
この夏に、約16年ぶりにフルモデルチェンジされる新型エルグランド。待ち望んでいたファンも多いだけに、どのような進化を遂げたのか?気になって仕方がないユーザーも多いはずだ。正式発売前に実施された事前試乗会で確認できた、進化した走りの詳細をお届けしよう。
●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久
「ラグジュアリー=大排気量」にあらず
約16年ぶりにフルモデルチェンジした新型エルグランド。最大の見どころは、日本におけるラグジュアリーミニバンの先駆者として、今の日産が考える最高峰のラグジュアリーを再構築してきたことだろう。
とくに走りの面では、「ラグジュアリー=大排気量」という古い価値観を捨てたことが見逃せないポイントになる。
パワートレーンは、効率を高めた発電特化型エンジンと、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つをひとつのユニットにまとめた最新型「e-POWER」が選択され、駆動方式は電動四輪制御技術「e-4ORCE」を採用するなど、日産の最新システムが投入される。
足回りも豪華で、走行シーンに応じて4輪の減衰力を可変させるインテリジェントダイナミックサスペンション(IDS)により、極上の乗り心地を追求。IDSとe-4ORCEの調整で変わる6つのドライブモードが用意されることで、ドライバーの好みに合わせた走行感覚を追求することも可能としている。
第三世代e-POWERと電動四輪制御技術「e-4ORCE」を搭載したことで、従来のミニバンイメージとは異なる走り味を獲得。
前後モーターの駆動力配分の恩恵もあって、乗り心地にも安心感があることも特徴。ハンズオフ走行が可能な最新の「プロパイロット2.0」と「プロパイロット」も用意されるなど、運転支援機能の充実ぶりもセールスポイントになるだろう。
「5-in-1 e-POWERパワートレインユニット」で構成される最新の第3世代e-POWERを搭載。
卓越した電動駆動制御が、ドライブの楽しみ方を多彩なものに
今回試乗した新型エルグランドは、2列目が豪華なキャプテンシートとなる3列シート7人乗り仕様。
運転席に収まると、デザイナーズホテルのラウンジのようなモダンな雰囲気が印象的だが、スッキリとした運転席からの視界や、14.3インチ大型ディスプレイがセンターに収まるインパネレイアウトも、ゴチャゴチャした雑音がなく、とても新鮮に感じる。
運転席シートは、立体感のあるしっかりとした造りで、サポート性も良好なタイプ。2列目シートの座面はさらにゆとり感が増すことで、座り心地はさらに高まる。センターコンソールまわりも幅広で高さがあり、ここからもゆったりとくつろげる感が高まってくる。
まさに正統派ラグジュアリーというキャビンだが、走りも期待どおり。特にドライブモードの出来の良さが強く印象に残る。
ドライブモードの「STANDARD」で走り出すと、軽やかさの中にもしっかりと重厚な加速Gが感じられ、「いいクルマを運転している」という気分が一気に高まってくる。
直線ではペダルに意思が直結しているかのようなリニアな加速フィールが気持ちよく、カーブでは路面を捉える接地感がしっかりと感じられる。とくに高速コーナーのビタっとした安定感は、ミニバン特有の背の高さを忘れさせるほどだ。
次に「SPORT」モードを選択してみると、アクセルオフでの減速力が約3倍となることもあって、タイトなカーブでのカッチリ感がさらにアップ。クルマを操る感覚もより強まってくる。
「COMFORT」モードに変えてみると、こちらでは打って変わってステアリングフィールが軽くなり、リラックスして運転することができる。このモードでは、後席の揺れを抑えるかのように、路面の凹凸のいなし方がなめらかになるようにも感じる。加減速時の車両姿勢の変化を抑えるよう、e-4ORCEが調整されるようだ。
プレミアムBEVのアリアにも共通するデザインランゲージ「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」を表現したスタイリングも見どころのひとつ。ボディサイズも現行アルファードより全幅と高さを大きくしている。
水平に伸びたシグネチャーラインが安定感を生む。組子をモチーフとしたフロントグリルで和のテイストを採り入れている。
圧倒的に静かなキャビン空間
そして試乗全般で強く感じたのが、静粛性の高さ。遮音ガラスを多く採用した高遮音ボディの恩恵は相当大きいように感じられる。また、速度に応じた回転で完全に黒子に徹しているというエンジンや、新世代アクティブノイズコントロールでノイズを予測して先回りで消すという、先進技術の恩恵も大きいのだろう。
このように新型エルグランドは、走りの面でも「プレミアムグランドツーリングミニバン」にふさわしい期待を抱かせてくれたのだ。
モダンでありながら、どこか和を感じさせるインテリア。品の良さと落ち着きが魅力だ。
天井にはツインガラスルーフ装備。
劇場のような3Dサラウンド再生が楽しめるBOSEの22スピーカープレミアムサウンドシステムも搭載されることで、豊かな時間が約束されている。
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