンコンの枠を超えた広さを実感できるのがこのモデルの強みだ。
常設三段ベッドで叶う快適な眠り
コンパスグランドには常設の三段ベッドが備わっている。最大2000×1170mmという広さで、大人二人が余裕を持って横になれるサイズを確保。ダイネットとは分離しているため、食事や団らんの時間と睡眠の時間をしっかり区切ることが可能だ。さらに分割式のベッドマットを採用し、大きな荷物を収納する際にも対応。旅のスタイルに合わせて柔軟に使いこなせる機能性が魅力となっている。
冬でも安心のクリーン暖房システム
寒冷地や冬の旅行にも対応できるように、コンパスグランドにはFF式のエアヒーターが搭載されている。微量のガソリンを燃焼させて作動するこの暖房は、エンジンを停止していても稼働可能。外気を取り込み、排気も車外へ放出する仕組みのため、車内の空気を汚さず臭いもない。効率よく暖を取れる省エネ設計で、夜間の快適な睡眠を確保するだけでなく、冬場の車中泊を大きく変えてくれる装備だ。
家庭的な雰囲気を演出するインテリア
車内にはホワイトウッド調の家具を採用し、柔らかな光を反射させることで高級感と清潔感を演出している。1口コンロ付きシンクや40L冷蔵庫など、必要な設備がコンパクトにまとめられ、日常生活に近い感覚で使えるのが特徴だ。さらに集中スイッチが設けられており、照明や電装の操作が一括で行える利便性も兼ね備える。まさに旅先に持ち込む“我が家の延長”と呼べるインテリアになっている。
快適な通気を確保するフライスクリーン
大きなスライドドアを生かすため、専用設計のフライスクリーンシステムを搭載。少ない力で開閉でき、虫の侵入を防ぎながら風を取り込める。夏場でも快適に過ごせる工夫であり、アウトドアで自然とつながる時間をさらに心地よいものにしてくれる。キャンピングカーでありながら、住宅の網戸のような感覚で使える点が、長期滞在時の快適性を大きく高めている。
荷物を気兼ねなく積めるラゲッジスペース
ワイドボディを活かした荷室スペースは、アウトドアギアや旅行用の荷物を余裕を持って積載可能。ギャレー周りの収納も十分に確保され、食器や調理器具を整理整頓できる。長旅では荷物が増えがちだが、収納の自由度が高いため煩雑にならない。家族や仲間と出かけるときも、全員分の荷物をしっかりと収められる安心感がある。
電装システムと冷房オプション
電源装置にはリチウムイオンバッテリー210Ahを搭載し、過放電を防ぐモニターや大電流走行充電器を備える。これによりオプションのDCクーラー「クールスター」を約6時間稼働でき、夏場の暑さにも対応可能。従来の鉛バッテリーでは実現できなかった長時間駆動を可能にし、キャンパーの快適性を大きく引き上げている。まさに現代的な旅のニーズに応える電装環境といえる。
エクステンションボックスが広げる空間
車体右側に設置されたFRP製のエクステンションボックスは、流れるようなデザインで車体と一体化。室内空間をさらに拡張し、三段ベッドの搭載を可能にした。見た目の美しさと機能性を両立した設計は、ホワイトハウスキャンパーならではの提案だ。外観に独自性を与えながら、室内では広さと収納力を両立させる重要な装備となっている。
光と風を味方にした大空間の魅力
コンパスグランドは、ただ広いだけではなく光と風をどう取り込むかにこだわっている。アクリル二重窓と天窓を通じて差し込む光、通り抜ける風は、室内を常に心地よい状態に保つ。閉ざされた空間でありながら、開放感を持って過ごせるのは大きな魅力だ。旅を続ける中で、どれだけ自然に近い空間を維持できるか。その答えを形にした一台といえる。
写真ギャラリー
ベース車両はトヨタのハイエース
車内はシートとフラットスペースを組み合わせたレイアウト。
前方にはフリップダウンモニターが設置されている。
バックドア側から見た車内。後部はフラットシートが二段になっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ネジのトラブルの代表例、溝がつぶれてしまった場合の対処法 自動車のメンテナンスを自分で行う場合、ドライバーを使用してネジを外すという作業は基本中の基本となる。また、日常においてもドライバーを使用した作[…]
邪魔になりがちなサンシェードを、サンバイザーに収納するという発想 5月ともなると日差しも徐々に強くなり、地域によっては真夏日を記録するなど、2026年の夏も強烈な暑さになりそうな雰囲気も漂わせている状[…]
誰もが憧れた秘密基地を再現するジャストサイズの軽キャンパー 今回紹介するのは、キャンピングカーの老舗ビルダーであるホワイトハウスキャンパーが手掛けた、遊び心あふれる軽キャンパー「N-VAN コンポ」だ[…]
操縦安定性の研究者が提案したミッドシップは小型車のスタディだった エンツォ・フェラーリ、フェルディナント・ポルシェ、フェルッツィオ・ランボルギーニなど、世界的なスーパースポーツカーには、夢と情熱でそれ[…]
最終型に「プロ」の顔を移植する背徳感 会場で一際赤い輝きを放っていた初代シティ。ベースは最終型ということだが、初期に登場した1981年式の商用バン「シティプロ」のグリルやフェンダーミラーを移植した「先[…]
最新の投稿記事(全体)
物流のプロたちが投げかけた「本気の質問」 「ジャパントラックショー」は、大型トラックや物流システムが主役の硬派な展示会だが、フィアットブースに展示されていた2台の商用モデルは、スタイリッシュなスタイリ[…]
「ラグジュアリー=大排気量」にあらず 約16年ぶりにフルモデルチェンジした新型エルグランド。最大の見どころは、日本におけるラグジュアリーミニバンの先駆者として、今の日産が考える最高峰のラグジュアリーを[…]
サンシェードを使用しても、車内の温度上昇は避けられない まだ5月だというのに、すでに各地で真夏日を記録。日差しの強さを実感している人も多いのではないだろうか。また、クルマで出かけた際にも、強烈な日差し[…]
欧州で圧倒的な人気を誇るベストセラーを日本仕様に 今回紹介するのは、キャンピングカーの製造で国内トップクラスの実績を誇るナッツRVが手掛けた、フィアットのデュカトをベースにしたキャンピングカーだ。ベー[…]
EVバンシリーズKia PBVのみを販売 Kia PBVジャパンは、日本国内における第一号直営ディーラー「Kia PBV東京西」を5月15日にオープンした。 そのメディア向け発表会では、発売予定のKi[…]
- 1
- 2



























