
自然に囲まれた環境で車中泊をしながら、パソコンを開いてリモートワークをこなすワーケーションに憧れる人は多いだろう。しかし、一般的な軽自動車ベースのキャンピングカーでは、作業用のデスクが狭くて姿勢が苦しくなったり、パソコンやスマートフォンの充電ですぐに電力が底をついてしまったりと、長時間の作業には向かないケースが少なくない。仕事も遊びも妥協したくない大人たちのリアルな悩みを完璧に解消し、もはや走るモバイルバッテリーとも呼べる圧倒的な機能を持つ驚きのモデルが存在する。コンパクトなボディに快適なオフィス環境を詰め込んだ、移動基地の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
あえて一人用に割り切った広大なデスクスペース
今回紹介するのは、数々の個性的な軽キャンパーを製造・販売しているビルダーのオートワンが手掛けた、電化キャンパーのニューモデルである給電ベースだ。オートワンの看板モデルである給電くんの系譜を受け継ぎつつ、コンセプトをより明確に研ぎ澄ませているのが大きな特徴となっている。
一般的な軽キャンパーが就寝定員を2名に設定して居住空間を広く見せようとするのに対し、給電ベースはあえて就寝定員を1名に割り切って設計されている。そして、空いたスペースに広々とした脱着式のテーブルを大胆に配置しているのだ。
この広大なデスクスペースは、パソコンを開いて手元に分厚い資料を広げても、まだ十分な余裕があるほどのサイズ感を誇っている。運転席を前に倒して背もたれにし、収納したリアシートを座面として利用することで、長時間のデスクワークでも疲れにくい快適なイスへと早変わりするギミックが見事だ。大自然の中でリアゲートを開け放ち、心地よい風を感じながら仕事に集中できる環境は、まさに理想の移動式オフィスと言えるだろう。
家電を自在に操る圧倒的な電源システム
給電ベースという名前が示す通り、このキャンピングカーの最大の強みは、あらゆる電化製品をストレスなく稼働させることができる充実の電源システムにある。車内には55Aのサブバッテリーに加えて、700Wのインバーターが最初から標準装備として組み込まれている。
車内には使い勝手の良い位置にAC100Vの電源コンセントが2口設置されており、パソコンの充電はもちろん、寒い冬の車中泊に欠かせない電気毛布やヒーターなどを安全に使用することができる。オプションで2000Wの大型インバーターを選択すれば、炊飯器や電子レンジといった消費電力の大きい家電製品まで持ち込むことが可能だ。
さらに革新的なのが、車内だけでなく車外にもAC100Vの電源コンセントが用意されている点である。これまでは車内の窓の隙間から延長コードを伸ばして外で電気を使うしかなかったが、給電ベースならキャンプサイトでの照明や電動工具の電源確保がスマートに行える。走行充電システムに加えて、停車中でも発電できる40Wのソーラーパネルまで標準装備されており、電力不足の不安を徹底的に排除しているのだ。
ゆったり眠れる就寝スペースと快適装備
広大なデスクスペースを確保しながらも、車中泊における就寝環境には一切の妥協がない。助手席をパタンと前方に倒してフラットにし、専用の就寝マットを敷き詰めることで、全長205センチ、幅56センチという大人が余裕で手足を伸ばせる就寝スペースが出現するのだ。
オプションで用意されているアクリル2重窓や遮光カーテンを装着すれば、外からの視線を完全にシャットアウトし、朝日で目を覚ますことなくプライベートな空間を保つことができる。仕事や動画編集といった作業に没頭し、眠気が訪れたらすぐ横のベッドで快適な眠りにつくという、一人旅の醍醐味を存分に味わえる作りになっている。
ベッドマットの下には各所に空きスペースが設けられており、かさばる遊びの道具や仕事用の機材をスッキリと収納しておくことができる。さらに積載量を増やしたい場合には、オプションのルーフラックを追加することで、カヤックや大型のキャンプギアなどを天井に積んで運ぶことが可能となり、アウトドアレジャーの可能性が飛躍的に広がる。
スズキの商用バンをベースにした高い実用性とコストパフォーマンス
この驚異的な移動オフィスのベース車両として採用されているのは、広大な室内空間と使い勝手の良さで高い評価を得ているスズキのスペーシアベースである。フルタイム4WDの駆動方式を選択すれば、悪路走破性も格段に高まり、釣りやキャンプといったハードな環境にも安心して足を踏み入れることができる。
就寝定員は1名に割り切っているものの、乗車定員は通常の軽自動車と同じ4名分がしっかりと確保されているため、普段は近所への買い物や家族の送迎といった日常の足として大活躍してくれる。外部電源の入力コンセントも備わっているため、自宅の駐車場に停めてケーブルを繋げば、静かで集中できる書斎や勉強部屋としても機能するのだ。万が一の災害時には、巨大なモバイルバッテリーとして家族の生活を支える頼もしい電源車にもなる。
これだけ充実した標準装備と職人技の架装が施されていながら、車両本体価格は税別で198万8000円からという非常に魅力的な設定となっている。仕事も遊びも全力で楽しみたい大人にとって、自分だけの秘密基地となる給電ベースは、軽キャンパー選びの最適解と言えるだろう。
写真ギャラリー
給電ベースはスズキ スペーシアベースを軽キャンパーに変換。
広々としたテーブルは脱着式。
車内のAC100V電源コンセントは2口。デスク脇にあり使い勝手が良い。
スズキのスペーシアベースをカスタム。多様な電化システムを搭載し蓄電できる。
40Wソーラーパネルを標準装備。オプションで100Wソーラーパネルもある。
就寝スペースは全長205cm×幅56cmで大人でも十分な広さ。
明るい色のカーテンでライトを点ければ夜間でも車内は明るくすごせる。
ルーフラックを利用すれば積載力が飛躍的にアップする。
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