
●文:月刊自家用車編集部
ヴェルファイア:モデル概要
2008年に2代目アルファードが登場した際に、より個性を求めるユーザーニーズに応えるためヴェルファイアは誕生した。そのためヴェルファイアに限って言えば、このモデルは3代目となる。
基本的なメカニズムはアルファードと同様。プラットフォームを刷新し、“高級サルーン”として、振動/騒音対策、燃費や走りといった基本性能を向上させている。
ただ、今回のモデルからアルファードとヴェルファイアのキャラの違いがより明確化されており、ヴェルファイアは、専用グレード「Z Premier(プレミア)」(アルファードはZ)を設定。このグレードは、ブラックを基調とした金属加飾をプラスすることでアグレッシブさと上質感を加えており、より個性を際立たせた外観デザインに仕上がっている。
また、ガソリン車のエンジン設定やサスチューンが差別化されており、ヴェルファイアには2.4Lターボエンジン/専用サスチューニング/ボディ補強が加えられている。そのため走りもアルファードとは少し異なった味付けになっている。
トランスミッションも、アルファードはスーパーCVT-iを採用するが、ヴェルファイアはダイレクトシフト8速ATを採用。ちなみにハイブリッド車は、2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステム(ミッション=電気式無段変速機)で、両モデル共通のシステムになっている。
ヴェルファイア:スタイリング&パッケージ
アルファードと同様に精悍な顔つきだが、ヴェルファイアは水平格子をモチーフにしたデザインを多用することで上手に差別化。全高は1945mmとアルファードよりも10mm高くなっている。
装着タイヤは、ヴェルファイアは225/55R19とアルファードよりも低扁平タイヤを装着。サスチューニングの違いもあって、走りは少し硬めな味付けだが、上級ミニバンにふさわしい快適さは損なっていない。
【TOYOTA VELLFIRE Z PREMIER 2WD(2023年6月モデル)】 ●全長×全幅×全高(mm):4995×1850×1945 ●ホイールベース(mm):3000 ●車両重量(kg):2180 ●乗車定員:7名 ●パワーユニット:2393cc直4DOHCターボ(279ps/43.8kg‐m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:10.3km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/55R19
ヴェルファイア:インパネ内装&シート
前席はドライバーを包み込むクルーザーのようなコクピットをイメージ。ヴェルファイアのキャビンは、内装加飾が差別化されるなど、アルファードよりも上級設定と考えていい。Zプレミアのセカンドシートも、左右2名がけのキャプテンシートを採用する。エクゼクティブラウンジに装着される上級キャプテンシートと比べると、電動で動く部分が多少簡素化されているが、操作感も座り心地も国産車トップレベル。抜群の居心地の良さはこちらでも十分に楽しめるだろう。
通常時の荷室スペースはかなり手狭だが、サードシートを跳ね上げればそれなりの荷室スペースが生まれる。サードシートは乗員快適性を重視した本格的なシートになるため座面の厚みは大きめ。荷室の使いやすさは、1クラス下のノア/ヴォクシーの方が優れている。
ヴェルファイア:パワートレーン
ヴェルファイアのガソリン車は2.5LのNAエンジンではなく、2.4Lターボを搭載。そのため動力性能もアルファードより上位設定になる。サスチューンも少し硬め寄りでハンドリング感覚もスポーティ。走りを優先するドライバーには、ヴェルファイアをオススメする。
ヴェルファイア:モデル変遷
【2023年6月:最新型】ヴェルファイアが発売開始
パワートレーンは2.4Lガソリンターボ車と2.5Lハイブリッド車を選択可能。駆動方式はFFと4WDが用意されるが、アルファードとは異なり、ガソリン車のエンジンはターボを搭載している。
グレードはガソリン車が1タイプ、ハイブリッド車が2タイプとなる。アルファードに比べると内装加飾も異なっているため、同等グレード同士で比べるとヴェルファイアの価格は少し高めに設定されている。当時の月販目標台数は兄弟車のアルファードと合わせて合計8500台。
| ●ヴェルファイア グレードバリエーション&価格 | ||
| パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【2WD/4WD】 |
| 2393cc直4DOHCターボ 279ps/43.8kg-m | Z Premier【8速AT】 | 655万円/674万8000円 |
| 2487cc直4DOHC 190ps/24.1kg-m + モーター 134kW/270Nm | Z Premier【電気式CVT】 | 690万円/− |
| Executive Lounge【電気式CVT】 | 870万円/− | |
| 2487cc直4DOHC 190ps/24.1kg-m + ツインモーター 134kW/270Nm(フロント) 40kW/121Nm(リヤ) | Z Premier【電気式CVT】 | −/712万円 |
| Executive Lounge【電気式CVT】 | −/892万円 | |
ヴェルファイア:最新値引き&納期情報(2024年9月現在)
- 車両本体目標値引き額:10万円
- 納期の目安:12か月以上
- リセール予想:A
ヴェルファイアも2024年9月現在、オーダーストップ中で、商談にも応じない(応じられない)という販売店が多い。アルファードと同様に、年明けと噂されている一部改良時に合わせて受注再開になる見込みだ。受注再開時にはオーダーが殺到するのは確実なだけに、今度は逃したくないというならば、今のうちからディーラーを訪ねて、購入の意思があることを伝えるのがいい。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ヴェルファイア)
PHEVモデルは、アルファード&ヴェルファイアの頂点に君臨するフラッグシップモデル さっそくアルファードPHEVの試乗車(6人乗り)を外観からチェックしてみると、ハイブリッドモデルとの大きな違いは見つ[…]
アルファードPHEVは、月々11万6050円の支払いプランから利用が可能 KINTOは、車両の代金に加えて、自動車保険(任意保険)や自動車税、メンテナンス費などの諸費用も含め、月々いくらの月額利用料と[…]
シリーズ初となるプラグインハイブリッド車を追加 今回追加されるPHEV仕様は、音や振動の少ないEV主体の静粛性の高い走りと、大容量リチウムイオンバッテリーを床下に搭載した低重心で安定した走りを実現する[…]
「アルヴェル」と一括りしては……。走り重視の選択ならヴェルファイアが明らかに格上 自動車雑誌やクルマ屋なんかからは「アルヴェル」なんて一緒くたに呼ばれることもあるように、アルファードとヴェルファイアは[…]
異常事態はアル/ヴェルだけじゃない、ミニバン系のオーダーストップが止まらない 松本 いまトヨタのミニバンがえらいことになっているね。まともに売っているのはシエンタだけだ。あとはみんなオーダーストップ([…]
最新の関連記事(新車カタログ(国産車) | トヨタ)
ハリアー:モデル概要 1997年の初代モデルの発売以来、高級クロスオーバーSUVのパイオニアとして圧倒的な人気を博してきたハリアー。2020年にデビューした現行型は、歴代モデルのイメージを受け継いだ流[…]
シエンタ:モデル概要 トヨタ・シエンタは、全長4.3m弱のコンパクトな車体に3列シートを効率的に配置し、多人数乗車を可能にしたモデル。2022年にデビューした現行型は、初代モデルで高く評価されていた“[…]
ヤリスクロス:モデル概要 ヤリスクロスは、ハッチバックのヤリスをベースにしたコンパクトSUV。ヤリスの弱点であった後部座席と荷室のスペースを拡大することで、実用性を大幅に向上させており、手頃な価格設定[…]
クラウンエステート概要:品格と機能性が同居する「大人のアクティブキャビン」 クラウンエステートは、クラウンシリーズ第4弾として登場した「大人のアクティブキャビン」。ワゴンとSUVを融合させた新しいデザ[…]
カローラクロス:都市を駆ける洗練されたSUVへ カローラシリーズ初のSUVとして誕生したカローラクロス。「アーバン・アクティブ」をデザインテーマとしたエクステリアは、伸びやかなガラス面とランプが特徴的[…]
人気記事ランキング(全体)
ピラーに装着されたエンブレムやバッジの謎とは? 今のクルマはキャビン後部のCピラーには何も付けていない車両が多く、その部分はボディの一部としてプレーンな面を見せて、目線に近い高さのデザインの見せ場とな[…]
給油の際に気付いた、フタにある突起… マイカーのことなら、全て知っているつもりでいても、実は、見落としている機能というもの、意外と存在する。知っていればちょっと便利な機能を紹介しよう。 消防法の規制緩[…]
走行中の制限を解除することでいつでもTV画面を表示可能に 最新の純正AVシステムやディスプレイオーディオは高機能だが、安全上の理由から走行中はテレビ表示やナビ操作が制限されてしまう。せっかくの高機能モ[…]
洗ってもツヤが戻らない理由は「見えない鉄粉」にあった どんなに高性能なカーシャンプーやコーティング剤を使っても、ボディ表面のザラつきが消えないときは鉄粉汚れが原因の可能性が高い。走行中のブレーキングで[…]
家族のミニバンが、週末には旅の相棒になる 「DAYs」はノア/ヴォクシーをベースにしたミニバン型キャンピングカー。普段は家族の送迎や買い物など日常の足として活躍し、休日になればそのままキャンプや車中泊[…]
最新の投稿記事(全体)
正式受注前でも、ディーラーで購入希望を伝える意味はありそう ジムニーノマド(以下ノマド)は、2025年1月30日の発表からわずか4日間で、月間計画販売台数1200台の約41か月分にあたる約5万台もの受[…]
家族のミニバンが、心地よい旅グルマへ 「フリード+ MV」は、ホンダのコンパクトミニバン「フリード+」をベースにしたキャンピング仕様。もともと使い勝手の良い車内空間をベースに、旅にも日常にもフィットす[…]
STREET VWsは空冷フォルクスワーゲン専門誌。 根強いファンをもつビートル、バス型のタイプII、カルマンギアなどがターゲット。VWはドイツで誕生したが、理想的な大衆車に仕立て上げたのはアメリカ。[…]
終戦から1年、まず走り出したのは簡素なスクーター。平和の象徴・ハトに因んで命名された三菱・シルバーピジョンは最大のライバル、スバル・ラビットとともに皇室に献上された逸話を持つ。 戦後の自動車開発は、航[…]
- 1
- 2































