
ハイエースをベースにしたキャンピングカー「銀河」は、夫婦二人旅を想定した快適性と実用性を兼ね備えた一台だ。常設二段ベッドや独立したダイネット、使いやすいキッチン、さらにはトイレルームまで備え、車内を効率的にレイアウトしている。オプションで家庭用エアコンを装備すれば、夏場やペットとの旅行も安心だ。走行性能に優れるバンコンでありながら、キャブコンに匹敵する居住性を確保しているのが大きな魅力である。
●文:月刊自家用車編集部
二人旅を前提にしたレイアウト
銀河の最大の特徴は、夫婦二人旅にフォーカスしたレイアウトにある。常設二段ベッドとダイネット、独立したキッチン、トイレルームを通路でつなぎ、使いやすさを重視した構成だ。ベッド展開の手間をなくし、到着すればすぐに食事や休憩、就寝が可能な流れを実現している。
限られたスペースを最大限活用しながら、居心地の良さを追求しているのが銀河の真骨頂だ。小さな空間で過ごす時間を「窮屈」ではなく「快適」に変える工夫が随所に施されている。
快適な眠りを支える二段ベッド
全長2mの常設二段ベッドは、バンコンでは珍しいサイズ感を持つ。上段は幅650mm、下段は幅700mmと、ゆとりのある寸法を確保。大柄な人でも余裕を持って眠れるため、長旅での疲労回復に大きく貢献する。
展開作業が不要なため、夜になればそのまま横になれる手軽さも魅力だ。繰り返しの車中泊でも負担が少なく、旅の質を高める存在といえる。
落ち着きある二人用ダイネット
ベッドの隣に配置された対座ダイネットは、二人で過ごすのにちょうど良い距離感を作り出す。テーブルを囲んでの食事はもちろん、休憩や談笑の場としても活躍する。
過剰な広さを求めず、必要なスペースを丁寧に確保することで、車内に落ち着いた雰囲気が生まれる。銀河のダイネットは、二人旅の時間をより濃密に楽しむための空間といえる。
使いやすさを重視したキッチン
スライドドアを開けてすぐ正面に独立キッチンが配置されている。動線を邪魔するものがなく、車内でもスムーズに調理できる点が大きな特徴だ。40リットルの冷蔵庫や電子レンジを標準装備し、給排水タンクは19リットル容量を確保している。
旅先での自炊を想定した実用的な装備構成となっており、長期の滞在でも安心だ。調理、食事、休憩がシンプルに循環する生活リズムを可能にしている。
トイレルームを備えるリアマルチルーム
銀河のリアには壁と扉で仕切られた独立空間が用意されている。ここはポータブルトイレを備えたトイレルームとして使えるだけでなく、収納スペースとしても活躍する。
旅先での安心感を生み出すトイレ機能はもちろん、衣類や荷物を整理できる多用途性も魅力だ。車内で過ごす時間を快適にする「もうひとつの部屋」として、大きな存在感を放っている。
家庭用エアコンで広がる快適性
銀河はオプションで家庭用エアコンを搭載可能だ。リチウムイオンバッテリーで駆動するため、発電機を用意する必要がない。フル稼働で約4時間、夜間なら一晩程度稼働できるため、夏場の旅行やペット連れには欠かせない装備といえる。
冷房の効いた車内でペットと共に安心して過ごせる点は、近年特に注目されているポイントだ。季節や環境に左右されず、常に快適な旅を楽しめる。
セミオーダーで広がる個性
オーエムシーはカラーコーディネートや装備選択に柔軟性を持たせており、ユーザーの希望を反映させやすい。シート生地や家具の色、床材やカーテンなどを自由に選べるため、内装はまさに自分だけの空間となる。
セミオーダーによって実現する一台ごとの個性は、量産モデルにはない魅力だ。長く付き合う旅の相棒として、オーナーのライフスタイルを色濃く反映してくれる。
銀河が提示するバンコンの完成形
常設ベッド、ダイネット、キッチン、トイレルーム、エアコンまで揃えた銀河は、二人旅に特化したバンコンの完成形ともいえる存在だ。キャブコンの居住性とハイエースの走行性能を両立し、快適な旅時間を約束する。
使いやすさと安心感を兼ね備えた銀河は、キャンピングカー選びにおいて外せない選択肢となるだろう。
写真ギャラリー
ベースの車両はトヨタのハイエース。
スライドドアから入ってすぐのフロアは広々としており乗り降りもラク。奥にはキッチンカウンターが設置されており、必要装備がまとまっている。
センターコンソールはフラットになっており、小物やバッグを置くことができる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
役目を終え、数を減らしつつある可動橋。 可動橋とは、橋の下を船などが通る際にパカッと二つに分かれて運行の妨げにならないように動くようなアレのこと。要は「動く橋」のことだ。かつては日本国内にも約80基の[…]
寒くなる季節に増える「猫のエンジンルーム侵入」 気温が下がる季節になると、エンジンルームに入り込む猫の報告が全国で増え始める。猫は暖かく安全な場所を好むため、走行直後のエンジンが発する熱は格好の寝床と[…]
多様なパワートレーンとプラットフォーム戦略 TMS2025で公開されたトヨタ カローラ コンセプトは、従来の「生活に溶け込んだクルマ」というカローラのイメージを刷新する、低く伸びやかなボンネットと鋭利[…]
ホイールベース拡大を感じさせない、巧みなパッケージ設計が光る 2012年に登場した初代CX-5は、魂動デザインとSKYACTIV技術を全面採用した、マツダ社内では6世代商品と呼ばれているシリーズの第一[…]
基本を無視すれば、無用のトラブルを引き起こすことも… 整備作業においてボルトやナットの脱着は避けて通れない基本中の基本の作業。それだけに、ソケットレンチやメガネレンチの使用頻度は必然的に高まる。が、ボ[…]
最新の投稿記事(全体)
右からTOYOTA GAZOO Racing Company プレジデントの高橋智也氏、TGR WRCチャレンジプログラム所属ドライバーの松下拓未氏、柳杭田貫太氏。 「ラリーを文化に!」を続けるための[…]
多様なパワートレーンとプラットフォーム戦略 TMS2025で公開されたトヨタ カローラ コンセプトは、従来の「生活に溶け込んだクルマ」というカローラのイメージを刷新する、低く伸びやかなボンネットと鋭利[…]
日本市場への導入は、2026年夏を予定 「ジャパンモビリティショー2025」のプレスデイの初日となる10月29日、BYDは、EV「RACCO(ラッコ)」のプロトタイプを発表した。これは、日本の軽自動車[…]
NV200バネット Outdoor Black Edition(車体色:サンドベージュ モノトーン) 快適な運転をサポートする機能装備を強化 NV200バネットは、荷物の積み込みが容易な大容量の荷室空[…]
役目を終え、数を減らしつつある可動橋。 可動橋とは、橋の下を船などが通る際にパカッと二つに分かれて運行の妨げにならないように動くようなアレのこと。要は「動く橋」のことだ。かつては日本国内にも約80基の[…]
- 1
- 2
























