
高速有鉛デラックス初のミーティングイベント「高速有鉛フェスティバル2026」が、千葉県千葉市のフェスティバルウォークイベント駐車場にて開催された。集結した480台もの「変態グルマ(褒め言葉)」の中から、筆者の独断と偏見で目に止まったクルマをピックアップ。今回は1981年に英国のスカバンド・マッドネスのムカデダンスと共に日本中を席巻した初代シティだ。しかし、目の前の個体からは、単なる懐古趣味を超えた「底なし沼」の香りが漂っていたわけで……。
●文/写真:月刊自家用車編集部(竹野由志雄)
最終型に「プロ」の顔を移植する背徳感
会場で一際赤い輝きを放っていた初代シティ。ベースは最終型ということだが、初期に登場した1981年式の商用バン「シティプロ」のグリルやフェンダーミラーを移植した「先祖返り」仕様にしている個体という。
さらに足元は、当時女子に大人気だった「クレージュ」のホイールを装着。個性的なチョイスもあって、オーナー氏に話を聞く前から、「これは相当な手練れ(マニア)だぞ」と圧倒されてしまった。
この初代シティ、最終型をベースに商用グレード「シティプロ」の装備を移植し、プロ仕様というマニア好みなモディファイが施されていた。また当時のシティプロのカタログも展示されていた。
当時のシティプロのカタログも展示されていた。
1980年代に流行していたファッションブランド「クレージュ」のロゴをディスク全面に配した14インチホイールも装備。
この当時、同じホンダのスクーター・タクトにもクレージュ仕様の通称「クレタク」がリリースされ人気を集めていた。個人的に懐かしいバイク。
当時のグッズはもちろん、ディーラーのノボリも貴重な逸品
静岡県沼津市から駆けつけたオーナー氏は、かなりのマニアのようで、車両の横には、当時のディーラー用化粧プレートやノボリ、看板が並び、ラゲッジにはお馴染みの「モトコンポ」が鎮座。さらに専用カバーからヘルメット、果ては当時のバッグまで揃える徹底ぶり。
ノーマルのステアリングもしっかり残っているインテリア。芳香剤が昭和レトロな「クルマにポピー」なのも心憎い。
「沼」にどっぷりハマったディープな「幸せ」を実感中
筆者もこの時代のクルマは好きなだけに取材は楽しく、「登場した当時は中学生でしたよ〜」といった昔話に花が咲いたのだが、そんな和やかな空気の中でオーナー氏から「このモトコンポ用バッグ、オークションでふた桁万円したんですよ」と……。
ラゲッジルームにはシティと同時にデビューしたコンパクトスクーター・モトコンポを当時のスタイルそのままに積載。
専用のボディカバーやヘルメット、バッグ、さらにはディーラーで使用されていた看板や、当時オプションで販売されていたという子供用のシティ足蹴り車も展示していた。
当時の定価は数千円レベルだったそうだが、それと比べるととてつもないプライスということ。筆者にとってはかなりの衝撃だったのだが、「看板も電光掲示板も、マニアなら持っていて当然のものですよ」と、ニコニコ顔のオーナー氏。もはや「金」ではなく「愛」の重さなんだな〜と納得できてしまった。
子供用のおもちゃ、足蹴り車もシティ。新車当時ホンダのディーラーでオプションとして販売されていたもので、こちらもシティマニアには必携のアイテムだという。
仕事のアシグルマとしても大活躍
そして、このクルマ(とオーナー氏)が、さらにヤバいレベル(褒め言葉です)と感じたのが、まだ「現役の仕事車」として、今なお第一線で活躍しているということ。
オーナー氏は、普段は建築防水のプロとして働いているそうで、「現場の脚立も積めるし、狭い路地もスイスイ。これほど使える道具はないですよ」と言うのだ。
仕事車としてもフル活用しているマニアックな旧車、なかなか無いだろう。これぞ究極の「シティ」の楽しみ方ではないだろうか。
シティプロ仕様にカスタマイズされた初代シティは、日々の仕事のアシグルマとしても大活躍中とのこと。
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