
大切なペットと一緒に自由な車中泊旅を楽しみたいけれど、「抜け毛や泥で車内が汚れるのが心配」「夏場に車内で留守番させるのは熱中症が不安」と悩んでいる人は多いだろう。ペットの安全性や車内の清潔さを保つのは、一般的なキャンピングカーではなかなかハードルが高い。しかし、愛犬家たちの切実な悩みを見事に解消し、人もペットも極上のリラックスタイムを過ごせる驚きのモデルが存在する。広大な居住空間にペットのための専用ルームまで備え、徹底的な安全対策が施された魔法のような一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
ペットと旅する工夫が満載された大定番バンベースの極上空間
キャンピングカーのベース車両として、圧倒的な積載力と耐久性から絶大な支持を集めているのがトヨタのハイエースだ。紹介するモデルは、全長5380mm、全幅1930mm、全高2285mmという最大級の空間を持つスーパーロングワイドのハイルーフ・キャンパー特装車を採用することで、広々とした居住性を確保している。
キャンパー特装車は、もともと架装を前提として作られているため、断熱や防音といった車中泊に必須の処理を施しやすいという大きなメリットがある。圧倒的なポテンシャルを最大限に引き出し、キャンパー鹿児島がペットオーナーのために開発したキャンピングカーが「rem Wonder BV / BV-S」だ。
長旅を快適にするための数々の装備が、愛犬家の目線で徹底的にブラッシュアップされている。外観でひときわ目を引くのが、運転席側後方に設けられた出窓の存在だ。車内スペースを左右に拡張することで、大人でも横向きにゆったりと眠れる広大なベッドスペースを生み出している。
心地よい眠りを約束するREMマットも標準装備されており、長距離移動を伴う数日間の車旅であっても、疲労をしっかりと癒やしてくれる極上の寝室として機能する。8ナンバーのキャンピング車として登録できるため、維持費の面でも実用性が高いモデルに仕上がっている。
ベッド下に広がる愛犬専用のフリースペースと充実の水回り
スライドドアを開けて車内に足を踏み入れると、まず驚かされるのがベッド下に設けられた専用空間だ。ベッドの土台部分がケージのように使える愛犬のためのフリースペースとなっており、ドライブ中も圧迫感を感じることなく、のびのびと安全に過ごすことができる。
備え付けのラゲッジネットを装着すれば、バックドアを開けた際の不意の飛び出しも防止できるため、交通量の多い道の駅やサービスエリアでの休憩時でも安心だ。さらに、リアゲート側には10リットルの給水タンクを備えたシャワーが標準装備されている。
外で思い切り遊んで泥だらけになった愛犬の足や体を、車に乗り込む前にサッと洗い流せるのは非常にありがたい。シャワーヘッドを伸ばせば簡易的な立水栓としても使えるため、海辺でのレジャーや山でのキャンプにおいて、ちょっとした洗い物や道具の洗浄にも大活躍してくれる。
清掃のしやすさを極めたインテリアと自在なシートアレンジ
居住スペースは、落ち着きのあるアースカラーとウッディな家具類でまとめられており、まるで高級なロッジに滞在しているかのような居心地の良さを提供してくれる。ペットの毛や匂い移りを防ぐため、内装材には徹底した工夫が凝らされているのが大きな特徴だ。
フロアには防汚性能と耐摩耗性に優れたクッションフロアが採用されており、抗菌作用も備わっているため常に衛生的な状態を保つことができる。木目のデザインはあえて凹凸を持たせることで、万が一爪などで傷がついても目立ちにくいという、長期間の使用を見据えた配慮がなされている。
座席のシートには水や汚れに強いPVC素材の専用生地が使われている。ジュースをこぼしたり、濡れたペットが上がってきたりしても、サッと水拭きするだけで簡単に手入れができる。表面が滑りにくく、ペットの爪が引っかからない設計になっているのも、愛犬がストレスなく過ごすための素晴らしい工夫である。
シートアレンジの自由度も非常に高く、すべてをフラットに展開すれば広大な和室モードが完成する。脚の長さを調整できるテーブルを使ってお座敷スタイルでくつろぐこともでき、取り外したテーブルは開いたリアゲートに取り付けて野外用のダイニングテーブルとしても活用可能だ。
ウォークスルーを可能にする分割ベッドと大容量の収納力
リアのベッドスペースは機能的な分割式が採用されており、就寝時以外はベッドマットを専用の棚に収納しておくことが可能だ。ベッドを片付ければ背の高い荷物や遊びの道具をたっぷり積み込めるだけでなく、リアゲートからリビングスペースへと続く便利なウォークスルーの動線が確保される。
雨の日でも車外に出ることなく、荷物の出し入れやペットの世話がスムーズに行えるのは非常に大きなメリットと言える。さらに、特別装備のワンタッチフックを活用すれば、自転車などの大型アイテムもしっかりと固定して安全に運搬することができるのだ。
限られた車内空間を人間とペットがそれぞれ快適に使えるよう、ミリ単位で計算し尽くされた無駄のないパッケージングは、キャンピングカー造りの熟練のノウハウが成せる技である。
誤操作を防ぐ安心の電装パネルと一年中快適な空調設備
長期の車中泊旅を支える電化製品の充実ぶりも素晴らしい。車内には容量十分な冷凍冷蔵庫をはじめ、電子レンジやテレビといった生活に欠かせない家電がスッキリと収められている。簡単な調理や手洗いに重宝するシンクもしっかりと標準装備されており、生活感を損なわないスマートなレイアウトが見事だ。
愛犬家にとって最も重要となる空調管理についても完璧な対策が施されている。車内後部には本格的な車載クーラーが備わっており、夏の厳しい暑さの中でも車内を涼しく快適に保つことができる。天井には換気扇も設置されているため、ペット特有の匂いがこもる心配もない。
さらに特筆すべきは、搭載された電化製品を操作するコントロールパネルに専用の扉が設けられている点だ。スーパーでの買い物中など、やむを得ずペットを車内で留守番させる際、ペットが誤ってクーラーのスイッチを消してしまい熱中症になるという悲惨な事故を未然に防ぐことができるのだ。
乗車定員は5名で、就寝定員は4名と、家族全員がゆったりと過ごせるスペックを誇っている。車両本体価格は税込702万円からとなっており、人とペットの安全と快適性を高い次元で融合させた妥協のない作りを考えれば、十分に納得のいく設定と言えるだろう。愛犬とともに全国を旅したいと願うすべての人にとって、まさに理想的な最適解となるキャンピングカーだ。
写真ギャラリー
ベース車はハイエーススーパーロングワイドハイルーフ/キャンパー特装車。
分割式シートでベッドを片付ければリアゲートからリビングスペースへウォークスルーも可能になる。
シンクは居住性優先で省スペース化。
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