
家族全員で車中泊の旅に出かけたいけれど、「ミニバンでは就寝スペースが足りない」「本格的なキャンピングカーは大きすぎて普段の買い物や通勤で運転が不安だ」と悩んでいる人は多いだろう。せっかくの家族旅行なら、誰一人として窮屈な思いをすることなく、全員が手足を伸ばしてぐっすりと眠れる環境が欲しいはずだ。ファミリーキャンパーたちの切実な願いを見事に叶え、普段使いできるサイズ感でありながら驚異的な就寝定員を実現した極上のモデルが存在する。多彩なシートアレンジと、なんと「大人3名+子供3名」の就寝を可能にする、魔法のような一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
取り回しの良さと圧倒的な居住性を両立する定番バン
キャンピングカーのベース車両として、高い耐久性と広大な荷室空間から絶対的な支持を集めているのがトヨタのハイエースである。紹介するモデルは、キャンピングカーの製造販売を手掛けるビークルが製作した「ベッセル・J」だ。
ベース車両にはハイエースが採用されており、特装車やDX車のガソリンモデル、ディーゼルモデルなどからユーザーの好みに合わせて選択できる。乗車定員は9名から10名となっており、大家族や友人たちとの大人数での移動を難なくこなす頼もしいパッケージングが魅力である。
大型のキャブコンバージョンとは異なり、普段の買い物や市街地の細い路地での運転でもストレスを感じにくいサイズ感に収まっている。平日は子供の送迎や日常の足として大活躍しつつ、週末や長期休暇には極上のキャンピングカーとして大自然へと駆け出すことができる。日本の道路事情とファミリーのライフスタイルに最もマッチしたベース車両と言えるだろう。
昼は快適なリビング、多彩なレイアウトでくつろぐ
スライドドアを開けて車内に足を踏み入れると、広々としたダイネット空間が広がっている。セカンドシートの背もたれを後ろ向きに回転させることで、あっという間にL字型のリヤダイネットが完成するのだ。
フロントダイネットは対面式となっており、中央に設置された大きなテーブルを囲んで、家族全員でゆったりと食事や談笑を楽しむことができる。車内後方に配置されたリヤのベンチシートには2点式シートベルトがしっかりと装備されており、走行中であっても4名が横向きに乗車できる安全設計が心強い。
ソファとしての座り心地や広さはビークルのラインナップの中でも最大級であり、悪天候で車外に出られない日でも、車内が極上のリビングルームとして機能する。昼は広々としたリビングとして、夜は寝室として、空間の役割をガラリと変えられる柔軟性こそが、キャンピングカーの大きな武器である。
大人3名と子供3名が熟睡できる驚異のベッドシステム
キャンピングカーにおいて最も重要となる就寝時の快適性についても、常識を覆すポテンシャルを秘めている。シートをフルフラットに展開することで、なんと大人3名と子供3名が同時に就寝できる圧倒的なベッドスペースが出現するのだ。
セカンドシートを活用して展開するチャイルドベッドは、160センチ×120センチの広さを確保しており、子供3名が並んで眠るのに十分なゆとりがある。メインベッドは長さ180センチ×幅120センチのサイズを誇り、上段のベッドボードと組み合わせることで大人3名が手足を伸ばして快適に熟睡できる極上の寝室となる。
ベッド展開の操作は非常にシンプルで力が要らないため、長距離ドライブで疲れた夜でも、すぐに全員分の寝室をセットアップできるのはありがたい。就寝人数が少ない場合は下段ベッドのみを展開し、上部の空間を開放的に使って子供たちの遊び場にするなど、状況に合わせた自在なアレンジも可能となっている。
充実のキッチン設備と使い方無限大のマルチルーム
長期の車中泊旅を豊かにしてくれる、水回りと家電装備の充実ぶりも見逃せない。機能的に配置されたギャレーには、お洒落なステンレスボールのシンクと、40リットルの大容量上開き式冷蔵庫が標準で組み込まれている。給水と排水にはそれぞれ20リットルのタンクが備わっており、車内での本格的な調理や洗い物を強力にサポートしてくれる。
冷蔵庫は冷気が逃げにくい構造で冷凍も可能となっており、ベッドを展開した状態でも上からフタを開けて冷たい飲み物を取り出せる賢い設計が素晴らしい。シンクの蛇口は引き出し式のシャワーヘッドになっており、外へ伸ばして使えるため、アウトドアで汚れた手足やギアを洗う際にも大活躍する。
車内最後部には、3段階にサイズを変えられるマルチスペースが用意されている。着替えや長尺物の荷物の収納庫として使うのはもちろん、オプションのポータブルトイレを設置すれば、夜間や渋滞時でも子供がトイレを我慢する心配がなくなる。パーテーションを開けた位置でロックすれば、広大なラゲッジスペースとしても機能する。
ベッドサイドには横になったまま操作できるLED間接照明が備わり、天井には美しい木目調のオーバーヘッド収納が配置されている。走行中の荷物の飛び出しを防ぐロック機構も備わっており、細部への配慮が光る。家族の笑顔あふれる車中泊を実現するために、居住性と実用性を極限まで追求した究極の多機能キャンパーである。
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