
パシフィコ横浜で開催された「ジャパントラックショー2026」に、イタリア・フィアットの商用車ブランド「フィアット プロフェッショナル(以下フィアット)」が初出展。その目玉となっていたのが、欧州で高い評価を得ている2台の商用モデルだった。
●文:月刊自家用車編集部
物流のプロたちが投げかけた「本気の質問」
「ジャパントラックショー」は、大型トラックや物流システムが主役の硬派な展示会だが、フィアットブースに展示されていた2台の商用モデルは、スタイリッシュなスタイリングも手伝って、多くの来場者から注目を集めていた。
来場した運送会社やサービス業の担当者たちからは、商用車離れしたスタイリングについての感想に加えて、荷室スペースや架装の対応、そして「走行性能」についても多くの質問が寄せられるなど、フィアットとしても、物流のプロたちからこれほどの反響を集めるとは、思っていなかったという。
大型バン「デュカト」は、キャンパーモデルとしても人気
2台の展示車両のうち、大型バンの「デュカト(DUCATO)」は、2022年に国内上陸を果たした大型バンモデル。
展示されていたのは、全長&全高ともにバランスの取れた「L2H2」モデルで、全長5410mm、全幅2100mm、全高2525mmのボディサイズとなる。
パワートレーンは、最高出力180PSの2.2Lディーゼルエンジンで、トランスミッションは8速AT。高速走行を意識したシャシーセッテイングも強みとしているなど、一般的な商用モデルの認識とは少し違った、走りの良さもセールスポイントにしている働くクルマになる。
キャンピングカーの世界では、ハイエンドクラスのベースモデルとしてもお馴染みだが、これからは実利を追求するコマーシャルバン(働くクルマ)としての展開を一段と強化していく意向があるという。
デュカトは、イタリア車らしい合理的かつ洗練されたデザインが特徴の大型バン。L2H2モデルは全長5410mm、全高2525mmと堂々たる体格を持ち、機能性を追求したスクエアなボディラインもあって、圧倒的な積載空間を実現している。
堅牢なラダーフレーム構造&スクエアボディがもたらす、荷室のスペース効率の良さも強み。
フィアットの正規輸入モデルということもあって、キャンピングカーの世界での知名度も上昇中。広いキャビンスペースを豪華に架装したモデルが、多くのキャンピングカービルダーからデリバリーされている。
ミッドサイズLCV「スクード」は、2027年の導入を検討中
もう1台の「スクード(SCUDO)」は、今回が日本初披露となったミッドサイズLCV。
全長4990mm、全幅1925mmとデュカトよりも1サイズ小さいモデルだが、荷室の広さはなかなかのもの。国内導入に際して、意識しているのはトヨタ・ハイエースになるそうで、どうやら「ハイエースが品薄な今こそ、ビッグチャンス!」という思惑もあるように見受けられる。
展示されていたのは、英国仕様の右ハンドル車。全長☓全幅☓全高は4980☓1925☓1905mm。2リッターのディーゼルターボは145PS/340Nmを発揮する。
展示車は2列シート仕様になるが、荷室長は1880mmを確保。
実車を見た印象は、ハイエースほどのスペース効率を誇る「箱クルマ」的なものは感じないが、デュカトと同じようにボディまわりは堅牢な造り。荷室の床面も低く、積載物を選ばない頑強さを持つこともあって、国内の多様な商用需要にも対応できそうなのは間違いないところ。
フィアット側は、スクードについても今回のショーに訪れた目の肥えた参加者たちから「このサイズならどう使うか」「どんな装備が必要か」といった意見を広く聞き、日本市場における最適解を探りたいと考えているとのことだ。
スクードの国内導入に関しては2027年を予定。現時点ではあくまで未定の部分も多いが、日本市場との相性は良さそうなだけに、今後の展開が楽しみな1台といえる。
デザインの良さで選ばれ、実力でリピートされる。そんなイタリア流のビジネスモビリティが、日本の景色を少しずつ変えていくかもしれない。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(フィアット)
欧州で圧倒的な人気を誇るベストセラーを日本仕様に 今回紹介するのは、キャンピングカーの製造で国内トップクラスの実績を誇るナッツRVが手掛けた、フィアットのデュカトをベースにしたキャンピングカーだ。ベー[…]
細部まで磨き上げられた専用意匠 限定車「La Prima Caffelatte(ラ・プリマ・カフェラテ)」は、イタリアのカフェ文化に着想を得た内外装加飾が楽しめるシリーズモデル。 外装まわりにはスチー[…]
映画「スター・ウォーズ」のデス・スターなど帝国軍の世界観を再現! 大手自動車メーカーが今後の方針やコンセプトカーなどを展示する一方で、キャンピングカーゾーンでは様々なキャンピングカーの展示も行われてい[…]
家族旅に寄り添う新しい選択肢 トイファクトリーが発表した新型キャンピングカー「Brugge(ブルージュ)」は、ファミリーのために設計された理想的なモデルだ。ベース車両にはフィアット・デュカトを採用し、[…]
初代パンダをオマージュした新型グランドパンダが、栄誉あるデザイン賞を獲得 フィアット・グランデパンダは、フィアットが長年にわたりリードしてきたBセグメント市場への力強い再参入を象徴する新世代モデル。 […]
最新の関連記事(ニュース)
「アウトバウンド」開発者がゲームの魅力を紹介する開発日誌#1 株式会社セガが、Square Glade Gamesの開発するオープンワールド探索ゲーム『Outbound(アウトバウンド)』の最新情報を[…]
「霧幻峡の渡し」を活用したランタン打ち上げ体験 福島県金山町の奥会津エリアにて、歴史と幻想的な風景が交差する特別イベント「霧幻峡の渡し」ふくしまDC特別体験プログラムが開催される。 かつて300年の歴[…]
自生の蛍が舞う幻想的な夜を楽しめる初夏の恒例イベント 箱根小涌園では、5月20日から6月28日までの期間、初夏の風物詩である「ほたる祭り」を開催する。このイベントのメイン会場となる蓬莱園は、自然豊かな[…]
“クセ強カーナビ”という新発想 動画の内容は、“もしカーナビにクセの強い人格があったら?”というもの。普段は淡々と道案内をしてくれるカーナビだが、もしそこに人間くさい個性や妙なこだわりが加わったらどう[…]
40周年を迎えたカロッツェリアブランド、果たして14日になにが登場するのか⁉︎ 5月7日、パイオニア・カロッツェリアのトップページに出現したこのティザー画像。「2026.5.14 COMING SOO[…]
人気記事ランキング(全体)
ネジのトラブルの代表例、溝がつぶれてしまった場合の対処法 自動車のメンテナンスを自分で行う場合、ドライバーを使用してネジを外すという作業は基本中の基本となる。また、日常においてもドライバーを使用した作[…]
邪魔になりがちなサンシェードを、サンバイザーに収納するという発想 5月ともなると日差しも徐々に強くなり、地域によっては真夏日を記録するなど、2026年の夏も強烈な暑さになりそうな雰囲気も漂わせている状[…]
誰もが憧れた秘密基地を再現するジャストサイズの軽キャンパー 今回紹介するのは、キャンピングカーの老舗ビルダーであるホワイトハウスキャンパーが手掛けた、遊び心あふれる軽キャンパー「N-VAN コンポ」だ[…]
操縦安定性の研究者が提案したミッドシップは小型車のスタディだった エンツォ・フェラーリ、フェルディナント・ポルシェ、フェルッツィオ・ランボルギーニなど、世界的なスーパースポーツカーには、夢と情熱でそれ[…]
最終型に「プロ」の顔を移植する背徳感 会場で一際赤い輝きを放っていた初代シティ。ベースは最終型ということだが、初期に登場した1981年式の商用バン「シティプロ」のグリルやフェンダーミラーを移植した「先[…]
最新の投稿記事(全体)
物流のプロたちが投げかけた「本気の質問」 「ジャパントラックショー」は、大型トラックや物流システムが主役の硬派な展示会だが、フィアットブースに展示されていた2台の商用モデルは、スタイリッシュなスタイリ[…]
「ラグジュアリー=大排気量」にあらず 約16年ぶりにフルモデルチェンジした新型エルグランド。最大の見どころは、日本におけるラグジュアリーミニバンの先駆者として、今の日産が考える最高峰のラグジュアリーを[…]
サンシェードを使用しても、車内の温度上昇は避けられない まだ5月だというのに、すでに各地で真夏日を記録。日差しの強さを実感している人も多いのではないだろうか。また、クルマで出かけた際にも、強烈な日差し[…]
欧州で圧倒的な人気を誇るベストセラーを日本仕様に 今回紹介するのは、キャンピングカーの製造で国内トップクラスの実績を誇るナッツRVが手掛けた、フィアットのデュカトをベースにしたキャンピングカーだ。ベー[…]
EVバンシリーズKia PBVのみを販売 Kia PBVジャパンは、日本国内における第一号直営ディーラー「Kia PBV東京西」を5月15日にオープンした。 そのメディア向け発表会では、発売予定のKi[…]
- 1
- 2





























