
キャンピングカーでの車中泊を重ねるうちに、多くの人が直面するリアルな不満がある。「ベッドがきしんで安心して眠れない」「内装のデザインがどれも似たり寄ったりで、所有欲が満たされない」といった悩みだ。せっかく自由な旅を手に入れても、居住空間に妥協があっては心からのリラックスは得られない。そんなキャンパーたちの高い要求に見事に応え、極上の居住性と圧倒的な耐久性を両立させたモデルが存在する。今回は、定番のベース車両を西海岸風の洗練された秘密基地へと昇華させた、驚きの一台に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
圧倒的な積載力と強靭なアルミフレームの融合
キャンピングカーのベース車両として、不動の人気を誇るのがトヨタのハイエースだ。クラス最大級の広大な荷室空間を持ち、普通車としての収納力や耐久性は他の追随を許さない。多くのビルダーがハイエースをベースに多彩なモデルを展開しているが、その中でも見えない部分に並々ならぬコストと情熱を注いでいるのが、埼玉県の老舗ビルダーであるメティオだ。
メティオが展開するラクネルシリーズは、真に安心して使えるキャンピングカーを目指し独自の進化を遂げてきた。そのシリーズの頂点に君臨するのが、今回紹介する「ラクネル・バンツアー」である。このモデルの最大の強みは、見えない骨格部分に隠されている。
家具やベッドを支える構造体に、軽量かつ強靭なアルミのチャンネル材を採用した独自のフレーム構造を用いているのだ。一般的な木材のみの架装とは異なり、コストは掛かっても圧倒的な剛性と信頼性を確保している。走行中の振動やきしみを極限まで抑え、長期間の使用でもヘタることのない堅牢な作りは、目の肥えた玄人キャンパーからも高く評価されている。
カリフォルニアの風を感じる洗練されたインテリア
スライドドアを開けて車内に足を踏み入れると、そこには商用バンの面影を一切感じさせない、洗練された空間が広がっている。インテリアのコンセプトは、明るく開放的なカリフォルニア・クラシックスタイルだ。
木目の温かみと、落ち着いたトーンのファブリックが見事に調和しており、まるで海沿いのリゾートにあるおしゃれなカフェや、こだわりの西海岸風コテージにいるかのような錯覚を覚えるほどだ。よくある画一的なキャンピングカーの内装とは一線を画す、大人の遊び心をくすぐるデザインに仕上がっている。
シートの生地にも徹底的なこだわりが感じられる。きめ細やかで肌触りが非常に良く、長時間のドライブや車中泊でのリラックスタイムでも快適に過ごせる極上の座り心地を実現している。見た目の美しさだけでなく、実際に人が触れ、過ごす空間としての居心地の良さを追求した結果がこのインテリアなのだ。
まるで夜行列車のような対面ダイネットと極上ベッド
居住空間の要となるシートレイアウトも見逃せないポイントだ。セカンドシートには、キャンピングカー専用シートとして定評のあるマルチアクションのREVOシートが採用されている。これにより、移動中は乗車定員全員が前向きに乗車でき、安全かつ快適なドライブが可能となっている。
そして目的地に到着すれば、このシートをくるりと反転させ、車内後方のマットと組み合わせることで、大人4名が余裕を持って座れる広々としたボックス型の対面ダイネットが完成する。窓の外の景色を眺めながらテーブルを囲むその雰囲気は、まるでかつての豪華な夜行列車の個室にいるかのような、旅のロマンに溢れた空間だ。
奥側のシートは左右と後ろに細長いフラットなスペースが確保されており、ここに物を置けばテーブルをさらに広々と使うことができる。就寝時には、このダイネットスペースが広大なフルフラットベッドへと展開される。
ここで活きてくるのが、先述した強靭なアルミフレームだ。大柄な大人が寝返りを打ってもびくともしない頑丈なベッドベースが、自宅のベッドと遜色のない深い眠りを約束してくれる。シート横には気の利いた収納スペースも設けられており、就寝時に使うブランケットや、くつろぎタイムの雑誌、お菓子などをスマートに収めておくことができる。
電子レンジも標準装備されたスマートなキッチン
長旅やアウトドアで重宝するのが、車内で簡単な調理や洗い物ができるキッチン設備だ。ラクネル・バンツアーは、ユーザーからの熱い要望に応え、使い勝手の良いキッチンを標準装備としている。
天板にはスッキリと収まるシンクが備わり、さらにその奥の棚には電子レンジまでが美しくビルトインされている。電子レンジがインテリアの一部として完全に埋め込まれているため、後付け感による圧迫感がなく、室内全体が非常にスッキリとして見えるのが素晴らしい。これなら、旅先で買ったご当地の惣菜や、お弁当をいつでもホカホカの状態で楽しむことができる。
食事やくつろぎの中心となるテーブルは、スライド式のバーで支えられた特殊な構造を採用している。前後にスムーズにスライドさせて位置の微調整ができるため、体格や用途に合わせて常に最適なポジションで使うことができる。また、テーブルの横には照明などの電気系統のスイッチが一箇所に集約されており、暗い夜間でも迷うことなく直感的に操作できるユーザーフレンドリーな設計が光っている。
空間を縦に使い切る二段ラゲッジと8ナンバーのメリット
ハイエースの広大な荷室をさらに有効活用するため、車内後方のスペースは二段構造に設計されている。下段のスペースは、釣り竿やキャンプ用のチェア、長尺の遊び道具などを気兼ねなく収納できる広大なラゲッジとして機能する。
そして上段のスペースは、オプションを追加することで子供用のベッドスペースとしても利用可能だ。上下に空間を分けることで、荷物の収納と就寝スペースを完璧に両立させ、ファミリーでの長旅でも車内が散らかることなく整然と保つことができる工夫が凝らされている。
さらに、このラクネル・バンツアーは8ナンバーのキャンピング車として登録されるのも大きなメリットだ。一般的なハイエースバンの4ナンバー登録の場合、毎年車検を受けなければならないという手間があるが、8ナンバーキャンピング車であれば乗用車と同じく車検は2年ごとになる。法定費用などのランニングコストや、車検に出す手間を総合的に考えれば、長期的な維持において非常に有利なアドバンテージとなるだろう。
これだけ上質で機能的な装備を詰め込みながら、車両本体価格は税込4,700,000円からという設定になっている。ベース車両の信頼性、アルミフレームの耐久性、そして飽きのこないカリフォルニアスタイルのインテリアを考えれば、十分に納得のいく投資と言えるはずだ。一生モノの相棒を探している方は、メティオが誇るこの極上バンツアーをぜひチェックしてみてほしい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ティッシュの「置き場所問題」をスッキリ解決! 車内のティッシュで意外と困るのが、その置き場所だ。コンソールボックスに置けば収納スペースが減り、助手席に置けば人が乗るたびに移動させることになる。ダッシュ[…]
「スバル」の名はここから始まった! 量産を目前に姿を消したP-1 現在のSUBARUにつながる自動車づくりの歴史を語るうえで、欠かすことのできない一台が「スバル1500」である。開発時には「P-1」と[…]
2026年8月のスバル新車販売台数、レヴォーグ レイバックが1397台で最多 2026年8月のスバル車で販売台数が最も多かったのは「レヴォーグ レイバック」で、1397台を記録した。前年同月比は472[…]
雨の日に意外と困る「ドアミラーの水滴」 雨天時の運転では、フロントガラスならワイパーで視界を確保できる。サイドウインドウも、走行中であれば風によってある程度水滴が流れ、どうしても見えにくければ窓を一度[…]
日産を知り尽くした職人が仕掛ける、「日常」と「非日常」の巧みなギャップ ハイエースと並び、バンコンのベース車両として絶大な信頼を寄せられる日産・キャラバン。商用バンならではのスクエアなフォルムと余裕あ[…]
最新の投稿記事(全体)
実機初公開!注目の「アンモニア/水素混焼エンジン」で新たなカーボンニュートラルへ 今回の出展で最大の注目点となるのが、自工会合同展示ブースで実機が初公開される「アンモニア/水素混焼エンジン」だ。 脱炭[…]
次世代ProPILOT開発試作車を公開 日産自動車は、「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」という長期ビジョンのもと、AIを中心に据えたAIディファインドビークル(AIDV)をはじめ、多様な電動[…]
欧州生まれのスタイリッシュなミドルサイズSUVへ刷新 3代目となる新型コンパス最大のトピックは、生産拠点が欧州へと移った点だ。 フィアットやアルファロメオ、プジョーなどと同じステランティス・グループの[…]
日産を知り尽くした職人が仕掛ける、「日常」と「非日常」の巧みなギャップ ハイエースと並び、バンコンのベース車両として絶大な信頼を寄せられる日産・キャラバン。商用バンならではのスクエアなフォルムと余裕あ[…]
値引き情報の見方 ◎車両本体目標車両本体価格からここまで取れれば成功という額。付属品からの値引きは含まない。 ◎リセール予想次に買い替えるときの下取り査定額。2~3年後の評価をA~Eの5段階で評価、更[…]
- 1
- 2



















